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7頁:学校編開始

 …皆大好き学校編スタート!


ヂヂ…ヂヂヂヂ…

 …折角の明るい気分を台無しにしないでよ。


 あー、うん。


 あの不幸な事故(人為的だけど)から、1ヶ月。

 そろそろ、学校へ行くことになりました。


 …んー、実はまだお腹とかちょっぴりひきつってるんだけどね。


 ついでに、肩とか足とか傷だらけだしねえ。


 あっは、いってー。


 今回は精神的にじゃなくて、物理的に。


 …体育の授業は受けちゃいけないって言われたし。


 それって単位とかいうものが危ないんじゃないのかなー?


ヂヂ…ヂヂヂヂ

 ノイズは元気だなあ…ファッ(自主規制)


 んー、Fac●だっけ?Fuc●だっけ?

 英語の成績も良かったはず、なんだけどなあ。


 …こういう汚い言葉とは無縁な子だったか。


ヂヂヂ…

 ぐあー、やめて、頭痛い。


 で、ちなみに退院したのは昨日。


 …あー、学校行きたくねー。


 ついでに、始業式はとっくに終わってるらしいです。

 そりゃ、入院してたから出れてないよ。


 …やったね!


 何が?


 もう一つ言っておくと、実は今10時。


 学校は9時から。


 …あー、遅刻確定―。


 ますます行きたくないなあ。


 ニートやってたいなー。



 …頭痛いし。


 あ、さて、新しく学校編が始まるわけですが…、改めて自己紹介でもしておきましょう。


 僕の名前は前川(まえかわ) 千知(ちち)

 ピッチピチの高校2年生。


 …記憶喪失なんだ。


 で、んー、ノイズに悩まされる明るい(多分)高校生!


 …言っててかなしくなるね。


 うん、ちなみに退院のいきさつとかは、すごーく手短に終わりそうだけど…省略。


 何故って、…思い出したくないしー?


 元気な時に思い出してあげるね。


ヂヂヂヂヂヂ…

 うるさい。


 上から目線ですみませんでした…。


 とまあ、自己紹介とかしてみたけどー…何回目?


 いい加減記憶喪失キャラとか、やめてほしいよね。





 …地味に不安だから。





 うん。

 …学校行くか―。


 征服…じゃなくて、制服をちゃんと着てね。


 …不安だなあ。





 …どれだけ心を抉られるのかな。




 

 あっは、まいいや。



 さて、いざゆかん。


 …あー、遠いなあ。



 やっぱりやめるかな?…いや、行こうか。


 モモちゃんとか、待っててくれそうだし。




 クルクルさんとか、…会いたくねー。


 そうだよ!それが一番の原因だよ!


 だってさ、病院でどれだけ気まずかったと思ってるの!



ヂヂ…ヂヂヂヂ

 うっせー!ちょっと話してるんだから…邪魔…だ。


 うん、そう、気まずかったよ…。


 理由?さあ、よく覚えてない。


 ともかく気まずかったのさ。






 さて、いい加減行こうかー。


 壁に話しかけてる変な人と思われたら困るし。

 …誰にって言われても、家に自分だけだけど。



 広い一軒家に一人だけ。


 駅から徒歩10分、学校まで徒歩15分。


 良い立地条件だわー。


 で?だから?それで?



 あー、行こう。


 …別に壁に話しかけたりするのが好きな暗い子じゃないんだよ!





 っと、制服に着替えた、鞄持った、筆箱入れた、お財布持った、携帯…あったかな。

 ま、とりあえず準備万端…かな。


 あー、…行くの?


 行くか―、戸閉まりもしっかりして…。


「ガチャン、ガチャガチャ」


 擬音を口で言うのって悲しくなりますね。


 さて、テクテク…と。


 ヂヂヂ…と…は要らない。



 歩く歩く、電柱とかスルー、茶色い物体とかスルー。


 わざわざ登下校のソロプレイの様子とか解説しても仕方ないね。


 さみっしー!



 あー、…行きたくない。


 っと、もう学校?


 え?はやっ。


 

 時間は…っと、…12時?


 …不登校の子みたい。


 あー、こんな時間に行くのかー。



 いーや、いこーっと。

 空気読めない子ですけど、何かー?



 テクテク…階段登る。


 …おお、ここが我が2年E組かぁ。


 …やっべ、皆お昼ご飯食べてる。


 せめて授業しててよ…って今何時?…12時半…。

 校門からここまで30分…?へえ。


 あー!


 いいや、もういい!


 ガラリ!


「おはようござい…ます?」


 …うっわー。


 みんな、何?何?みたいな目でこっち…見て。


 うわあ…げんなり。


 帰ろ…ってだめか。


 あ、先生に挨拶とか忘れてた。自分の席ねーよなー。


ヂヂ…ヂヂヂヂ…

 こんなときに出るんじゃねー。うっせんだよ。



「おは…よう…」


 うっわー…。


「おはよう、千知くん」


 …わお、モモちゃん頑張ってるね。

 この重い空気の中、必死で…明るく。


 自然に。



 当たり前のように。



 …非日常と塊の僕を受けとめようとしているね。


 あっはー。


「えっと…あー…帰るね」


「まってえい!」


 …誰?


 ってか、やだやだ、この空気。


「ったく、何を当たり前のように帰ろうとしてるのさ。…ほら、こっちきなよ」


 おーわ、おい…怖いよ。


「…あー、記憶喪失なんだっけ」


「うん」


 おっと、意外とすんなり言えた。


ヂヂ…

 あー、ノイズさんや、…きおくそーしつという単語は隠さないのね。


「うん、おはよう…ってかこんにちは、だな」


「あー、そうだね。こんにちは」


「こんにちは」


 …重い。


「うん、覚えてないだろうけど、一応君の親友だった(あゆむ)だよ」


 …アユアユか。


 っと、そんな事はどうでもいいんだ。


 …過去形グサリと来るね。


 なんでこの学校に戻ってきたのかな、僕は。

 アホくせー。


「ああ…歩…君?…えっと、…改めてよろしく?」


「うん、よろしく」


 …固い握手…はしない。


 だって男だし。


ヂヂ…ヂ…


 ゾクリ…うは、なんか来た。

 すっげ…ノイズやな響き。


 うあー…。


 あー。


 っ…あ。


「んーと、ああ君の席はそこ。…おい、どけ柳沢(やなぎさわ)


「あいよー」


 …お弁当どかす。


 罪悪感ー。


「うん…あー、うん…っと、病院どうだった?」


「清潔だったねえ」


 …嘘だけどさ。


 正直なところ…血なまぐさかった。


 うは。そんな入院体験ねーよー。


「あ、っと、そろそろ授業始まっちゃうね。…放課後話聞かせてよ」


「うん…分かった」


 あー、あー…分かりたくないー。




 ガラリ…っと先生が入ってくる。

 

 ザワザワしていた生徒が鎮まる気配はなく…って、おい。


 てきとーに席に戻る。


「それじゃ、授業を始めようか…っと、こらこら…おい」


 ん?どしたんだろ。

 ってか、先生美人だなあ。


 なんか、周りの美人率高いね。


 さっすが自称主人公だ。


 …あっは、他称してほしいけど。


 きっと僕はわき役止まりかな。



「おい、こら……返事をしろって、前川!」


「えぁ?はいっ!?」


 驚いたぁ!

 僕の事呼んでたのかよ!


 …ってま、当たり前だけど。


「えぁ?じゃない、…遅刻とは、いー度胸だ」


「すいません」


 …あやまろー。


 うん。


「はー、まったく…まあ、いいか…それなりの事情があるわけだし。ちなみに担任も私だ」


「せ…先生っ!」


「はいはい、授業を始めるぞ…ふむ、あー、放課後一番に職員室に来い」


「…はい」


「さて、始めるか」


 おっと、触れないでくれるのかー。


 ありがたい先生だ。


 …ついでに色々と考えてくれてるのね。


 あっは、ちょっと先生の事尊敬ー。


ヂヂ…

 うざい。



 さーって、ふむ、歴史のお勉強かあ…。


 あー、これ知ってる。

 …嘘だけどさ。


 やっべー、ほぼ分からないや。


 あは、まーいいか。



 んー…なんのことやら。


 あー、意味分からない…。



 ふむ、教科書ちんぷんかんぷん。



 ノートに何も書いてないし。


 …いや、もしかしたら…そうか!蓄光塗料だ!


 ノートに腕を丸く置いて…そう、影を作るように。


 んで…そこに頭を。


 おー、真っ暗。


 別に蛍光じゃないのかな?



 うん、いやまだよく見ないと分からないや。



 もーちょっとよく見よう。



 …あー、程よい暗さと、腕が枕になって…眠いなあ。



 …おやすみー。



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