(16)しつけ
マリアたちはヴィヴィアン王女とともに拷問室に戻った。四人の近衛隊が残っている。三人は食事に行っているのだろう。
キャロンは相変わらず見るに堪えない姿で放置されていた。
「じゃあ、続きをしようかしら。夜には解放しなくちゃ行けないし」
マリアは残っていた四人に声をかけた。
「おまえたち、食事は?」
「もう行ってきました。交代でサリー、バーバラ、マーサが食堂に入っています」
それを聞いてすかさずマリアはヴィヴィアン王女に提言した。
「申し訳ありませんが姫様。私たちも食事に行かせていただいてよろしいでしょうか。サリーたちにはすぐに戻るように伝えます」
ヴィヴィアン王女はマリアを見て鼻を鳴らす。
「あ、そう。勝手に行ってきなさい」
「ありがとうございます」
マリアは深々と礼をして、セシリアとアイリーンを連れ立って部屋を出た。
ヴィヴィアン王女は自分のやりたいことについて近衛女性部隊員たちに命令をするが、統率に関わる細かい指示を行うことはない。この辺りの細かい指示はもっぱらマリアがヴィヴィアン王女に提言している。
ヴィヴィアン王女は奴隷扱いのマリアの発言に対しても特に怒り出したりしない。マリアがタイミングや言い方を気をつけていると言うこともあるが、マリアを虐めてもヴィヴィアン王女にとってあまりおもしろくないというのが大きい。
マリアがセシリア、アイリーンと食堂に入っていくと、食事中の近衛女性部隊サリー、バーバラ、マーサがいた。近衛隊の男たちが集まって来ていて椅子を持ち寄り、みんなで談笑していた。マリアは粗末な食事を受け取って彼女たちのテーブルに行き、男たちを押しのけて座った。
「悪いが緊急の話がある、消えてくれ」
マリアがぶっきらぼうに言うと、近衛隊の男たちは笑顔で応える。
「おいおい、食事時ぐらい仕事の話はやめろよ。楽しくやろうぜ」
しかし、マリアは冷たい目線で言った。
「だったら直接姫様に言ってくれ。私たちは十人しかいないのでな。おまえたちと違って余計なことをしている時間が無い」
まだ何か言いたそうな男たちに向かってマリアがすごみのある視線を送っていると、彼らは諦めて離れていった。すると男たちと談笑していたサリーたちが少し不満そうな顔でマリアを見た。マリアとともに来たセシリアとアイリーンはなぜマリアが男たちを遠ざけたのかわからず戸惑っている。
「何の連絡? もう戻るところだけど」
サリーがむっとした顔のまま言う。マリアが言った。
「今夜の注意点を伝えておく。二部屋割り当てられていると思うが、できるなら一部屋に固まって寝て、朝まで何があっても鍵は開けるな」
五人は怪訝な顔をするがマリアは続けた。
「さっきの男たちのように、恐らくおまえたちを誘い出そうとあの手この手で声をかけてくるかと思うが、決して扉を開けるな」
「どういうこと?」
「奴らに○○されたいというのなら止めないがな。近衛隊の連中は昔から、女の隊員を○○程度にしか思っていない。この城にいる女は私たちとキャロンと殿下の侍女だけだ。それに対して男はどれだけいると思う。殿下の侍女には絶対手が出せないだろうし、私たちは良いカモだ」
マリアが言い切ると、マーサがうなる。
「そんなに悪い人には見えなかったけど・・・」
マリアは首をすくめた。
「そう思いたいなら勝手にしろ。だが、一人でも部屋の中に入れたら、その途端男たちがなだれ込んできて全員○○されるぞ。男の数は多いから、夜中弄ばれることを覚悟した方がいい。他のメンバーとも共有しておけ。私は姫様の部屋だから、助けることなんてできない」
マリアは言い終わると、食事をし始めた。マリアの食事は粗野で汚らしい。皆がどん引きしている間にマリアはとっとと食事を食べ終えた。マリアが席を立つと、近衛女性部隊員たちは慌てた。
「待ってよ」
みんなも急いで食事を食べ始める。マリアは仕方がなくもう一度席に座り、彼女たちが食事を終えるのを待った。
マリアたちがが食事を終えてキャロンのいる部屋に向かう途中で、ヴィヴィアン王女が四人の近衛女性部隊を引き連れて歩いてきた。マリアたちは立ち止まって敬礼する。
「今日はもう終わりよ。明日また集まりなさい。それから、ルーシーとバーバラは夜になったら私の部屋に来なさい。しつけてあげるわ。じゃあ、マリア。戻るわよ」
そして歩き出す。仕方がなくマリアはヴィヴィアン王女に付いていった。ルーシーとバーバラが引きつった顔のままヴィヴィアン王女を見送った。
部屋に戻ると、ヴィヴィアン王女はエドワード王子に呼ばれて部屋を出て行った。その間、暇になったマリアは筋トレを始める。遠征に参加しているせいで、今日のノルマが終わっていない。マリアは自分を厳しく律している。いつ殺されるかもわからない環境の中、一時たりとも鍛錬を怠ることはできない。
しばらくするとヴィヴィアン王女は戻ってきた。かなり陽気である。
「マリア、相変わらず暑苦しいわね」
逆立ち腕立て伏せをしているマリアにヴィヴィアン王女が言う。
「今日の分の訓練が終わっていなかったので」
マリアは筋トレを辞めてヴィヴィアン王女に向き合った。
「どんなに筋肉をつけたって、私に敵うわけないでしょ。それ以上不細工になってどうするつもりなの」
「容姿は生まれつきなのでどうしようもありません」
「そうね。あなた、気持ち悪いほど醜いから」
ヴィヴィアン王女が陽気なのはエドワード王子から魔法装置の秘密を聞いたからだった。城の魔法装置とは魔法兵器だったのである。一度発動すれば、町の一つは消滅させられるらしい。確かにそんな内容なら人前で話すわけにはいかない。ヴィヴィアン王女は今からその魔法兵器を発動させるのが楽しみだった。
ヴィヴィアン王女は皮鎧を脱いだ。そして皮鎧の手入れやら、明日の準備やらを始める。ヴィヴィアン王女は自分の装備の手入れは自分でやる。遠征中も自分で行うので、ヴィヴィアン王女にとっては苦ではない。むしろ他人にやらせる方が不安である。
遠征なのでドレスは持ってきていないし、それを着せてくれる侍女も連れてきていない。
「何人か呼び寄せないとダメかしら。グレスタで雇うのもいいわね」
ヴィヴィアン王女は独りごちる。その間、マリアは部屋の隅で目立たないように座っていた。
しばらくすると扉がノックされた。
「ただいま参りました」
緊張した女性の声。今夜「しつけ」られるバーバラとルーシーが来た。ヴィヴィアン王女はマリアを見る。マリアはすぐに動いて扉に指輪を当ててロックを外した。
「入りなさい」
扉が開き、覚悟を決めた表情のバーバラとルーシーが入ってきた。
バーバラとルーシーはヴィヴィアン王女から少し離れたところで立たされている。ヴィヴィアン王女は彼女たちを無視して、持ち込んできた一人用のバスタブに水を入れて、魔法で沸かしていた。それから、ヴィヴィアン王女は全裸になり湯の中に浸かった。
彼女たちは緊張したまま立っていた。もう何度もしつけを受けてきたが、そう慣れるものではない。
「ルーシー、バーバラ」
おもむろに、ヴィヴィアン王女は隊員たちの名前を呼ぶ。
「「は、はい」」
二人は声を揃えて答えた。
「さっきのあなたたちの魔法はひどいものだったわね。これくらいできないの」
そしてヴィヴィアン王女はいきなり呪文を唱えて、彼女たちに指を向けた。途端に電撃が飛んできて彼女たちを打ち付けた。
「きゃっ」
二人ははじき飛ばされて倒れる。
「「しつけ」が必要よね。脱ぎなさい」
二人は電撃を当てられたお腹を押さえながら体を起こすと素直に服を脱いでいった。「しつけ」は常に全裸の状態で行われる。二人とも覚悟はできていた。
「そうね。二人とも。殴り合いなさい。お互いがお互いをしつけるのよ。手を抜いたら、わかるわね」
二人は顔を見合わせたが、やがて意を決して拳を握った。でも、近衛騎士ならまだしも近衛魔術師に喧嘩スキルがあるわけも無い。腰の入らない、優しい拳でペチペチと殴り合うだけで、どう見ても本気で戦っていない。それに同僚を殴るのは勇気がいることだ。
「もっと力を入れなさい。お仕置きされたいの!」
ヴィヴィアン王女が叱責すると、だんだん二人は本気で殴り合い始めた。どちらも体術がないから当たり放題である。
ルーシーの手がすべったのかバーバラの顔面に拳が辺り、バーバラはそのまま尻餅をついた。バーバラの鼻から血が流れ、目から涙が流れる。
「や、やったわね!」
バーバラは立ち上がると、ルーシーに殴りかかっていった。ただ、殴った方のルーシーはというと拳を押さえて涙目になっていた。完全に経験不足である。頭というのはとても固いので、拳で殴るのにはコツがいる。そんなことなど知らないルーシーは当たり所が悪かったのか拳を痛めてしまったようだった。
戸惑っているルーシーの顔にバーバラの拳が入る。ルーシーも驚きのあまり転んでしまった。鼻血は流れなかったが顔を押さえて泣き出した。そして結局バーバラも拳を押さえてうめくことになった。
「続けなさい」
冷淡なヴィヴィアン王女の声が響いた。泣いてもいられない二人は立ったまま組み合った。やけくそというか、怒りがわいたというか。どうやら本気でたたき合っている。拳が痛いのでほぼ平手打ちで叩きあう。バチバチ音が響き、みるみる彼女たちの肌は赤くはれ上がっていった。
「いいわ、いいわよ」
鼻血を流したり、顔を腫らしたりしながら喧嘩する二人を見て、ヴィヴィアン王女は興奮したようだった。舌なめずりをしながら二人のキャットファイトを見つめる。
二人は組み合って倒れた。上に乗ったバーバラは、平手打ちでルーシーの顔を叩いた。でもすぐに胸を押されて倒れる。
喧嘩はだらだらと続いた。髪を引っ張ったり頭突きをしたりと、それなりに工夫しているが、体力の無い近衛魔術師たちの動きは緩慢になってきた。体も赤くはれ上がって、見るも無惨なありさまになる。
「ふふ、もういいわよ。やめなさい」
そこでヴィヴィアン王女の声が響いた。二人は安心したが、立ち上がれずにその場に倒れた。肩で息をしている。ヴィヴィアン王女はバスタブから出て体を拭いた。
「でも、少し面白みに欠けていたわね。もう少し楽しみたいわ。そうね。マリア、あの子たちを○○して。それで終わりにしてあげるわ」
喧嘩が中途半端すぎて興奮が少し冷めてしまったらしい。
「わかりました」
マリアは服を脱いでから彼女たちに近づいていった。
「ちゃんとやりなさいよ」
「はい」
マリアは「しつけ」の際に男としての役割を言いつけられることがあった。そして今回もマリアはヴィヴィアン王女の望み通りつとめを果たした。
マリアが立ち上がって二人から離れると、ルーシーとバーバラも身を起こした。少し息を乱しているが、殴り合った後よりは回復していた。
「ひどい顔になっているわよ。しっかり回復魔法を使って治しておきなさい。もう行って良いわ」
三人はすぐに服を身につけた。
「ありがとうございました」
バーバラとルーシーがヴィヴィアン王女に礼をして扉に向かったとき、マリアはヴィヴィアン王女に声をかけた。
「私も少し外に出てきて良いでしょうか」
「あら、すぐに寝てしまうわよ。出入りされるのは迷惑だわ」
「今日は訓練をしていませんので、少し体を動かしたいのです」
するとヴィヴィアン王女はさげすむような視線をマリアに向ける。
「ふん。まぁいいわ。勝手になさい」
「ありがとうございます」
マリアは扉の前で解錠を待つ二人と共に部屋を出た。
三人がヴィヴィアン王女の部屋を出て階段を降りていると、ルーシーがおずおずとつぶやく。
「その、ありがとう。マリア」
「礼を言われるようなことをしたか?」
マリアは首をかしげる。
「そういうわけじゃないけど、男たちよりあなたの方が少しましなのよ」
マリアは肩をすくめた。
「私は姫様の言いなりになっているだけだ。感謝されるようなことはしていない」
それはマリアの本心だ。マリアに加虐嗜好は全くないが、○○しろと言われれば躊躇無く行える。それはマリア自身が性的な虐待を受け続けてきたせいで感覚が麻痺しているとも言える。もちろん、マリア自身も過剰にならないようには気をつけている。
そして三人が四階についた時、マリアは小さな悲鳴を聞いた。
「急いだ方がいいようだな」
マリアが走り出すと、バーバラとルーシーも顔を見合わせてマリアを追った。
三人が近衛女性部隊にあてがわれた部屋にたどり着くと、二つの扉は開けっ放しになっており、部屋の前に人だかりができていた。中から女性の悲鳴が聞こえる。マリアは躊躇なく男たちに後ろからつかみかかり、引き倒した。
「な、なんだ!」
「黙れ」
マリアは部屋を塞いでいる近衛隊の男を殴り飛ばして、部屋に飛び込んだ。
中は案の定だった。近衛女性部隊たちがよってたかって○○されている。五人の女性が、複数の男たちに襲われ、更にそれを囲んで次を待つ男たちがいる。
「おい、てめぇ」
マリアは後ろから肩をつかまれたので、振り向きざまそいつの顔面に鉄拳を振るった。男は数人の男たちを巻き込んで倒れた。
「そろそろお開きだ。出て行ってもらおうか」
マリアはざわめきの中で強く言う。当然それでも○○をやめようとしない男たち。そして薄ら笑いをしながらマリアを見ている男たち。しかしマリアがひるむことはない。マリアは一番近くにいた行為中の男に近づくと、その男の頭を全力で蹴り飛ばした。その男は吹き飛ばされて、隣の男にぶつかり、動かなくなった。
一瞬で空気が替わる。マリアは吐き捨てるように言った。
「首が折れたかも知れんな。治癒魔法でもかけてやらないと、死ぬぞ」
実際にその男はぴくりとも動かない。
「お、おい、ジャック、ジャック!」
慌てて男たちがジャックに駆け寄った。そして男たちはマリアをにらみつけた。しかしマリアは立ち止まってはいなかった。次の獲物を見つけると男のあごを下から蹴り上げた。ぐしゃっと嫌な音がして男の顔半分が砕けた。その男も壁まで吹き飛ばされて動かなくなった。
マリアへの怒りの視線は恐怖の視線と変わった。周りがしんと静まった瞬間にマリアが言った。
「近衛部隊での○○は禁止事項だ。文句がある奴はいるか」
その時、上半身裸の屈強な男が出てきた。マリアよりも遙かに大きな体格で筋肉質だ。
「ふざけるな。女のくせに何のつもりだ。○○じゃねぇよ。こいつらが誘ったのさ。おまえも特別に女扱いしてやるよ。○○を向けな」
「良いぞ、やっちまえ」
声援を受け、場の雰囲気がまた変わり出す。だが、マリアは躊躇せず腰の剣に触れた。男が慌てる。
「おまえ、剣を抜いたらどうなるかわかっているのか!」
当然ここで剣を抜けば大問題になる。今までの喧嘩だって懲戒ものだが剣を抜けばそれは処罰の対象だ。
「剣など抜くわけ無いだろう」
マリアは鞘とベルトのつなぎを外した。そして鞘に収まったままの剣を持ち上げる。
「て、てめぇ」
マリアはその男に打ちかかっていった。
○○目的の彼らがここに剣を持ってきているわけはない。今ここで剣を持っているのはマリアだけだった。もちろんこの部屋には近衛女性部隊の剣が転がっているが、それを持つという発想は浮かばない。マリアその大男をさんざん剣の鞘で打ち付けた。
「や、やめろ。こら」
男は悲鳴を上げて逃げようとするが、マリアは容赦しなかった。体中を剣で打ち付けてアザだらけにすると最後は蹴り飛ばして床に転がし脚で顔面を踏みつけた。
「そろそろ全員出て行け」
マリアは冷たく言い放った。
さすがに男たちは顔を見合わせて部屋を出て行く。二人の重体の男たち治癒魔法でかろうじて生きているらしく、担がれて部屋から出された。
「遅い!」
「ぐぇ」
「や、やめろ」
マリアはのろのろと出て行こうとする近衛隊たちを次々と蹴り飛ばして部屋から追い出した。全員を部屋から出すと、マリアは様子を見ていたルーシーとバーバラに言った。
「おまえたち、中に入れ」
外で呆然とこちらを見ていた二人の女性隊員は素直に部屋に入った。代わりにマリアは部屋を出る。
「鍵をかけておけよ」
まだ隣の部屋では悲鳴が上がっていた。マリアは隣の部屋にも襲撃をかけた。
「で、どうしてこうなった?」
男たちをたたき出した後、マリアは近衛女性部隊を一つの部屋に集めた。みんなやっと服を身につけたといったところである。それなりに扇情的な格好である。
マリアが見渡しても誰も応えない。マリアは肩をすくめた。
「おおかた甘い言葉に誘われたんだろうな。近衛隊の男どもは女とやることしか考えていないと伝えたはずなんだがな。部屋も一つにしておけと言ったのに」
「だ、だって。困っているみたいだったから」
セシリアが声を上げた。マリアは鼻で笑う。
「そんな間抜けな誘いに乗るな。そんなもの困らせておけばいい」
マリアがぴしゃりと言うと、セシリアは黙る。マリアはため息をついて続けた。
「今夜は全員この部屋にまとまっていろ。そして朝まで決して鍵を開けるな。奴らは必ず戻ってくるからな」
彼女たちは少し顔を青くしてざわつく。
「だって、あれだけマリアが痛めつけたのに?」
「痛めつけたのは数人だろう。残りは無傷だぞ。次はもっとしっかり準備してくるに決まっている。女がこんなにたくさんいるんだ。あれくらいで満足するわけが無い。私は戻らないといけないからな。次、助けに来ることはないと思え」
「わ、わかったわ」
みんなの顔に緊張が走っていた。マリアが続ける。
「奴らはいろいろな理由で誘い出そうとするぞ。さっきのことを謝りたいと言ってきたり、扉の外で悲鳴が上がるとかな。全部おまえたちに扉を開けさせようとしているだけだ。もっとも、おまえたちが○○をやりまくりたいというのなら止めないがな」
彼女たちは慌てて首を振る。
近衛女性部隊はヴィヴィアン王女のせいで性的虐待には慣れしている。ただし、それはあくまでヴィヴィアン王女に見せるためのショーのようなものだ。本気で○○しようとしてくる男たちに囲まれる恐怖は全く別物だ。それを彼女たちは身をもって知った。
近衛女性部隊員たちは身を寄せて震え上がり、今後は固くマリアの言うことを絶対に守ろうと誓った。