表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妊活勇者(♂)  作者: ジカンノムダ
2/4

その一 かくて勇者は召喚された



「……おおっ……!」


 感嘆の呻きと溜息の数々が、小さくはないどよめきとなって、弱々しい蝋燭に照らされた部屋を満たしました。



 描かれた大きな魔方陣の上に、ひとりの人間が忽然と姿を表すのを、その場に居る全員の目が認めたからです。


 近い大きさを挙げれば、学校の体育館ほどはあるでしょうか。大広間と呼ばれるべき広さはある石造りの部屋の中央。そこに描かれた大きな魔方陣の上に ――― そうです、一瞬前までは何もなかった魔方陣の中央に、今は神秘的な黒衣の人物がただひとり佇んでいるのですから。


 途端、緊張の糸が切れたのか安心してしまったのか、四方の壁に沿って立ちつい先程まで祈りに唱和していた神官たちの大半は、真っ白なローブが汚れるのを気にする余裕もなくその場にへたり込んでしまいました。

 いえ、神官たちだけではありません。魔方陣の正面には、恐らく神官長と思われる一際立派なローブを纏った初老の男性がうつ伏せに倒れて気を失っています。その左側では、緑のローブを纏う中年の女司祭が手にしていた杖を取り落とし、がくがくと震える脚を両手で押さえ付けながら辛うじて立っています。反対側には巫女か神官とおぼしき若い女性が、腰が抜けたのか両膝を床に着きつつも、杖に縋り付く事でようやく身体を支えているようです。


「……はあっ、はあっ……せ、成功……じゃ。……父上に、王に……報告……」


 肩で息をしながら命じたその若い女性の声に、壁に凭れかかる事でへたり込まずにすんでいた神官のひとりが、「……わ、私が……」と言いながらよろよろと歩いて行きました。

 一方、中年の女司祭は、言う事を聞かせようと何度か自分の脚を揺すったり叩いたりしていましたが、思うようには動かせないと見て取るや震え笑う両膝をそれぞれの手で掴み絞め、強引にもずりずりと摺り足で魔方陣中央へと進み始めました。


「……勇者、殿」


 ゆっくりゆっくりと移動しながら女司祭が語り掛けると、魔方陣上の人物は、呆然とした様子の顔を彼女へと向けました。


「よくぞ……よくぞ、召喚に応えて下された……」


 白い神官服ばかりで占められたこの部屋で、黒髪黒目、その上念の入った事に真っ黒な服で身を覆い、片手にはまた黒い大きな布作りの鞄を下げたその人物は、一際異彩を放って見えました。

 それが、少年の元居た世界では「学生服」と呼ばれ、「学生」という立場の、言わばまだまだ修行期間中の半人前たちが着用する物だなどとは、女司祭はじめこの場に居並ぶ誰も知りません。が、それを身に着けた少年が醸し出す若さというか、拙さというか、未熟さと表現するべきか、とにかく少年が漂わせるいかにも半人前然とした頼りない雰囲気は、見る者たち全てに受け取り違える余地も無く伝わっている事でしょう。

 そんな若い少年の、いや寧ろ幼いとすら言える、まだ十代前半であろうその顔を見て、恐らくは今の今まで自分本来の世界で平穏に暮らしていたであろう若者を、言わば無理矢理に魔族との戦いへと送り出さざるを得ない自分への罪悪感からか、女司祭が思わず言葉を詰まらせたその時です。



「召喚が成功したというのは本当か!?」


 慌しく扉が開かれ、数人の男女が部屋に雪崩れ込んで来ました。いや、空気読めよおい。誰だって思わずそう突っ込んでしまいそうな、正にそんなタイミングです。


 元から部屋に居た白一色の神官たちとは違い、彼ら彼女らは皆、色とりどりの煌びやかな姿でしたが、中でも特に高級そうな服とマントを身に着けて、ミルク色に近い淡い白金の髪に王冠を頂いた恰幅の良い中年男性が、つかつかと少年の前に歩いて来ました。


「よくぞ参った。勇者よ。早速だが、そなたには魔王と魔族を討ち払う為 ――― 」


 中年男性がそう言い掛けた所で、しかし勇者と呼ばれた黒衣の少年は一言も声を発する事なく、ぐらりと大きく身体を傾けたかと思うや片手に持った鞄を取り落とし、どおとその場にぶっ倒れたのです。


「ど、どうしたのじゃ勇者っ!?」


 頭上に王冠を頂いた中年男性が、思わずといった様子で駆け寄りました。


「勇者っ!? 勇者よ! しっかりせい!」


 肩を掴んで抱き起こすと、少年の顔は貧血でも起こしたかのように真っ青で、冷たい汗に塗れております。


「……落ち着かれよ、王よ」


 恰幅の良いその姿に似合わず、薄水色の瞳を左右に彷徨わせておろおろする中年男性を嗜めたのは、自らも疲労の色濃い緑の女司祭でした。


「……召喚儀式を繰り返し、相当に遠くの世界から今回ようやく呼び出せたのじゃ。勇者殿の身体にもかなりの負担を強いておったとして、何の不思議があろう」


「……そうじゃとも、父上」


 杖に縋ったまま荒い息の下、続いて声を上げたのは先程の若い女神官です。


「……神官長様と司祭長様、そして我の三人がかりで儀式を行い、尚この有様なのじゃぞ。……その同じ力を……たったひとりで身に受けた……勇者は、更に……」


 娘である女神官の声に改めて国王様が周りを見渡してみますと、なるほど神官長は気絶しており、彼女と女司祭のふたりは身体を支えるのもやっとの様子。壁際に配置された神官たちに至っては、まさに死屍累々といった姿です。

 確かに無理もない。そう思って国王様が再び視線を目の前に戻した所、真っ青な顔で震えながらも黒衣の少年勇者が身を捩り、立ち上がろうとしているのが見て取れました。


「勇者よ。今は無理をせずとも ――― 」


 根は優しい王様が思わずそう言い掛けた、その時です。


「……うぐっ!」


 呻いて勇者が息を止めました。


「ど、どうしたのじゃ? 勇者よ?」


 尋ねる国王様の目の前で、只でさえ悪かった少年勇者の顔色は、青から紫そしてどす黒くとカメレオン顔負けの変化をして見せました。この異世界にカメレオンが存在するかどうかは知りませんが。


 そして ――――



「うげええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」



 そして次の瞬間、少年勇者は吐きました。

 それはもう盛大に、国王様の高級で煌びやかな衣装へ向けて。しかもまたよりによって、本日のお洒落ポイントたる、王様の瞳と同じ薄水色の宝石で飾られた胸元へと目掛け、消化途中だった胃の内容物を目一杯ぶちまけたのです。


 部活帰りのラーメンライスやら友人のをちょいと失敬した唐揚げやら、途中の屋台のけっこう蛸が大きなたこ焼きやら、チリビーフハンバーガーやらコーラやら、あ、無料クーポンがあるんでポテトはLで。そんなあれやこれやが渾然一体となった、ぷうんと酸っぱい胃液の臭いが、国王様の鼻腔を刺しました。

 故に思わず一言呟いてしまったとしても、それは決して国王様のせいとは言えなかったことでしょう。


「おお勇者よ、吐いてしまうとは情けない」




(注)

 以上の会話はすべて異世界言語ですが、表記の都合上日本語に翻訳してお送り致しました。ご不便をお掛け致します事をお詫び申し上げます。

 はたらく魔王さまアニメ版みたく異世界語を作れればいいんですけど、筆者にはそんな能力の持ち合わせがありません。ぶっちゃけ、なけなしの能力の絞りカスさらに振り絞って書いてます。いっぱいいっぱいなんです。どうぞご理解下さいませ。




 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※





「……情けない」


 仰向け状態で目を覚ました少年は、見覚えのない天井を目に留めて呟きました。


 元より「知らない天井だ」なんてベタな台詞を口にするつもりなどありませんでしたが、目にしたそれが一見するだけでもやたらと高級そうだと気付き、更に視線を巡らせて壁、調度品、自らが身を横たえている寝具などを見て、「豪華だな」「煌びやかだな」という印象を持った時、唐突にひとつの映像が脳裏に映し出されたからなのです。

 やたら煌びやかで高級そうな服を着た誰かに、あろう事かゲロを浴びせ掛けてしまった記憶。

 何がどうなってそんな事態に至ったのかは全く覚えてはいませんが、夢でなかった事だけはきっと確かです。

 そんな幾分不明瞭な記憶から軽く自己嫌悪を感じている少年に向かって、部屋の隅から誰かの声が掛けられました。


 ふかふかで高級そうな寝具の上、肘を支点に上半身を起こし、少年が声のした方に顔を向けますと、心配そうな様子でこちらへと近づいて来る一組の男女が目に映りました。


 目に映りました。


「……は?」


 違和感という物に対する心構えもなしに目に映ってしまったその光景に、少年は思わず間抜けな声を上げてしまいました。

 だって違和感バリバリだったのです。日本に住んでる日本人たる少年にとっては。


 何故ならば、いそいそとこちらに向かってくる男女の姿が、どう見ても「騎士」と「侍女」であったからです。

 そう、誰がどこからどう見ても、ふたりは中世ヨーロッパの「騎士」と「侍女」。

 他の誰かに尋ねても、きっとふたりは「騎士」と「侍女」。

 仮に旅行で現代のヨーロッパに行って捜したとしても、もはやお目にはかかれない、遥か昔の「騎士」と「侍女」。

 瞬きをして見ても「騎士」と「侍女」。

 目を擦って見直しても「騎士」と「侍女」。

 両目を閉じて、両の頬をぱんぱんはたいて、えいやっと気合いで見直しても、目の前のふたりは「騎士」と「侍女」。

 少年は別にそういった歴史的考証やら知識やらに詳しい訳でもない、ごく普通の日本の高校生なのですが、でもやっぱり素人目に見てもどう見ても、あれは現代日本社会には居るはずのない中世ヨーロッパの騎士と侍女でしょう。


 なんで日本に「騎士」と「侍女」?

 灰銀の髪をした「騎士」?

 カフェオレ色の髪の「侍女」?


 ここほんとに日本?

 異世界転移?

 タイムスリップ?

 いったいどういうファンタジー展開よ?


 いやいや、そんな非現実的な事ある訳がないんだ。きっとどこかのコスプレイベントかテーマパークか、そうでなければ映画の撮影現場にでも迷い込んだに違いない。と無理矢理に常識的な結論を下しかけた所で少年の脳裏には、あのゲロ事件前後の記憶映像がフラッシュバックしたのです。

 魔方陣、蝋燭、緑衣の女司祭、白衣の神官たち、王冠を戴いた中年男性、そしてぶちまけられたゲロ。

 もしかして……そう、所詮素人判断ですから飽くまで「もしかして」なのですが、これは、ゲームやラノベで描かれる勇者召喚、異世界転移の典型的状況なのではないでしょうか。ゲロについては典型的とは言えないかもしれませんが。というか、連載初回でヒロインが嘔吐した「無敵看板娘」以来の快挙なのかもしれませんが。いや、こーゆーの快挙とは言わんだろ。ほっとけよ。

 少年がそこまで思い至った時です。カフェオレ色の髪をした「侍女」さんが心配そうな表情で何か話し掛けて来ました。


「……*****……****?」


「いや、分かんないって!」


 脊髄反射で声に出して突っ込んじゃいましたが、恐らく通じてはいないでしょう。

 だって、少年の方も「侍女」さんの発した言葉が理解できなかったのですから。

 ええ、欠片も理解できませんでした。言うまでもなく。

 侍女さんの魅力的な唇から飛び出したそれは、当たり前のように日本語ではなく、洋楽の歌詞としてならよく耳に入って来る英語でもなく、近頃駅で見掛ける事の多くなった外国人たちが喋っているスペイン語やポルトガル語とも違います。勿論の事、チンチュンチャンチュンと忙しない音の上下が耳障りな中国語などでもありません。

 頭に残る魔方陣やらの断片的な記憶映像と併せて考えるに、異世界語というのが最もありそうな線ですが、取り敢えずここは結論を急がず「不明な言語」と考えておきましょう。

 ともかく今必要な事は、自分には彼らの言語が理解できないと伝える事だろう。そう少年は考えました。そして、「ワターシ、イセカイゴ、ワッカリマセーン」のジェスチャーをしようとして、しかし反射的に思い止まりました。



「互いが異なる文化圏に属している場合、ジェスチャーは却って誤解の元となる。同じ動作でも、地域によっては全く違う意味に受け取られてしまうからだ」



 旅行系、文化交流系のテレビ番組を通して得た厳然たるその事実を、日本生まれ日本育ちの少年はたまたま理解していました。不用意にしたジェスチャーがあらぬ誤解を招き、もし万が一億が一、それが元で罪人扱いされたり最悪死刑になっちゃったりなんて事はないでしょうか。いえ、有り得ないとは言い切れません。実は意外と恐ろしいのです。文化的ギャップというやつは。

 そこまで考えた所で無意識にぶるっと震えた少年は、無理せず普通に日本語で通す事に決めました。


「すいません。僕は日本人なので、貴方方の言葉が分かりません」


 目の前の誠実そうな男女にとって、それは恐らく初めて耳にした日本語なのでしょう。いや、厳密にはさっきの「いや、分かんないって!」が最初になるのかな? まあどっちでもいいか、そのくらいなら。

 しかし、言葉が通じないという事実は、どうやら騎士と侍女の二人にとっては予想外の事態であったらしく、狐に摘ままれたような表情で暫し互いに顔を見合わせていたのですが、やがて騎士の方が灰銀色の髪を揺らして一礼し、カフェオレ髪の侍女を残して部屋を退出して行きました。察するに、言語の専門家か何かを呼ぶつもりなのでしょう。


 そしてしばらくの後、灰銀色の騎士は六人の人々を連れて戻って来ました。

 白い長衣を纏ったその姿は、ファンタジー系ゲームに於ける僧侶とか神官に位置付けられる職種の人物なのではないかと推測されます。つまり知識人階級という事で、きっと言語にも堪能なのでしょう。

 そして、そのうちの先を歩く三人が、真っ直ぐ少年に向かって進んで来ます。残る三人は早足で部屋の隅へと向かうと、椅子を手にして少年の横たわるベッド脇に並べました。そして先の三人がそれに腰掛けると、椅子を運んだ三人は彼らの後ろに控えるように立ちました。多分、椅子に座った三人は僧侶もしくは神官として高位の者たちであり、後ろに控えて立つ面々は従者的立場の人たちなのだと推察されます。


 少年は、改めて椅子に座る三人を観察しました。

 ひとりは、灰色の瞳がいかにも高位神官然とした雰囲気を放つ、皺が深く厳格な印象の初老の男。入室した時には深めに被っていたフードを上げると、髪も髭も真っ白なのが目を引きます。

 二人目は、両腕に包帯状の布を巻いた十代前半らしき少女。白い長衣のフードは被ったままですが、髪と瞳の色が、先の騎士さんと同じような灰銀色なのが垣間見えます。ただ、光の加減か目の錯覚か、時折り髪にも目にも、灰銀に薄青や薄水色の輝きが乗っているようにも見えたりします。

 そして三人目は、先の二人とは違って緑色の長衣を纏った中年女性。入室前からフードは取り払っており、目にも鮮やかなオレンジ色の髪と緑の瞳が、とても明るい印象を与えます。


 初老の男と十代少女、そしてそれぞれの後ろに立つ従者神官。合計で四人の衣が一様に白い中、中年女性とその背後に控える若い女性神官の二人だけが緑の服です。

 これは階級か、もしくは宗派の違いなのだろうかと少し疑問に思って注目した為、少年は目の前に座る中年女性が、先だっての儀式らしき出来事の折り、気遣わしげに話し掛けて来た人であると思い出しました。


 先日の情景が再び脳裏に浮かびます。

 魔方陣、蝋燭、居並ぶ僧侶か神官たち、王冠を戴いた中年男性、そしてゲロ。

 いや、ゲロはこの際どうでもいい。また情けなくなるから後回し。

 それよりも、やはりあれは何らかの召喚儀式だったのではなかろうか、と少年が思考に埋没し始めたその時です。


「*********」


 初老の男が何かを言いました。

 少年が反応できずにいると、初老の男は又何やら言葉を発しました。


「%%%%%%%%%」


 どうやら先の言葉とは少し違った言語のようです。

 その後も初老男性は、「#######」「&&&&&&&」「$$$$$$$$」などと幾つかの異なった言語で話し掛けて来たようですが、勿論少年にはそのひとつとして理解できません。できる訳もありません。だって、必須科目の英語ですら怪しいというのに。

 そして先方も、これは言葉による情報伝達は不可能だと判断したのでしょう。諦めたような表情で軽く溜息を吐き、初老の男性は右手を肩の高さに上げて少年の方へと伸ばして来ました。そして目線で、どうやら少年にも同じ動作をせよと伝えているようです。

 なので少年も、目の前の男性に倣って右手を上げ前方へと伸ばします。ついでに「ガ、チョーン」とかやってみようかとも思いましたが、流石に異世界でそれは受けないだろうと思い止まりました。

 それなりに当たり前な感性は持ち合わせている少年なのです。

 しかし初老男性は、左右に首を振りながら少年の左手を指差してきます。右手ではなく左手を上げろと言っているようです。少年は要求に従って右手を下ろし左手を上げつつ、拒否や否定を意味する動作はこちらも同じなのだなと気付きました。

 それなりには物事を洞察できる少年なのです。


 そんな経緯で少年の左手と初老男性の右手は、空中で接近遭遇し接触しました。

 初老男性は、まず広げた五本の指先を合わせ、それからゆっくりと掌をくっつけて来ました。そしてそこから少しずつ指先をずらし、指と指を絡めるようにして握り込んで来たのです。そうです。これはあれです。ドッキングです。合体です。ぶっちゃけて言いますが、恋人繋ぎです。身も蓋もない言い方ですが、恋人繋ぎです。敢えて実例を挙げて言いますと、ちょっとオトナな漫画なんかの、男女が初めて結ばれる時なんかに描写されたりする、恋人繋ぎというか初夜繋ぎです。もっと赤裸々に言っちゃうと正常位繋ぎです。正直、初老の男相手にこれやっちゃうとかキモイです。思わずゲロってしまいそうです。

 だって、それなりにはまともな道徳観を持ち合わせた少年なのです。


 そんなふうに内心密かに「うげ」とか思っていますと、少年の頭の中に突如、言葉というか意思というか、とにかく目の前に居る恋人繋ぎな初老男性の考えている事が流れ込んで来たのです。

 そしてそれは、「恋♂人♂繋ぎで★ラブ☆ラブ通信♪」といったものではなく、また桃色で助兵衛な内容でもありませんでした。意外な事に。



『これならばどうじゃ? 儂の言うておる事が分かるかの? 異世界の勇者よ』


「お約束の脳内会話来たっ!? やっぱ典型的で安直なファンタジー展開かよ! もっと捻れよ!」


 思わず再び日本語を口に出して突っ込みながら、少年は目を見開きました。どうやら年甲斐もなくお盛んなホモじじいではなかったようです。そして、典型的で安直ですいませんね。


『どうじゃどうじゃ? 伝わっておるかの? 異世界の勇者よ』


 重ねて確認して来る初老男性の言葉に、少年は反射的に頷いてしまってから「あ、こりゃ失敗したかな」と一瞬後悔しましたが、先程初老男性が否定の意味で首を左右に振ったのを思い出しました。あれが否定の動作ならば、肯定を意味する動作も日本と同じと考えて良いでしょう。


『そうかそうか』


 果たしてその通りであったようで、頷いた少年を見た初老男性は安心したかのように和らいだ表情を浮かべました。


『ならばならば、名乗らせて貰おうかの。儂はルセル・ハップヒーフォルビア。これでも一応、神官長じゃ。異世界の勇者よ、よければ名を教えてくれぬか? ああ、うむうむ。こちらで拾うゆえ、勇者は生国の言葉で考えてくれればそれで良い』


 どうやら初老男性は、第一印象から推測した通りの職種だったようです。ならば今少年に起きているこの現象は、翻訳か意思伝達の魔法という事なのでしょう。

 はい。異世界召喚決定です。

 だって日本には、いえ地球には、そんな魔法はありません。

 これは間違いなく、確実に異世界。

 言葉も通じぬ、何があるやら分からぬ異世界。

 頼れる者とて誰もない、異世界ひとりぼっちなのです。


 となれば、今は何よりも情報が肝心です。自分がどんな状況に置かれているのか、早急に確かめる必要があるでしょう。

 情報源は言うまでもなく、右手と左手で恋人繋ぎの意思疎通可能な、目の前に座ったじじいしか居ないでしょう。だって日本語が通じないんだし、選り好みなんてしていられません。ならばここは、ホモ疑惑初老男性もとい有り難い神官長の言う通り、少年が生国の言葉つまり日本語で考えた事が、相手にはきっと異世界言語で伝わるだろうと信じ、このまま無言の恋人繋ぎ通信会話を続けるべきです。男同士で恋人繋ぎ通信というのが、どうにもこうにも割り切れない、ちょっとした一抹の抵抗を感じてしまうのですが。

 そこはもう、毒を食らわば皿までよ!!

 そう結論し、少年は自分の名前を日本語で、頭の中に思い浮かべました。


『ふむふむ、ハザマ・ライカ。勇者の名は、ハザマ殿か。何? 違うとな? ……なになに? ハザマは家名? ライカが名じゃと? 名と家名の順が逆なのか。ほうほう、これは驚いた。六十年余り生きて来て、聞いた事すらない習慣じゃ。さすが異世界じゃのう』


 いや、異世界はここでしょう。


『なになに? 異世界はここ? ふぉふぉふぉふぉふぉ、これは一本取られたのう。確かに確かに勇者殿、いやライカ殿から見ればこちらこそが異世界じゃわい』


 第一印象訂正します。厳格そうな見掛けと違って、案外お茶目なじい様みたいですね。


『これはこれは、お茶目なじじいか。ふぉっふぉっふぉ』


 白髪頭を揺すりながらそんなふうに笑ってから、お茶目な神官長様は、急に真面目な顔付きになったかと思うと、少年に向かって深く深く頭を下げました。


『先ずは先ずは、勇者ライカ殿。神官長として謝らせて貰いたい。そちらの迷惑も顧みずこちらの都合を押し付けて召喚した事、まことにまことに申し訳ない』


 やっぱりあれは召喚儀式だったのか。

 深く頭を下げる神官長じい様の言葉から、「もしかして」の疑問が氷解し、確かな答えが胃の腑に落ちて、却ってライカ少年は余裕が出ました。

 だって、じい様は「勇者」と言った。

 「勇者ライカ殿」と、俺に呼び掛けた。

 つまりはこれはアレだろうな。ファンタジーゲームなんかの定番通り、異世界から召喚された勇者である俺は、魔王とかと戦う事になっちゃうんだろう。うん、まあ、アレじゃない? そうさ、それならそれで、なるようになるってやつだろう。

 そんなふうに、お気楽に結論付けちゃえるくらいには余裕が出ました。


 だってほら、考えても御覧なさい。「異世界転移」「勇者召喚」このキーワードから導き出される答えは何でしょう?

 ネット小説を読み漁り過ぎて、その余りに、こんな駄作投稿にまで食い付いて来るようなゲテモノ食いのネット廃人さんには朝飯前の、ごく簡単な質問ですね。

 はい。答えは「チート」。

 負けるかもしれないなんて心配はさらさらない、チート能力。

 どんなに強い敵が現れたって無問題。ただオラワクワクしてきちゃうだけの事。

 きっと俺が宇宙最強。もし仮に万が一、ピンチみたいな状況に陥ったとしても、実は余裕でもう二段階くらい変身の余地を残していたりする、そんな超絶チート能力。

 本当に最後の最後で切羽詰って、自分の力じゃどうにもならなくなっちゃったって大丈夫。「オラに元気を分けてくれ」って言えば、かつての敵も味方になって、頼れる仲間の協力と友情パワーで乗り切っちゃえる大団円。

 どこのZ戦士だよ。

 でもだって、召喚された勇者であれば、そんなステキ超能力が漏れなく付いて来てるに決まっています。始めはどうしようもない最弱に見えても、必ずや最後は愛で勝つ。努力、友情、勝利マンの世界。ファンタジーバトル作品の王道的展開。全米が泣いた待ったなし。勇者ってのはそーゆーものです。


 そんなふうに結論付けた、いや短絡にも結論付けちゃったハザマ・ライカ少年。ちなみに漢字で書くと、間 雷火。あいだかみなりひ、と打ち込んで変換します。

 端から見れば余りにお気楽、希望的観測過ぎるだろう、そしてこいつの親って少年ジャンフ○愛読者だったんだろうなとしか思えない結論に、しかし雷火少年は根拠の無い確信を持ちました。


「いや、謝らなくていい。謝ったら、あんたらのした事は悪事になってしまうだろ」


 もっと融通の利かない厳格で傲慢な人物だと思っていた神官長が、真摯な心からの謝罪をしてくれたという理由もあったかもしれません。

 でも、はっきり言って殆どは自業自得。「こうに違いない」なんて根拠もなく気が大きくなっちゃって、思い込んだその結果。思い込んだら、その行く先は試練の道なんですよ。巨人の星でもそう言ってます。決して、「コンダラ」という名の重い整地ローラーがある訳じゃありません。

 でも、それに気付かぬライカ少年の口からは、尚も自業自得で自縄自縛な言葉が飛び出して行きます。恋人繋ぎのじい様以外には通じるはずもない日本語ですが、口に出しちゃったからには有効です。怖いんですよ、言霊ってやつは。


「そしたら、召喚された俺も悪事の片棒を担いだ事になっちまう。そんなの真っ平御免だよ。あんたらはあんたらで、わざわざ俺を召喚するしかない止むに止まれぬ事情ってやつがあったんだろう? 理由はまあ定番の、魔王とか何かだろ? 俺としちゃあまったく問題ないね。だったらさ、迷惑掛けるが仕方ないんだ。他に方法は無かったんだって、胸張ってそう言やあいいんだよ!」


 滅茶苦茶に破綻した理屈です。

 自信過剰とは、ここまで物事の道理を見えなくさせてしまうのでしょうか。

 拒否する機会も何も無く、拉致同然に異世界転移させられたのが悪事の片棒を担ぐ事になるなんて、あの往年の迷作MMRも真っ青の超理論でしょう。日本人なら思わず「な、何だってーーーーっ!?」と突っ込みたくなる場面でしょうが、残念ながらここは異世界です。そんな突っ込みのできる日本人は居りません。つうか、突っ込み属性の人間自体、この場ではライカ少年ひとりなのかもしれません。

 代わりと言っては何ですが、感動の嵐に見舞われ滂沱の涙に咽ぶ異世界人なら居りました。約一名。


「う、うををぉんうををぉん! 神官生活五十年! 神官長ルセル・ハップヒーフォルビアは、こんなに感動した事はない! くうっくっくっく……」


 声に出して泣き喚いてます。恋人繋ぎ通信じゃなく、声に出して。ですから無論、言葉は異世界語なんです。表記の都合で日本語ですが。


 もしもし、貴方はどこの町田先生ですか?

 どうやらこの国の神官長様は、年甲斐も無くお盛んな助兵衛ホモじじいと見せ掛けて、お茶目な一面だけでなく感動体質で激情家の一面も持ち合わせていたようです。

 なんかもう、唖然呆然。

 なんつーかもう、濃ゆ過ぎますよ。このじい様。

 性欲を ――― じゃなかった。激情家じじいを持て余す。

 誰かどうにかしてくれないか。


 勇者少年は助けてほしい。

 そんな気持ちを瞳に込めて、雷火少年、周囲をぐるりと見回しました。

 しかし周囲はあに図らんや、更に輪を掛け唖然呆然。もしもし亀よ亀さんよ。あいや皆さん、どうされました? 反応がない。只のしかばね ――― なわきゃありませんでした。

 先にちらりと述べた通り、それなりにはまともで当たり前な感性を持ち、洞察もできる雷火少年。周囲のみんなが唖然呆然、固まっちゃうのも無理は無いかと納得しました。

 彼は今まで激情じじいと恋人繋ぎの手と手を通し、魔法で会話していたのです。

 そんなふたりが急に叫んで泣き出して、うん、そりゃ突然何の修羅場かと戸惑うでしょう。痴話喧嘩かと思うでしょう。別れ話かと思うでしょう。断じてそんな事はありませんけど。

 うん。これはもう、当人が説明するしかないでしょう。故に通信。


『神官長!』


「うををぉんうををぉん!」(異世界語)


『神官長っ!!』


「うををぉんうををぉん!」(異世界語)


『帰って来いよっ! 神官長っ!!』


「うををぉんうををぉん!」(異世界語)


『おいこら神官長! つうかじい様っっ!!』


「うををぉんうををぉん! どうした? 勇者ライカ殿?」(異世界語)


 どうやら激情神官長、こちらの世界に帰ってくれたご様子です。これも一種の異世界転移?


『周りの皆さん唖然呆然。いきなり泣いた説明求む。これじゃあ俺が悪者みたいだ』


 戻ったばかりのじい様に、恋人繋ぎで通信だ。


『おうおう、これは済まなんだ。儂が泣くのはいつもの事で、皆は周知しとろうが、確かに確かにこの状況、説明せずばなるまいて』


 いつもの事なのかよ!

 つうか、周知されてんのかよ!

 脊髄反射の二度突っ込み。

 なんかもう勇者疲れたみたい。かくて勇者は脱力された。

 そんな訳でてな訳で、異世界語を話せない少年ライカを脇に置き、激情じじいの説明会。曰く、迷惑承知の召喚を謝罪しようと儂はした。しかし断固と少年勇者、悪事でないなら謝るな! 魔族の脅威に民は泣き、打つ手が無いのも知っている。朝日が昇らぬ夜はない。全て任せよこの俺に。呼ばれて飛び出てこの勇者、ならばここに誓うとも。俺の手で、必ずや民を幸せに。


「ううっくっくっく……神官生活五十年! 神官長ルセル・ハップヒーフォルビアは、これほど感動した事はないっっっ!」


 無論のこと言葉は(異世界語)。

 そして激情神官長。そこにあるのはただ感動。感動と共にただ激情。全米が泣いた待った無し。

 故にみんなは誤解する。おお、何と広い勇者の懐。何と大きなその大器。そこに痺れるあこがれるゥ。称えよ勇者、崇めよ勇者。明日の朝日はきっと射す。


 まあ、この時点で。

 先に述べた通り、それなりにはまともで当たり前な感性を持ち、洞察もできる雷火少年。周囲のみんなが何か訳の分からぬ熱気に当てられているらしき雰囲気を感じ取ってはいたのですけど。なんか勇者召喚とかチート能力とか、まだ確実でもない事を当てにしてほんのちょぉーっと調子こき過ぎちゃったかなーとか、先に酔っ払われちゃうと却って醒めちゃう理論というか、言葉が分からずいまいち周りの熱気に乗れないせいで、少ぉーしだけ冷静になって来てみたら、遅れ馳せながらも思えて来たんですけれど。そこは異世界転移の身。今更発言を取り消そうにも説明できる言葉も持たず、ぶっちゃけなんにもできません。

 残るはひたすら神頼み。

 この異世界の、神が誰だか知らないけれど。

 ああ誰か。誰でもいいからお願いだ。訳の分からぬこの熱気、理解できないこの高揚、この雰囲気をこの今を、壊してプリーズ、ああ誰か。


 少年のそんな願いが異世界の神の御許に届いたか、呼ばれて飛び出て空気を読まぬ国王陛下の登場だ。何で地の文、七五調?


「勇者が目覚めたというのは、まことか?」(異世界語)


 よほど待ち遠しかったのでしょうか。自らの手で扉を開け放ち、お洒落で高級な衣服を身に纏ったミルク色の国王様は、少年の横たわる寝台へ嬉しいげにいそいそ歩いて来ます。後ろには、ワゴンを押して付いて来る、なんだか大勢の従者たち。

 やがて寝台の傍らに達した国王様は、いかにも得意げな様子で両手を広げて仰いました。


「おお勇者よ。三日も眠り続けておったのだ。さぞや空腹なのであろう。儂が自ら食事を手配しておいた。さあ、遠慮せずに食すがよいぞ」(異世界語)


 儂、気が利くじゃろ? さあ、遠慮は要らぬぞ。褒めて褒めて。

 国王様のその顔は、薄水色の瞳を無駄にキラキラさせながら、頬をほんのり桜色に染め、全力でそう訴えておりました。

 そして、王様の言葉に合わせて即座に動く有能なる従者たち。少年勇者のベッド脇に、先客の邪魔にならぬよう配慮もしつつ素早くワゴンを並べます。そしておもむろに蓋を取れば、姿を表す美食の数々。所ジョージと……もとい所狭しと犇めき並ぶ、究極のメニューとはこれであったか。慌てふためけ○原雄山。


 この展開を目にすれば、言葉は分かりませんけど、国王様の意図するところは少年にだってわかります。

 うん。分かります。

 分かった上で、こう何と言うかさ。

 そういやあ、グルメ漫画も趣向を変えては次から次へとまだまだわんさか出て来るけどさ、やっぱ今でも最高峰は汁之助だよなあネタ的に。んで、やっぱ次点が中華○番かなネタ的に。

 飲まず食わずで三日も経ったという割に、美食の山を目にするも、なぜか食欲をまったく感じぬ雷火少年。考えるのは、何だかひたすら現実逃避ぎみな益体も無い事ばかりです。最高峰には同意するけど。

 そんな少年の様子を見て、遠慮していると取ったのでしょう。王様自ら皿を手に、フォークで刺して、はいあーん。少年の口元までも運びます。

 フォークに刺したる高級肉。濃厚ソースの高級肉。恐れ多くも畏くも、王様自らはいあーん。


 これは食わねばなりますまい。


 覚悟を決めて、はいあーん。

 中年男と、はいあーん。

 いちゃいちゃラブの定番行事だ、はいあーん。

 初めての恋人繋ぎは激情じじい。初めてのはいあーんがまた、空気読めない中年男の国王様と。どんな神罰なんだよと若干以上の遣る瀬無さ、感じながらも少年勇者、半ば無理矢理はいあーん。

 これはもう毒を食らわば皿までと覚悟完了両目を閉じて、大口ぱかりと開け広げ、迎え撃つべし高級肉。

 そして少年の目の前には、普通であれば大いに食欲を刺激されるはずの高級肉が。

 そう、「普通であれば」される「はずの」高級肉が。

 恐らくは王家御用達の高級肉。そんな素材をまたわざわざ隣国から取り寄せた高級ワインに漬け込んで、そして味付けは、超一流の料理人による岩塩と香辛料との職人芸。遠い国からどんぶらこ、お船に乗せて運ばれた値段もお高い香辛料を、湯水の如くに振り掛ける。かてて加えて濃厚ソース。肉に野菜に魚介に虫に、豆に蛙に木の実に草の根その他諸々、口には出せない秘伝の数々、混ぜて煮込んで十余年、熟成極めた濃厚ソース。そんなあれやこれやが渾然一体となった、ぷうんと香ばしい焼けたお肉の匂いが、雷火少年の鼻腔を刺し貫きました。

 「普通であれば」、大いに食欲をそそる、「はずの」高級肉。

 しかし世の中ままなりませぬ。

 少年勇者の食欲は、苔も生えないツンドラ地帯。

 ぷうんと漂う濃厚ソースが高級肉が、ひたすら拒否感煽るだけ。

 どうにも身体が受け付けぬ。

 ゆえに。


「うっげええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ…………」


 またも勇者は吐きました。

 ミルク色の国王様のお洒落な服のその胸元を黄色く染めて、飲まず食わずのその胃液、一滴残らず吐きました。第一話だけで二回の嘔吐。「無敵看板娘」さえ超える快挙だ天晴れ勇者。


 そんな訳で思わず一言呟いてしまったとしても、今度こそ決して国王様のせいとは言えなかったことでしょう。


「おお勇者よ、吐いてしまうとは情けない」(異世界語)



 ちゃんちゃん♪




 かっとなって書いてしまった。今も後悔はしていない。


 始めまして、ジカンノムダと申します。

 ちょっとした勇者召喚のお話を思いつき、「こんなもん誰でも考えつく。今書かないと誰かに先を越される」と思い、慌てて書き始めました。

 キーワードは、ずばり「ゲロ」です。

 異世界に召喚されてすぐに嘔吐する勇者。

 うん、これは新しい。新機軸。

 やむなく人を殺して心理的ショックで嘔吐。とかいう展開は見掛けますけど、召喚されてすぐ、意味もなくゲロっちゃう勇者。

 これは新しい、はず。

 ジカンノムダはそう思ったんですけれど。

 もしかしてジカンノムダが知らないだけで、広い広いネット世界では、既に新しくもなんともない、使い古されたネタなのかもしれません。

 もしそうだったらごめんなさい。


 次回、なぜ雷火少年がそんなにも吐くのかの謎解きが。いや、題名で既にバレバレなんですけどね。



 登場した人物


 少年勇者 間雷火。はざまらいか。突っ込み属性。

 神官長  ルセル・ハップヒーフォルビア。一人称は儂。

 女司祭  名前はまだない。

 女神官  王女にして神官。名前はまだない。一人称は我。

 国王様  ゲロ受け担当。

 騎士   名前はまだない。

 侍女   名前はまだない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ