変人揃いのクラスメイト
この手脳は変なこと書くかもです
--2年D組--
クラスに入って俺はまず、辺りを見回した。ただでさえ変人揃いのクラスなんだ、誰か休んでいないか、という淡い希望を抱いていたからである。
「例によってバカは風邪引かないし休みもしないか……」
そう言うと俺は席に着いた。周囲の「お前が言うな」とでも言いたげな視線は無視することにしよう。あ、そうそう、結局後輩に勉強を教えるってのはなかったことになった。ちょうどさっきの1年C組にいたから、事情を説明してきたんだ。
「……で、あんたねえ、あたしらの誰がバカで風邪引かないって?」
……!!! や、やばい……こいつは斉藤優奈。見た目はサイドテールの美少女だが、騙されちゃあいけない。
「空手の有段者でものすごい威力の正拳突きが必殺技でしかも使用頻度高くてものすごく切れやすいんだよな」
「完全にあたしだろうが!!!」
「!? ……ごふっ。」
……気づけば俺は宙を舞い、華麗に教壇に叩きつけられていた。胸と背中に激痛が走る。止まった。絶対今一瞬心臓止まった。肋骨や背骨が折れなかっただけマシだと思いたい。ちなみにこいつは飛び級を繰り返し、半年で有段者になるような化け物だ。空手なんかやったことすらない俺にこいつの正拳突きなんか避けられるわけがない。
「なあ、大、丈夫……か?」
ああ、この子は優しいな……この男の娘は朝野春人。テストの順位は三位。ちょっと天然。ものすごくかわいいのに自覚がないらしくて男口調。だがそれもいい。え? もともと男子だ? 何を言ってるんだ君は。こんなかわいい子が女の子なわけが……じゃなかった、男の子のわけがないだろう!?
「ああ、大丈……」
ガラッ(ドアの開く音)
……あ、先生だ。この先生は渡辺智也先生。俺たちの担任……
「HRを始めま……鈴木先生を呼んできます。安藤君、そのまま待っていなさい。」
やばい!!! 教壇が壊れているのが俺のせいにされてる!!! 鈴木なんか呼ばれたら放課後に一人で居残って反省分(約5000字)を書かされる!!! 何とか切り抜けないと!!!
・作戦1:逃げる
いや、駄目だ。逃げたところで呼び出されたり捕まったりするのがオチだ。
・作戦2:斉藤に罪を擦り付ける
いや、まず斉藤が悪いんだけどさ……信じてもらえねえよな……よって没。
・作戦3:謝る
って、反省文直行じゃねえか……没没!!!
「安藤!!! お前には問題を起こす才能でもあるのか!?」
……あ、もう来た。作戦失敗。
「安藤、俺はまたお前と放課後二人きりなのか!? 勘弁してくれ……」
その言い方やめて。正直俺はあんたが居残りを命じなければいいんだと思う。それに勘弁して欲しいのはこっちだっての……
「とりあえず、お前は放課後居残りだ。反省文5000字を書いてもらうから覚悟しろ。」
……なんで俺ばっかりこんな目に……恨むべきは斉藤と鈴木。
席に戻ると、後ろの席では男子が携帯をいじくっていた。こいつは服部祐樹。大体は携帯でツ○ッターに入り浸っている。と言うかこの状況でもやってんのか……とか思ってると、田中に声をかけられた。
「なあ、さっきの話なんだけど……」
話……? ああ、前回のあれか。
「ああ、そういえば、何の話だったんだ?」
「今度の日曜、何人か誘って遊園地いかねえ?」
「この状況で言うか!?」
一瞬こいつの神経を疑った。人が居残り確定して落ち込んでるって言うのに……
「わ、悪い、新しいのが近所に出来たらしくてよ……そんで俺一緒に行く彼女とかいねえから……」
そういえばこいつ振られ記録更新中だったな……(78人目)
「よし、じゃあいろいろ誘っていきますか。」
「サンキュー!!! チケット代おごってな!!!」
……はい? こいつは本当に俺の親友なんだろうか……
このあと、俺は地獄の手伝いと居残りで力尽きた。
と、言うわけで次回は遊園地。書きたかったんだ。突然だっていいじゃないか!!!