7
教室につく頃には、すでになかは、生徒で埋まっていた。
7月が近い季節、俺と同じようにワイシャツだけのやつもいる。
そんないつもと変わらないつまらない風景を視界にいれながら、なるべくゆっくりと定位置へ歩を歩める。
もともと、人と話すことも馴れ合いも好まずやってきた。
していなかった俺は学校で完全に不良の扱いをされていた。
そして話しかけてくる分は構わないが、面倒なので冷たくあしらう。という元来持ち合わせる性格が余計に人をとおざけているのだろう。
おかげで俺の周りはだいぶ落ち着いた。
しかし、一件手伝い、俺は隣の席の女、前園雛に尋ねることができてしまった。今日は気が滅入りそうだ。
いなかった俺は学校で完全に不良の扱いをされていた。
そして話しかけてくる分は構わないが、面倒なので冷たくあしらう。という元来持ち合わせる性格が余計に人をとおざけているのだろう。
おかげで俺の周りはだいぶ落ち着いた。
しかし、一件手伝い、俺は隣の席の女、前園雛に尋ねることができてしまい、今日は気が滅入りそうだ。
窓側の一つの机、前園は糸でつるされたぐらいに、綺麗に座って、予習用らしきノートを見直していた。
俺はそのすぐとなりに、座る。
俺は少し鬱になりながら、隣に座る奴を見た。
すると、同じくして前園もこちらをみてきた。
が、前園は慌てふためきまた、前をみる。何て挙動不審な奴だ。
俺は構わず話す。
「なぁ、今日帰り。」
彼女はどこぞの犬のように眼をまたたかせる。その瞳は、私ですか?と訴えていたから、そうお前だ。と目でかえす。
「前園、今日は一緒にかえるぞ。話したいことがある。」
――へ?―
とその場の雰囲気がさっと変わる。
前園は予想通りの反応。しかし、その近くにいた奴らまでもが、驚き、こちらを観る。
俺は驚嘆するそれらを眺め回す。
南月の視線を恐れた彼らは、またササッともとに視線はもどる。しかし、それでも野次馬達の好奇心は消えない。
それも当然。南月は、学校はサボるし、郊外では悪い噂が、ほんの数ヶ月前まで絶えることのなかった。不良。
対して声をかけられた前園 雛 は、ホケっとした雰囲気に、どんなに苦手なことにも努力する真面目、人を疑うことを知らないような純真さをもちあわせている。おまけに容姿端麗。クラスでの人気もある。
南月とは、ほぼ両端に位置するような相手だけに聞いていた野次馬達は、素早い伝言でクラスの奴らに情報をひろげ、今は南月と前園 雛 のやりとりにクラスが耳を傾け、注目していた。
そして前園 雛 はその言葉の理解するのに充分な時間をつかい、意図をなんとか汲み取り、頬を紅潮させてコクンとうなずいた。
みた生徒は驚き、そくざに伝わっていく。
南月君が前園を誘ってるぞ! まじかよ!何に?さぁ、分からない。
雛ちゃんに浅田君が告白してる!ウソ!
とデタラメに広がっている。
南月はその声に気付いても、かえって誤解されてたほうが助かる。と無視する。
一方は、複雑な心境でただ緊張して固まっていた。
これが浅田南月 と 前園雛の始まりだった。