18頁:かくれんぼの秘密
…頭が痛い。
くそう…そろそろ限界…?
やだなあ。
えーと…時間は…4時?
寝坊してしまったか。
…ま、どうでもいいけどさー。
あっは、いくよ。
…って、左手左足骨折してる僕がどうやって学校の中に入ればいいんだろう。
まず…門をよじのぼ…無理じゃないかっ!
しまった…それが狙いだったのか、…クルクルさんめ。
僕もつかれてるみたいだ。
3+4時間…本当は4+4時間だけど…いろんなロスタイムを考慮してそう言ったけど…。
違った。…制限時間は0時間…?
絶対有利…か。
あっは、…確かになあ。…探す時間がなければ…勝てないね。
しばらく…門を眺める。
人通りは皆無と言ってもいいけど…一応、隠れる必要はあるよなあ…。
見つかったらゲームオーバーだし。
はあ…。
やってくれたな…クルクルさんめ。
しかたない。
ちょっとリスクは大きいけど…昼間入ろう。
遅刻した哀れな人のために、…門は開いてるはずだから。
ふう…。
さて、この余りある時間でどこかに僕も隠れないとね。
見つかってしまっては…元も子もない。
…まったく、鬼が隠れるかくれんぼなんて聞いたことがないよ。
とりあえず…植木の中にでも入ってようかな。
学校の正門のあたりに…つつじか何かが植えてある。
…まあ、多分ばれないでしょー。
寝転がるようにして、木の合間に入りこむ。
…意外と外が見えないね。…これなら大丈夫かなあ。
後は…タイミングだ。
どのタイミングで行けば…見つからずに中に入れるか。
…ミスったらゲームオーバーだけどさ。
くっそう…こっちの敗北条件が多すぎて困るぜ。
負ける気は…全くないけど。
はあ…。
…っ…あー…頭痛いー。
いい加減…やばいなあ。
ってか、何か頭クラクラするし。
…軽く貧血?
はは…。
土が冷たくて心地いいや。
まるで、死んだ気分だよ。
…ま、もう少し頑張って生きてやる。
僕のために。…そう、僕のために。
…何か、目的間違えてるような?
気のせいだよねえ。
あっは、…寝ようかな。
おやすみ、…うん。