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第三話「どうしてだ?」

どんっ、と肩を思い切り押された。その衝撃に耐えられなくて、そのまま俺はバランスを崩して尻餅をつく。

どうしてだろうか、頭がボーッとして上手く状況が理解出来ない。

周りがざわついているのが、視界の端に移った。「なになにー?」や「どうしたの?」なんて傍観者たちの声が、頭を通り抜けていく。しかしそんなものも、俺の視線の先にいるやつの表情の前にはどうでもいい背景の一つに過ぎない。


あぁ、どうしてだろうか。あまりにショックで上手く思い出すことは出来そうにないけれど、くだらないことだったんじゃないのか?どうしてお前はそんなに、怒っているような、悲しんでいような、悔しそうな表情をしているんだ?

答えてくれよ、なぁ。

───祐治。

沢山言いたいことはあるのに、精一杯口を動かしても、どれだけ落ち着こうと呼吸を整えても、言葉が発せられることはない。

もっと他にやることがあるだろう?言わなくちゃいけないことがあるだろう?

なのにどうして...涙が溢れるばかりで、立つことも喋ることも出来ないんだ!


必死にアクションを起こそうとしても、教室床の木目タイルにシミを作るばかり。

そんな惨めな俺を見て、祐治がまたなにか言っているのが滲んだ視界にぼやけて映る。

違うんだ、俺の話しを聞いてくれ。そう言おうとしても、ヒューと喉が鳴って、空気を吸い込むことしか出来ない。

もういやだ。本当に泣き虫な俺に嫌気がさす。


それから、家で眠りにつくまでのことをよく覚えてはいない。

ただ、自分の泣き虫な性格を呪いながら深い夢の海に沈んでいった。

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