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言葉が見つからない

第23章

 国王は、コチャ領の前領主は本当に優れた人だったといつも感心していた。


 教育改革に当たって、国に必要な人間はこの6人だった。この6人をたくさん欲しいと思った。


 沢山は無理でも、自分の部下にこんな部下が欲しい!目標が出来れば学校づくりも軌道に乗った。


 知識、医学、工学、身体、財務、教養、そして、最後に音楽を取り入れた。音楽は学校見学に行って追加になった。


 テストもその学科の選抜に用いる為の仕様になっていた。


 しかし、このテストに臨む生徒は少数だった。たった、50人・・・大きな会場を用意したがガラガラだった。テストを受ける子供は、比較的貧しい世帯の子供たちで真面目な子が多く、それは予想していた通りで有難いと思えた。


 この学校を基準に王都や地方でも試験を行い、適材適所で人員を育てて行くことにした。とにかく、この国に必要なのは使える人間と組織と産業だった。


 誇れる産業を見つけて他国と同レベルにしないと4国連携は無理だと考えた。兄のようなカタクリ国、友のようなハナ国、しかし、グルガシ国とは接点が持てなかった。


 ハナ国のような六法試験制度を作って行くことが大切だと国王は考えた。


 トントン、

 「国王、学校の経理でやはり校長の横領が見つかりました。私たちもショックです。前領主様の時までは、正しく計上されていたものが、全くありませんでした。いかがなさいますか?」


 「そうだね、公共の物はすべてチェックした方がいいかもね。レノミンさんは君たちに任せているのだから、君たちの下で不正を働くとどうなるか、君たちが考えたやり方で、いいのでは?後、一応、彼女にも了解をとってね」


 バルトはショックを隠し切れない、レノミンさんになんて話したらいいのだろうか・・・


 「アッ、彼女、子育てや執筆活動に忙しいだろから、学校経営は、暇な僕が行ってもいいか聞いてくれる?」


 「国王がなさるのですか?」


 「うん、この学校をモデル校にして全国の学校を変えて行きたい。そうしないと優秀な人材は育たないし、僕には、いつまでたってもドント宰相しか部下がいない事になるからね・・・君はどう?僕の下で働く気はない?」


 「有難いお言葉ですが、私たち6人はレノミン様の元で働くことが使命です」

 「だよね。ーーーそう育てられて、今の信頼関係がある。だから、私も、ここの前領主を見習い信頼できる部隊をもちたいよ。そう、レノミンさんに話してくれ。


 「はい!! 」

 「はい!! 」

 

「後、ギシからの報告で王都の警備隊がS国の人間を捕らえたようです。ギシが一から警備隊を作り直し、王都ではスリや泥棒、暴力行為などの事件があまりなく、国民は穏やかに暮らしているので、S国の人間をあぶる出す命令を下した所、上手く、引っ掛かりました」


「何人?」

「いまの所、2人です」

「多分、もっといるよね。そうだな・・・5人以上になったら僕が王都に行って彼らに聞くよ」

「聞き出せることは聞き出して、報告お願いします」


「後、この国の税収の件はまだ?」

「はい、国の入出金となると後2ケ月は頂かないと・・・わかりません」

「でも、この領土は一番、税金を納めていたんだよね。宰相」


 バルトは宰相が憎くて仕方がない、重税を課して 領主様や領民を、苦しめていた張本人だから・・・

 「はい・・・・こちらの領土には、申し訳なく思っています。キース国王が連れ去られた後、ずっと、ファースト領主に国王になって頂きたく、申し出を行いましたが、いい返事は貰えず・・税を重くしました」


 「---失礼します」

 バン!! とドアを閉めてバルトは立ち去る。


 「あら、怒らせたね。その税金は何処に消えてなくなったの?」

 「はい、沢山の領土から税が納税されますが、大体は宮殿の中で消費され、後は、道路なとの公共事業に回されます。我が国の道路は比較的、整っているのは道路を作る商会がセカンド家の息がかかったものがいた為でした。こちらのコチャ領は前領主が頑なに閉鎖していましたので、比較的、道路の開発は遅れています」


 「それに気づいて、カタクリ国王は、500人の兵士に道路整備を行わせて、グレースたちに気軽に会いたいがために橋まで作らせた。って、やはり、出来る人は違うよね」


 「はい、カタクリ国王はご立派な国王です」

 「それ、僕に言う…??」

 「---すいません」


 その後、学校長の更迭が発表され、家族一家すべの財産が没収となり、学校長及び、関わったすべての職員は収監された。


 その後、レノミンの許可を得て、国王が学校の経営に乗り出した。最初に行ったのはサッカー大会、


 レノミンはあの人、もう、隠す必要ないと思っているのか?


 レノミンも観察する必要が無い程に、次々と現代社会の物を再現して、楽しんでいた。そうなると、自分も人の事は言えないと感じて、少し楽になり、やっと、BLに取り掛かることが出来た。


 3巻となると、彼らふたりにも進展があっていいな・・と思いながら考える。モデルになる人がいると想像しやすい、そこで周りを見渡し、たちと受けを探した。高校生くらいに人気が出る様に、構成されていたので、たちはティアだな・・・受けは・・・う~~~ん、若い子がいない・・・失敗だ。


 でも、ティアくらいの年齢は、恋愛に興味が出てくるお年頃だった。取材に行こう。


 そこで、丁度いい具合にティアが子供たちと一緒に帰って来た。子供たちは手を洗い、おやつの部屋に走っていく。

 「ティア、いつもありがとうね。勉強が大変な時は遠慮なく言ってね」

 「いいえ、大丈夫です。彼らが授業の時は、いつも図書館で父から渡された仕事をしていますし、今は、国王陛下が、学校に毎日来られるので国王の仕事も抱えています、特に授業を受けていません」


 「そうなの??それでは、お友達と遊ぶこともできないのでは・・?」

 「そうですね、彼らも今は国王に仕事を振られていて、遊ぶことはできないと思います」

 (なんたる、国王!!)


 「では、いつも一緒に誰と過ごすことが多いの?」

 「---皇子ですかね。皇子は英才教育と言いますが、国王にいつも課題が与えられ、その課題に答える準備をしています。前はグレース様でしたが、グレース様は、今はクラスに溶け込んでホホさんというお友達と一緒にいることが多くなりましたので、皇子と、一番一緒に過ごしています」

 「------」


 ティアが立ち去った後、・・・・・駄目だ。ティア!それは駄目だ。一番、駄目だ。と心の中でレノミンは呟いた。


 レノミンはいい案が浮かばないまま、別荘内で頭を抱えていた。


 夜に珍しく、国王が話があるとレノミンを呼び出した。


 「グルガシ国の皇太子がすごく悪い状態らしい・・・・」

 「コロネ国王は気が狂わんばかりに、シン国王に助けを求めている。もちろん、シン国王は、一番、信頼が出来る医師を、何か月も前にグルガシ国に派遣している。この前、うちから送った高麗人参も、とても感謝されたそうで、その他に、手立てはないかと打診してきている」


 国王はレノミンの顔を真っすぐに見て、

 「皇太子を助けてくれないだろうか・・・?」


 畳みかける様に話は続く、

 「考えてみたんだけど、カタクリ国とグルガシ国にはまだ車がない、馬車しかないんだ、グルガシ国を馬車で出て、カタクリ国を通過して、この時期だけかけることが出来る橋があると、宰相が言っていた橋を架ける。簡易橋は渡る時は重さを考慮して、馬車しか通れない、その後、コチャ領に入ったら、車に乗り換えてこの別荘に運ぶのはどうだろう??」


 (この人、何を言っているのかしら?もしかして、霧の存在を他国にも教えると言うの?)


 あのクリニックは日本でもトップシークレットだと思う、子供の頃の記憶は無いが、暖かい場所だった。自分でもグレースの具合が悪くならなければ思い出せなかった。それなのに・・・。


 なんでも、オープンな国王はいいかも知れないが、レノミンは本当に言葉が見つからなかった。しかし、コロネ国王の気持ちを思うと、断ることもできないと思っていた。


 子供を思う親は同じで、まして、やっと授かった最後の皇子・・・・


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