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第2話:実際のカップル判別はどうやってるんだろうね?

 水着を購入したデパートはデカい。とにかくデカい。


 そして中には様々な店が内包されており、


「……」


「……どうした? 急に立ち止まっちゃって」


「あ、えっと、何でもないわよ。ただこの映画がちょっと気になって……」


「ん? ああ、なるほど」


 映画館もその一つだ。


 その映画館の入り口にあたる所では、映画のポスターが大量に貼ってある。


 彼女が目に引いた映画ポスターは――恋愛ものだった。


「……」


 彼女が好きな映画はこのような恋愛ものが多い。それもイチャイチャするようなタイプ。


 俺はというと、スターウォーズみたいなバンバン目に悪そうなエフェクトが飛び交うバトル系が好きと、噛み合わない。


 と、いうか俺自身が恋愛ものが苦手だったりする。見てるとなんか恥ずかしくなる。


 彼女を見る。


「……」


 目はポスターに釘付け。意識もポスターへ向かっている。


 ……そうだな。


「後10分で始まるらしいから、見に行くか?」


「え? ……うん、行く。行きたいわ」


 ポスターに嫉妬しながらも言った提案は気に入ってもらえたようだ。うれしい。


 中に入り、店員に言葉を投げかける。


「すいません。この映画を学生二人で見たいのですが」


「はい、ありがとうございます。学生証を提示してください。……はい、ありがとうございます」


 学生証を見た店員は、少しこちらを見る。


「……あの、何か?」


「あ! すみません。もしかしてお二人様はカップルなのでしょうか?」


「カッ?!」


 思いもよらない言葉に驚き、


「え、そ、そうです」


 査定する。 (「ふふふ」)……後ろから彼女の笑い声が聞こえてくるが、多分気のせいだ。


「でしたら、カップル割りも適用できますよ。値段が2割ほど安くなります」


「あ、お願いします」


「では、カップルの証拠にキスをお願いします!」


「へ?」


 キス。キス?!


 マジか。え、どうしよう。


 彼女の方へ顔を向ける。赤面していた。流石にこれは恥ずかしいらしい。


 彼女とはキスはしたことはある。けどこんな人前では無い。


 これは止めた方が良いかもしれない。


「あの、やめ「やりましょう、ね」


 俺の言葉を遮ったのは彼女だった。やる気だ。キスをやる気だ。いまだに赤面はしているが。


「え、じゃあ……」


「ん……」


 キスをした。キスと言っても一瞬、通称おこちゃまキスだが。


「はい、オッケーです! では値段は――」


 めっちゃ恥ずかしくて、映画館内部に入るまで、顔を向き合うことが出来なかった。言葉も発せなかった。




 @




『じゃ、じゃあ! 私もう行くね!!』


『あ、ちょっと待てよ』


『え?』


『ほら、髪に芋ケンビが付いてたぞ』


『あ、は、恥ずかしいぃ!!』


 映画の内容は甘ったるかった。


 それはもう甘ったるかった。


 砂糖を口から吐きそうになるくらい甘ったるかった。


 正直目に入れたくない。聞きたくない。恥ずかしい。


 彼女の方へ目を向かわせる。


「……」


 ガン見、集中、空想の世界にどっぷりとハマっている。折角買ったポップコーンが一切進んでいない。


 やはり彼女はこんな恋愛ものが好きらしい。


 ……好きなのかぁ。


 俺は彼女にこんな恋愛ものみたいな対応をすれば良いのか?


 正直、恥ずかしくて嫌だが――これも勉強だ。


 次々に現る、いちゃラブに砂糖吐きそうになりながらも、俺は映画をしっかりと見た。




 @




 映画を見に終わって、俺の家に向かう途中の出来事。


「ちょっと待って」


「ん?」


「ほら、髪にポップコーンが「映画のマネ?」


「……はい」


「ふふふ、ありがと」


 もう二度と映画のマネをしてやるものか。

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