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第3話:過去に後悔しても、時間は未来へ進むのだ

 やってしまった。


 それがずっと頭の中で回る回る。


「दूसरे शब्दों में, मास्लो की इच्छा पदानुक्रम का उपयोग करके, संगठन के कर्मियों को कुशलता से स्थानांतरित करना संभव है। खासकर पदानुक्रम से ऊपर――」


 もはや教師の言っている事が、別の言語に聞こえる。そのレベルに達するほど、俺の頭は動いてなかった。


 いや、動いているのだ。ただその働き先が彼女の事で一杯なだけだ。


「……はぁ」


 どうしてあんな事をしてしまったのかと考えるだけで、ため息が出る。


 理由は分かる。


 彼女に馬鹿にされた事が許せなかったのだ。


 自分のやろうとしている事を。自身の未来の事を。


 だからと言って、叫び散らすなんて事はダメだ。


 彼女の言葉は多分、本音とかではない。ただ怒りの余り行ってしまった刃なのだ。


 だから俺のプライドを傷つけた点では怒ってはいけない。


 そして、そもそも彼女があんな感じで怒り始めた原因は自分なのだ。


 彼女をイラつかせた言葉を発した俺自身が悪いのだ。


   (「なんでイラつかせ)   (たのかは分からない)   (だけどもな」)


 自分の考えを整理するために小声で言う。自身に言聞かす。


 そうだ。なんで彼女が怒ったのかが分からない。


 たしか、膝枕を否定したら怒った。でもそれは未来の事を思って――


『今の私を見ろ』


 彼女の言葉が脳に反響する。


 そうかなるほど、彼女は嫉妬していたのか。未来の自分に。


 だとしたら、……どうすれば良いのだろうか?


 未来の君に嫉妬してゴメンナサイ。なんて言えば良いのか?


 分からん。


 当たって砕けろ的サムシングで謝ればいいのか?


 その光景を想像して、止めた方がいいと思った。


 ――彼女に叫び散らす俺の姿が見えたからだ。


 多分、俺は内心許せてないんだろう。未来の俺が馬鹿にされたのが。




 @




 俺は中途半端だ。


 だから彼女と釣り合ってないのが不安になる。


 彼女にはもっと良い相手が居るはずだ。俺みたいな変な奴はとっとと別れて手を引くべきだ、なんて。


 だけど、俺は、それを実行できない。


 仮に、仮にだ。本当に手を引いて彼女に釣り合うような相手が来て、付き合うなんて話になったとしよう。俺は相手をぶん殴るだろう。彼女の彼氏なんて許せないなんて事を言い散らしながら、ぶん殴るだろう。嫉妬全開でぶん殴る。


 まあ、つまりそういう事だ。


 別れたくないけど、彼女と釣り合っていないことが不安になる。つまり俺が釣り合えるように頑張るしかないのだ。


 だから俺は勉強を頑張っていた。彼女にもこのことを伝えて、協力してもらっていた。


 俺が気にしている事を話すのは辛かったが、彼女は「そういう所が好きなんですよ」なんて言ってくれた。


 嬉しかった。


 だからこそ、将来俺は彼女と対等な存在になってやる。っと頑張れた。努力できた。


『くだらないプライドね』


 だからこそあの言葉にキレたのだろう。


 なんて事を考えながら彼女の家を見た。


 学校が終わって帰り道。通学路の途中に彼女の家があるのだ。どうあがいても見てしまう。


「……」


 彼女はもう家に帰っているのだろうか。それとも学校にまだ居るのだろうか。それとも何処か遊びに行っているのだろうか。誰かと一緒に居るのだろうか。


「くそっ」


 思わず舌打ちを響かせ、後を去る。


 今の現状を招いたのは俺だ。俺自身だ。


 だから彼女が誰かと一緒に居る事に嫉妬するのは、自分勝手すぎる感情なのだ。




 @




 学習机に勉強道具を並べる。


 彼女とは面白いくらい趣味が合わない。音楽も、映画も、ドラマも、小説も。


 だから共通の繋がりは勉強くらいしかないのだ。


『勉強することは良いことだと思うけど、それで一番良い学習方法の授業が受けられないなんて本末転倒、無意味極まりないわ』


 なんて彼女の言葉を思い出し、睡眠時間に支障がない程度に勉強を打ち込んだ。

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