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おと、もじ、こころ
「評価」
動かない数字を見ながら空仰ぎ
「ひょうか」
かきごおり食べるあなたの赤い頬
「高尚」
欲を捨てて悟るくらいなら 全裸で代々木公園を一周してやる
この腐りかけた豚のような体が そこにぎっしりと詰まった欲こそが まさしくぼくなのだ
「こうしょう」
これは提案なんですけど クッキーをわたしに買ってきてくれませんか
買ってきてくれたら
小鳥のさえずりがする森の おくにあるひだまりのような とびきりの笑顔をあなたにあげますよ
「天災」
やめなさい
嫌なことがあると 家の中でパンクを大音量で歌うのをやめなさい
お菓子を食い荒らすのも やめたまえ
「てんさい」
自分のことを天才だと思いこんでなければ
わたしは詩なんてかけやしないのです
臆病で 小心者だから
わたしは天才だ 天才なんだと言い聞かせているのです