星のゆりかご
午後八時のあの場所
約束したあの場所
二人歩いた星の見える大切な丘
円筒担いで車輪を回す
大好きだった空を見るため
星が生まれるように
何か死んでいくように
質量保存のように
リンクしてるんだ
星が生まれるところ
暗黒のガスが溜まるところ
まるでもう会えない
死霊のようで
三脚を組み立てて
カメラにレリーズ着けて
二人仰いだ星の綺麗なこの丘の空
円筒下ろして溜息つく
大好きだった人を想って
星が生まれるように
何か忘れるように
不確実なものに
囚われてるんだ
星の生まれるところ
絶対に手の届かぬところ
まるでもう見れない
あの星座のようで
大きくて大きくて
熱くて熱くて
遠く遠くにあったって
星にも命があるんだ
尽きゆく死生の最後の吐息が
黒く優しい熱いガスが
次の星を作り出す
星が生まれるように
命が生まれるように
常識なものに
感動してるんだ
星の生まれるところ
子の生まれるところ
今たどり着いた
あの星座のもとに
遅くなりました。のらりくらりやれるのが詩の良いところです。
この詩集に書く内容はSSのテーマである、己、全天、終わりといった哲学を混ぜ込もうと奮闘してみた結果です。
意味が分からなくても、ふーん、こんな詩なんだと思ってくださるだけで十分です。