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蒙昧なる人類へ ~THE SATANITY OF HEAVEN~

作者: 皇皇皇惨

 私の名はガイジ。今は地面を舐めることを生業としている。

 突然だが私には人類の半分はこの世の理というモノを理解していないように思える。


ぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろ!!

れろれろれろれろれろれろれろ!!


 道行く人はそんな私を見てやれキチガイだのやれガイジだの言ってくる。私はガイジであってキチガイではないのだが道行く人の反応はいつも何故かその2つに二分される。


 実は私は地面を舐める事で大地にエネルギーを送り込み地震を引き起こしている。しかし道行く人々の半分は私の正体を知らないのだ。


「私は増えすぎた人類に鉄槌を下しているのだ。地面を舐める事でな!!」


 そのため私は時折道の真ん中でこのように叫ぶ。生きすぎた人類への警告と、私の正体の普及のために。


 しかし返ってくるのはやれガイジだキチガイだの言葉だ。やはり人類の半数はこの世の理を理解しようともせずのうのうと生き延び、母なる大地に害を与えているのだろう。

 許しがたいがこれも定め。私は許すことにした。


「私は寛容だッッッ!!!」


 しかしかくいう私もこの理に到達する前、しがない社畜時代には蒙昧な人種であった。

 かつては私も毎日労働し、人類への奉仕へといそしんだものだ。そんな私がここより脱したのは偶然にすぎない。


 ある日私は仕事に失敗してとても嫌な気分になった。そうして思わず母なる大地に力を捧げようと地面を舐めたところ地震が引き起こされ、嫌いな会社が木っ端みじんに消し飛んだのだ。

 そこで私は天啓を得たのだ。人類にはおしなべてみな最初からこの素養があったのだと。


 故に私は愚かなる人類への警告と嘲りの意味を込めてこう叫ぶ。


「おまえたちはがーいじ!!」


「てめえがガイジだろ。」


「無論、ガイジである。」


 こうして今日も、人類は一歩前進したようだ。





オチていると思っているのも作者だけ説。

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