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美女戦士ABCの一週間BGS  作者: 弥生えむ
第4章 喧嘩を売られたので返り討ちにしてみた

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(21)三日目

 朝。ヴィヴィアン王女はいつも通り身支度し、部屋を出た。今日も朝からキャロンの拷問部屋に行く。

「あら、しばらくできないと思って。やりたい放題ね」

 キャロンを見てヴィヴィアン王女が笑う。キャロンは昨日と同じように椅子に拘束されていたが、汚れ方は昨日以上だった。遠征に行く近衛隊が矛先をキャロンに向けたのだ。

「臭いから綺麗にしてちょうだい」

 ヴィヴィアン王女が命じる。近衛女性部隊はすぐに掃除を始めた。するとキャロンは目を覚ました。

「ん、ああ、変態王女か。確か今日出発するんだったな。ま、頑張れ」

 キャロンはかなりひどい状態だというのにのんきな様子だ。

「本当に面白くない女ね。もっと楽しいかと思ったのに。替わりにベアトリスっていう子で遊んでくるわ。さすがにあなたみたいに頑丈じゃないでしょう」

 ヴィヴィアン王女はキャロンをあおるが、キャロンはそれを笑い飛ばす。

「さてな。せいぜい気をつけることだ」

「あなたの目の前でベアトリスをいたぶり殺したら、少しは顔をゆがめて私を楽しませてくれるかしら」

「面白いな。そんなことがあったら、頑張って泣いてみるかな」

「そう。楽しみになってきたわ」

 換気と掃除が終わって近衛女性部隊は整列する。ヴィヴィアン王女はなにやらどろっとした液体が入ったバケツを手に取った。

「もうあなたには飽きたわ。ずっと裸で寒そうだから、これで暖まってね」

 ヴィヴィアン王女はそのバケツの中身をキャロンにぶちまける。

「ん? これは、油?」

 ヴィヴィアン王女はキャロンに向かって炎の呪文を唱えた。それを受けてキャロンの体が燃え上がる。

「じゃあ、食事に行きましょうか。マリア、スーザン、テリーサ、付いてきなさい」

 ヴィヴィアン王女は燃えているキャロンに背を向けて歩き出した。当然それを見守るしか無い近衛女性部隊は朝から青ざめていた。


「もう一人の方はどうかしら」

 食事中、ヴィヴィアン王女がエドワード王子に話しかけた。すると、エドワード王子は笑みを浮かべた。

「今朝早く、連絡があった。アクアがトワニーを拠点としていることが分かった」

「あら、あの平民が勝手に作った街?」

「そうだ。ダグリシアから追い出したら奴らが勝手に作った街だ。すぐに潰したかったんだが、貴族どもに反対する奴がいてな。ばかばかしい」

 農地を持つ貴族にとっては、平民は重要な資源である。平民を迫害しては貴族の生活が成り立たない。ダグリシアが平民と貴族を完全に切り分けてやっていけるのは商業が中心だからだ。農業や工業を基盤に持つ貴族にとっては平民嫌いのエドワード王子の政策に賛成しがたい。

「じゃあ、こちらにも部隊を出すのね。あそこなら、ダグリシアに残っている近衛隊を使った方が早そうだけど」

「そうしたいところだが、精鋭部隊をこちらに連れてきてしまっているのでな。今急いで準備させている。まぁ、昼くらいには出発できるだろう」

「どんな作戦なのかしら。面白そうなら、行くのはそっちでもいいんだけど」

 ヴィヴィアン王女は気まぐれだ。相手はベアトリスでもアクアでもかまわない。

「アクアは戦士だ。戦士を無力化するのには魔術師が適任となる。今回は近衛魔術師隊を中心に編成するつもりだ。見つけたら囲って交渉、場合によっては魔法で徹底的にいたぶって拘束することになるだろうな。トワニーは平民しか住んでいないのだから、被害が出ても問題ない。ついでに潰してきて欲しいくらいだ。今回は近衛魔術師隊の隊長レナードに行ってもらう。四十人規模で行かせるつもりだ」

「あら、今回もなの。そんなに出て行ってしまったら、この城がもぬけの空になってしまうわね」

「ここを攻撃してくる奴などいない。それに、じき手伝いが来る」

「あら、そうなの」

 そしてヴィヴィアン王女は考える。

「やっぱり私はベアトリスの方でいいわ。魔法を封じられて無力になった女の方が遊び甲斐がありそう」

「好きにしろ」


 午前中は遠征に向けた準備で、近衛女性部隊は忙しくしていた。基本的にヴィヴィアン王女は自分の身の回りのことしかしないので、近衛女性部隊はヴィヴィアン王女の命令を聞きながら、自分たちの準備も進めることになる。

 午前中に出発の準備は終わった。ヴィヴィアン王女の拷問具入りのバッグはやはり持っていくようだった。しっかり馬車に詰め込んでいる。近衛女性部隊の移動は基本的に馬車だ。皆馬には乗れるが、それほど多くの馬が準備されているわけではない。

 その横で、レナードが指揮を勤める近衛魔術師隊の準備もしていた。レナードもエドワード王子へ伝わる情報を制限していた。すでに昨日の段階でアクアの様子は全て把握しており、あとはエドワード王子への報告のみという状況にしてあった。セオドアが即日に出発を命令されたのを知っていたので、レナードも報告をすればその日のうちに出発の指示が出されることを予想していた。そのため、すでに昨日から出発の準備は整えていた。

 今朝早くアクアの情報をエドワード王子に報告するとともに、今回の作戦の提案も行った。基本はセオドアのプランに乗る。つまり大勢の近衛魔術師で囲んで戦意を消失させる作戦だ。相手が戦士であれば、特に三角結界や魔封じの首輪を使う必要も無い。基本的に魔術師は接近されると戦士に敵わない。しかし、接近せずに戦うのであれば、戦士に魔術師が負けることはない。

「よし、準備は良いな」

 元々昨日から用意していたので、朝から出発できる状態ではあったが、エドワード王子の手前、そういうわけには行かない。普通なら、朝に指示を受けて昼に出発するのでも困難だっただろう。

 そこにエドワード王子が現れた。

「さすがはレナードだな。この短時間で良く準備をした」

「ありがとうございます」

 レナードは慇懃に礼をする。

「アクアは常識外の戦力を持つ。以前の王城の結界装置を壊したのは彼奴だ。しかし、おまえたちは精鋭だ。あんな蛮族に負けるとは思っていない。奴を捕らえてここに連れてくるのだ。わかったな」

「はっ! 

 近衛魔術師隊は答える。そして、レナードの号令の元、近衛魔術師隊は出発した。

 彼らを見送ると、エドワード王子は近衛女性部隊の方に向かった。そしてヴィヴィアン王女に話しかける。

「準備はできたか」

「もちろんよ。慌てても仕方がないし、のんびり準備していたわ」

 今回の作戦はセオドアが中心であり、ヴィヴィアン王女は後から参加する予定である。急ぐ必要は無い。

「今回はセオドアの部隊に任せておけば何にも起こらん。せいぜい楽しんでこい」

「ええ、良い報告を待っていてちょうだいね。緑の石とその女を連れてくるわ」

 二人はそんな会話をしていたが、急にエドワード王子は視線をマリアに向けた。

「その平民はどうするんだ?」

 エドワード王子の発言はマリアだけが遠征の準備をしていなかったからである。マリアは訓練用の防具を身につけているが、明らかに遠征の装備を身につけていなかった。ヴィヴィアン王女は笑う。

「置いていくわ。邪魔ですもの。キャロンの掃除係にでもしたらどうかしら。ああ、別にその子なら○○処理用に使ってくれても良いわよ」

 それを聞いて、エドワード王子は汚いものを見るかのような目でマリアを見た。

「こんな気持ち悪いものが使えるとでも思うのか? ばかばかしい」

 するとヴィヴィアン王女は笑みを浮かべた。

「まぁ、使い方は任せるわ。椅子には丁度良いわよ」

 ヴィヴィアン王女は馬にまたがった。ヴィヴィアン王女だけが馬に乗る。白い鎧と白い馬は当然様になる。

「さて、行きましょうか」

 ヴィヴィアン王女は馬車を御するマーサに言って馬を進めた。マリアは出発する近衛女性部隊に敬礼した。

 マリアが近衛女性部隊を見送った後、城に戻ろうとすると、いきなりエドワード王子が話しかけてきた。

「おい、マリア。後で謁見の間まで来い」

 マリアが立ち止まってエドワード王子を見たが、エドワード王子はすぐに近衛隊を引き連れて城に入った。


 マリアは一旦部屋に戻った。そして自分の荷物の中から避妊薬をを取り出して飲んだ。

 マリアは危機感を覚えていた。ヴィヴィアン王女は自分を敵視しているとは言え、問答無用に排除しようとはしなかった。しかしエドワード王子は違う。ヴィヴィアン王女がこの城にいない状況では何を命じられるかわかったものではない。

 マリアが近衛女性部隊に残っているのは、自分が公明正大に退職するためである。退職した後に指名手配されるのも、全ての財産が没収されるのも御免だ。

 しかし、自分の命に関わることであれば抵抗するるもりだ。どんな恥辱も受け入れる覚悟はあるが、命だけは差し出すつもりはない。避妊薬は性的に害されることを防止するためのものだ。現状で自分を襲いたいと思う男はいないと思っているが、エドワード王子の命令があればわからない。

 マリアが二階の謁見室に入っていくと、エドワード王子が商人の相手をしていた。商人はへこへこしながらエドワード王子に挨拶し、出て行った。

 毎日、荷物を運んできた商人がエドワード王子に挨拶をしている。ここでのエドワード王子の仕事は、毎日こうして商人におだてられることだ。設置の指示などは側近がやっている。

 エドワード王子は控えているマリアを見た。

「来たか、マリア。遅かったな。逃げたんじゃないかと思っていたぞ」

 マリアはエドワード王子の前に控え頭を下げる。

「申しわけありませんでした」

「俺の前に顔を出せるとは良い度胸だな」

 エドワード王子はいきなりマリアに喧嘩をふっかける。マリアは顔をあげて答えた。

「何のことでしょうか」

 エドワード王子とはこの数年間顔を合わせていない。言いがかりをつけられる言われはなかった。

「マリア、おまえもあの女どもの仲間だったな」

 エドワード王子の言葉に、マリアは少しばかり考えて応えた。

「二年前のことをおっしゃっているのでしょうか? 私は殿下よりご指名をいただき「エドワードの奇跡の石」を奪った竜を討伐する任務を遂行しましたが、その時確かに彼女たち三人を雇い入れました。しかし討伐の時だけの契約ですので、仲間というと少し違うと思いますが」

「一緒にいたからには仲間だろう。言い逃れをするな」

 マリアは首をかしげる。

「私は討伐達成後、殿下にご報告に上がり、その時任務を解かれています。その後殿下が、彼女たちに別の依頼をしたと聞いておりますが。それについては存じておりません」

「だから、言い逃れをするなと言っているんだ! おまえは私を馬鹿にしたかったのだろう。それであの女どもを使ったのだ!」

 マリアは冷静に事実を語る。

「二年前のことを言われても困ります。私はこの城のことすら知らない上、彼女たちに接触したこともありません」

「そんなことはどうでもいい、おまえは共犯なんだ。だから処刑する。平民なぞ信用できるか」

 マリアはエドワード王子が何も聞き入れようとしないとわかった。こうなれば、マリアは最終手段を執るしかない。幸い帯刀しているので、生き延びる手段がないということでもない。円満退職を狙っていたが、こうなってしまっては仕方がない。

 マリアは周囲を確認した。近衛隊は七人。側近が三人。マリアはこっそりと手を空けて、いつでも剣を抜ける準備をした。

 その時、側近の一人が王子の側に来て言った。

「殿下。彼女はヴィヴィアン王女の部下です。ヴィヴィアン王女がいない間に勝手なことをしても大丈夫でしょうか。彼女は宮殿でもヴィヴィアン王女の部屋で寝泊まりしていると聞きますが」

 マリアは剣を握るのを保留する。そして様子を見る。エドワード王子は舌打ちした。

「何であいつは平民なんかを配下に置く」

 そしてマリアをにらみつけた。

「おまえはどうやって私の妹をたらし込んだ。このあばずれが」

 実際にはマリアが何かしたということはない。ヴィヴィアン王女がマリアの強さにに執着している。ヴィヴィアン王女も当然ながら平民を差別している。だからこそ、マリアが貴族の戦士以上の力を持っていることが許せないのである。

「特別、私が何をしたと言うことはありません」

 マリアは素直に語る。しかしエドワード王子は納得できないようだ。

「うるさい。そういえば○○処理用に使ってもいいと言っていたな。マリア、脱げ」

 女性にとってはひどい虐待だが、今までも激しい性暴力にあってきたマリアにはその指示自体は大したものではない。

「わかりました」

 マリアはすぐに装備を外し、あっという間に全裸になった。以前のマリアなら、その汚い体に嘲笑があったが、今回はそうならなかった。マリアは女性らしい体をしていないが、すでに汚らしくは見えなかった。

「毛の処理までして、色気づいたか」

 エドワード王子は馬鹿にしたように言う。

 マリアはヴィヴィアン王女の指示で近衛女性部隊たちに性的虐待をしている。その時マリアは当然裸体をヴィヴィアン王女に見せることになるが、ヴィヴィアン王女は汚い体を許しはしない。結果。マリアの髪は成年男子程度の長さになり、体中の毛はしっかり処理され、日焼けでまだらな体も解消されていた。

「おい、誰か。この女を○○せ」

 少しざわつく。公衆の面前でそれができる男は少ない。しかしやがて一人の男が声を上がる。

「俺がやってやる」

 その男は首に包帯を巻いていた。首が回らないのか、少しつらそうな仕草をしている。

「こいつに蹴られたせいで、遠征にいけなくなっちまった。やる前に一発殴らせろ!」

 一昨日女性部位隊員を○○していた男を蹴り飛ばしたが、そいつだったようだ。

 マリアが棒立ちのままでいると、男は腕を振り上げてきた。マリアはすぐに相手の股間を蹴り上げた。

「うぐっ」

 男が前屈みになったところで、マリアは彼の胸に拳を放った。

「ぐぇっ」

 男は後ろに飛ばされて倒れる。顔面を狙わなかったのはマリアの情けだ。あの状態で顔を殴れば即死していただろう。

「て、てめぇ、何しやがる!」

 案の定、男は顔を上げて抗議する。

「私は○○されるように言われただけだ。殴られそうになったら抵抗するのは当たり前だろう。おまえこそ、何を勘違いしている」

 完全にへりくつではあるが、マリアにとっては正論である。マリアは彼らの言葉に従う一方で、如何にして隙を見つけて逃げるのかを考えている。

 エドワード王子は笑い出した。

「相変わらずへりくつをこねるのが好きだな。マリア。それだけ立派な筋肉があるのなら服などいらないな。おまえはこれから常に全裸でいろ。そして声をかけられたらすぐに股を開け。抵抗は許さん。おまえたちも、キャロンに飽きたらこの女の○○を使ってやれ」

 男たちから嘲笑の声が漏れる。

「わかりました」

 マリアは素直に答えた。マリアがあまりにも無反応なので、エドワード王子は舌を打ち鳴らした。以前マリアを呼びつけたときと同じだった。普通なら躊躇するような命令を下しても、マリアは抵抗もせずに従う。それでいて、不備を追求しようとすると理路整然と言い返してくる。

「おまえに仕事をやろう。キャロンをいつでも使えるようにしっかり掃除しておけ。部屋もな。あの部屋は臭いらしいぞ」

「はい。わかりました」

 マリアは礼をすると、脱ぎ散らかしていた装備や服を抱え上げて部屋を出て行った。


 マリアは裸のまま謁見室から出てさすがにため息をつく。まさか裸で過ごさせられるとは思わなかった。

「まぁ、帯剣は禁止されなかったし、良しとするか」

 これもへりくつに過ぎない。裸で過ごせということは武器の装着も許さないと判断できるが、直接言われていないのだから禁止されてないと解釈する。鎧無しも不安だが、武器無しの方が致命的だ。

 マリアが服を抱えて階段の方に歩いて行くと、後からぞろぞろと近衛隊たちが出てきた。そして全員でマリアを囲む。

「殿下が言っていただろ。使ってやるよ。○○を開きな」

 マリアはため息をつく。さっそく催してきたらしい。マリアは素直に彼らに体を差し出した。

 ことは意外と早く終わり、マリアは男たちから解放された。そもそも誰もマリアと積極的に○○したいと考えておらず、今回は面白がって集まってきた程度だ。キャロンに対するものとは違う。

 マリアは立ち上がると、再度装備と服を抱えて階段を上っていった。

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