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初対面

第15章

 本当にカタクリ国の国王に電話している・・・


 「はい、はい、不甲斐ない私のせいです。はい、はい、今後は・・・はい、レノミンさんのコチャ領で、お世話になろうと思いまして、はい、エミリオは大丈夫です。一時、本当に危なかったですが、コチャ領の皆さんのお蔭て助かりました。はい、今後の事は国王にお任せいたします。はい、はい、では・・・・はい、失礼します」


 「---カタクリ国王はどうなさるのでしょうか?」


 「そうだね・・しばらくは国境付近に兵を移動させて、様子を見るらしいよ」


 「それでは王都に攻め入るのですか?」

 「王都かなぁ・・・国民には手を出さないで欲しいと前々から言っているけど・・宮殿はなくなるかも知れないね」


 「そんな簡単に・・」

 「簡単でもないんだよ・・こっちの方が沢山の不条理を働いているから、レノミンさんは、カタクリ国の娘なのにどうしてこの国にいるのか?わかる?そして、彼女はそのことを知らない・・」


 「------」


 「レノミンさんのお母様は、きっとカタクリ国から、誘拐されて来たんだと思う。そのことで戦争が起こりそうになったのは、知っているよね?どうやって、このコチャ領に辿り着いたかはわからないけど、ナナ王女は体の弱い方だったらしい、ココ王女と同じで・・・カタクリ国の国王は、ご自分の娘を嫁がせる条件で、ナナ王女の行方を正直に話す条約を結んでいたらしい・・それを裏切ったのはこの国の方だからね」


 「そんな卑怯を我が国は行うのですか?」


 「そうだよ、カタクリ国だけでなく、他の国にも同じように卑怯な手法をつかっている」


 「コチャ領がなんであんなに借金があったのかは調べた?」


 「------」


 「先代の無能さもあるけど、ナナ王女の件で、国王からずっと金銭の要求があったからだよね」


 「「君たちはナナ王女は、知らなかっただろうけど、レノミンさんを守る為に、彼女の父親は必至だったはずさ・・・素性がばれたら、政治利用の餌食になるのは見えていたからね」


 「国王はどうして?レノミン様にあんな非道な事を要求したのですか?」


 「僕はこの国の視察に力を入れていたのは宮殿に居たくないのもあるが、何か国民の為になる物を探していた。ハナ国の金山のような物を・・・その時にレノミンさんを発見した。色々調べて前領主に会いに行こうと思っていた時に、彼は病に倒れてしまって、だからと言ってレノミンさんをどうやって宮殿に呼びだすことができる?」


 「だからって・・・妊娠させなくても・・」


 真っ赤な顔で国王は怒って、

 「僕がしたと思う??あの日、彼女と初めて会って、話をするはずだった、彼女の父親の事もあったし、聞きたいことも多かった、僕は、安全の為に僕の部屋に入るまでに、いくつかの部屋を通るようにしていた。きっとそれが裏目にでたんだ。僕たちが居た部屋以外のすべての部屋に幻覚が起きる煙を焚かれた・・・そう、精力が増すような・・・」


 「彼女には本当に申し訳ないと思っている。すべてを片付けたら、僕のすべてを3人に譲るつもりでいる。僕は死んでもかまわない・・・・」


 「国王・・・・」


 「とにかく、出来ることなら、この国を常識ある国に変えて、3人に安心して暮らせる未来を送ることが、僕の目標です。レノミンさんが、信じているあなた方を私も信じたい。力を貸していただけませんか?」

 「少しだけ、私たちに時間を下さい。もうすぐ、グレース様がお帰りなります」


 午後、グレースが帰ってきた。一目散にレノミンの部屋に上がって行く、周りのみんなは大丈夫だと声をかけるが、彼女には聞こえてないように思える。

 「お母様!!!アッ!静かにしないと・・・」

 「お母様・・・・」


 「グレース、大丈夫よ、こっちよ、お帰えりなさい、学校はどうでしたか?」

 「うん、先生も、お友達も、とっても心配していました。本当にもうご病気は治ったの?」

 「ええ、少しだけ、疲れちゃったの・・」


 「お友達がね、昨日の夜に、すっごく花火が上がったって、それって、サンドロが上げたの?もしかして、それで疲れちゃったの?」


 「昨日の夜にね、グレースが生まれてくれてありがとう、って、沢山の花火を上げたのよ。とってもキレイだったけど、グレースはもう眠る時間だったね。ごめんね」


 「うん、眠っちゃった・・」

 「シルキーもダリアも眠ってしまったのよ。でも、今日は二人とも元気でしょ。お母様な起きられなかったこど・・・夜更かしはダメよね」


 「おやつを食べたらもう一度、お母様の部屋に来てくれる?」

 「うん、わかった、急いでもどるね」


 グレースを見送り、レノミンはまたエミリオの部屋に来た。

 「国王、少しよろしいですか?」

 「どうそ、グレースにお二人を紹介しようと思いまして・・・いかがでしょうか?」


 「もちろん、私たちは大変うれしいですが・・・父親と兄と名乗ってもいいのですか?」


 「ええ、そんなこと嘘はつけません。子供には正直に何でも話しなさいと、言っていますから・・」

 「ありがとうごさいます」


 「グレースがおやつを食べたら連れてきます。ダリアお願いね」

 「はい、大丈夫です」


 ダリアはレノミンが倒れた時にバルトが起こして来た。目が覚めた時にレノミンは国王とエミリオの存在をダリアに話した。ダリアには嘘はつけない・・きっと、バレると思ったから・・・そして、エミリオの世話をお願いした。


 「エミリオ様、旦那様にそっくりです。グス・・・旦那様はグレース様とエミリオ様に会われたらきっと、ご病気に打ち勝てたと思います。うううう・・・すいません・・・」


 「本当ね。そうだったらどんなに良かったか・・・・」


 おやつを口に頬張ったままレノミンの部屋に来たグレースはいつもより大人しい・・・


 「グレース、昨日の花火にはもう一つ理由があって、実はね、エミリオがこの別荘に訪ねて来たのよ。お父様もご一緒に・・グレースとエミリオの誕生日をお祝いにいらしたの・・・わかる?」


 「少し事情があって、別れて暮らしていたけど、しばらくは一緒に暮らせるの・・・」


 「エミリオとお父さまがいらしたの?でも、エミリオは皇子で・・・お父様は国王なのに?」


 「そうよ、エミリオが病気になってしまって、昨日の夜は大変だったの、だからお母様も起きられなかったのよ」


 「ゆっくり休んで、お母様は元気になったのだけど、エミリオはまだ元気にはなっていない・・の・・」


 「一緒にエミリオのお見舞いに行ってみる?」


 「本当に?本当にエミリオが家にいるの会える?会える?本当?」


 二人は一緒にエミリオの部屋に向かい、挨拶をする。

 「はじめまして、レディ・グレースです。・・・・エミリオはご病気なの?」


 「うん、もともと、そんなに丈夫ではないんだ。君が、本を読んでくれていつも元気になっていたんだよ」


 「本当?会える?」

 「どうぞ、」


 カーテンの向こうに寝ているエミリオは眠ったままで、顔色がわるく、痩せていた。


 「エミリオ・・・虫歯になっても、キャンディは食べた方がいいわ・・・これでは駄目よ」


 「ふふふふふっっっ!! そうだね、エミリオは余り健康的ではないね。でも、君に会えたからきっと、健康になれると思うよ」


 「・・でも・・・エミリオくらいがいいのかも・・身軽が羨ましい・・」


 「お嬢様、何を言っているのですか、子供は、食べることが仕事です。エミリオ様とご一緒に、沢山、食べて大きくなりましょう」

 

「ーーーダリア、私・・・ダリアみたいに太っちょはヤダーー!! 空が飛べない!! 」


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