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誰かのせい義
見知った顔を覗き込み
少し自分を語ってみた
すると誰かが覗き込み
嘘だ嘘だと憤る
人それぞれに自我があり
正義があって、悪がある
根拠を示さぬ否定こそ
誰かのせいに他ならない
見知った顔が覗き込み
遊ぶ自分を語ってた
それは僕には滑稽で
面白かったと笑ってみせる
人それぞれにエゴがあり
基準があって、情がある
自分を棚上げすることこそ
誰かのせいに他ならない
見知らぬ顔が覗き込み
遊ぶ誰かを批判した
それが彼には正義でも
された人には悪である
人それぞれに自己があり
自尊があって、懐がある
身勝手なその否定こそ
誰かのせいに他ならない
楽しむ自身を肯定し
遊ぶ他人を否定する
嘘だ嘘だと叫んでみて
互いの齟齬が見えぬまま
似たものたちほど争い合い
自分は悪くないと甘くなる
誰かのせいに他ならない
誰かの正義に目を背け
どの詩集にもある厭世回。