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55.横やり

 

「ふんっ! 【 獅子奮迅波 】!」

「がるるるっ! 【 虎硬盾 】!」


 獅子王レオルが放った獅子の姿をした衝撃波を、美虎ミトラは全身を硬化させて防ぎきる。

 己の攻撃を止められたというのに、レオルが嬉しそうに口角を吊り上げる。


「やるではないか、ミトラよ。だが……なぜ仕掛けてこない? 待っているだけでは勝ち筋はないぞ?」

「……」


 美虎ミトラは返事を返さない。かたくなに防御に徹してまるで反撃する様子が伺えないままだり


「ふぅむ、さては時間稼ぎか?」

「攻撃を仕掛けたら獅子王様はきっとカウンターを放つがる。そう簡単にいかないがる」

「ふふん、物は言いようだな。そう言えば時間稼ぎの理屈が立つと思ってか? だが……はたしていつまでオレの攻撃を防ぎきれるかな?」


 言い終えると同時に、レオルから嵐のような攻撃が放たれる。

 防御する美虎ミトラの両腕はバギッ、ベキッと嫌な音を立てる。レオルの強烈無比な打撃は、たとえ能力を用いた防御の上からでも、完全に防ぐことはできなかったのだ。

 強烈な攻撃を受け傷ついてゆく両腕。だが美虎ミトラは必死に耐える。


 愛刀である〝火炎大刀かえんたいとう″を握ることができないほどに、美虎ミトラの両腕はボロボロになっていた。それでも闘志を失わない両の瞳に、レオルが思わず問いかける。


「……ミトラよ、おぬしはなぜそこまで耐えるのだ?」

「この程度の痛み……あの方がこれまで感じていた痛みに比べたら大したことないがる!」

「あの方? ……お主らのリーダーであるアーダベルトか?」

「違うがる! ……ラティリアーナお嬢様がるっ!」

「……なに?」


 美虎ミトラの口から飛び出た予想外の答えに、レオルは思わず動きを止める。

 ラティリアーナを大切に想う気持ちは、レオルも負けてはいない。なにせ、自分が生涯をかけて果たすと誓っていた黒死蝶病の根絶を成し得たのが彼女だったからだ。だから今度は自分が彼女のために尽くすべきだと考えていた。

 なのになぜ、この娘がここまでラティリアーナのことを想っているのか? その疑問に対する美虎ミトラの答えは、彼が知らないもう一つのラティリアーナの真実だった。


「ラティリアーナお嬢様は……あたしたちのためにガルムヘイムに行ったがる」

「……なんと?」

「お嬢様は、ガルムヘイムが滅ぼされる運命にあることを知って嘆き悲しむあたしやマイムのために、自らの命も顧みず黒死蝶病に戦いを挑んだがるよっ!!」


 レオルは、ラティリアーナが黒死蝶病を必死になって根絶しようとしていたことを知っている。

 だが彼女がなぜ行動を起こしたかを知らなかった。

 それがまさか──この二人のためだったというのか。


「そうか……ラティリアーナは、おぬしらを悲しませないために、命を賭けたのか……」

「だから次はあたしたちの番がる! ここであたしたちが、命を賭けてラティリアーナお嬢様を止めるがる!」


 美虎ミトラが全身ボロボロになりながらも自らの前に立ち続ける動機。実はそれは、レオルが今この場で戦っている理由とまったく同じものだったのだ。


「……なるほど、おぬしの気持ちは分かった。であればその気持ち、このオレが引き継ごう」

「……」

「我が必殺の一撃を持って、おぬしを打ち倒そうではないか。それこそが、おぬしの想い対するオレの答えとなるだろう」


 黄金色の覇気が、レオルの全身から一気に吹き出す。彼の持つ神代魔法具ディバイン・デバイスストレングス 】が真価を発揮した証拠だ。彼の能力は、レオルの全身を唯一無二の高みへと強化してゆく。

 やがて極限まで高められた肉体は、美虎ミトラに向かって強烈な一撃となって放たれる。それは──究極の破壊力を持つ拳での神撃。


「武神──【 金剛掌 】!」


 本来であれば、この一撃は美虎ミトラを敗北に導く拳となるはずであった。

 だが美虎ミトラは、この瞬間を待っていた。

 極限まで研ぎ澄まされた集中力で、とっておきの秘策を放つ。彼女がレオルに対抗するために隠し通していた、起死回生の技。


「スキル発動! ──【 カウンター 】がるっ!!」


 ぶぅん! 激しい風圧が美虎ミトラの顔の横を通り抜ける。

 圧倒的な拳圧で放たれたレオルの拳を、美虎ミトラはスキルを用いることで、この戦いで初めて躱したのだ。

 続けて、彼女から放たれた技は──。


「虎獣奥義──【 制圧するトライガル・神獣の牙セイバートゥース 】!!」


 能力によって強化された美虎ミトラの牙が、まるで研ぎ澄まされた短剣のように鋭く伸びる。

 牙は彼女の──もはや使い物にならなくなった両手に代わり、究極の武器となってレオルの首筋へと襲いかかる。



 ──次の瞬間。

 鮮血が飛び散った。





 ◆





「くそっ、どうなってるんだ!」


 自身の置かれた立場に、リリスは苛立ちを隠そうとせず悪態を吐く。


 現在リリス、モードレッド、ティアの3人と、ルクセマリア、クラヴィス、ダスティの3人の戦いは完全に停滞していた。

 ダスティがモードレッドを【 挑発 】スキルで完全に引きつけ、攻撃の手を奪う。

 その間、クラヴィスが投げナイフでティアを攻撃しながら煙幕や毒などの妨害を行ってくる。

 リリスが支援魔法でクラヴィスの妨害を解除しながら、ティアが連射可能な低威力魔法で投げナイフを落とし、さらにはルクセマリアの大規模魔法阻止のための攻撃も放つ。

 その度にルクセマリアも魔法を解除することとなり、再度体制を整えて大規模魔法を練り直す。


 このようなやりとりが、いったい何度繰り返されただろうか。

 お互い有効打となるような一撃は放てないまま、戦況は完全に千日手状態となっていた。


「駄目だわ、あいつが邪魔してくるから決め手のある魔法が放てない。モードレット、どうにかできないの?」

「駄目ですティア。ダスティのスキルによって他に攻撃を仕掛けられないようロックされてしまいました」


 戦況の停滞。これこそがルクセマリアたち3人の選んだ戦術であった。

 もし勝つことを選んだのであれば、また違う戦いになっていたかもしれない。だがルクセマリアたちは時間を稼ぐことを選んだ。

 その理由が、リリスには痛いほどよくわかる。


 ルクセマリアたちの戦術は実にシンプルだ。

 《 自由への旅団フリーダム・ブリゲード 》が勝つには、美虎ミトラがレオルを足止めしている間に、アーダベルトがラティリアーナを倒すしか無い。

 つまり、美虎ミトラがレオルに負けた途端、一気に戦況は自分たちに傾く。そのことがわかってるから、彼らはアーダベルトが勝つ最善の状況を整えたのだ。


 そうして選んだのは、アーダベルトとラティリアーナの一騎打ち。

 下手にリリスたちと4対4で戦うよりも、その方が不確定要素が省けると考えたルクセマリアたち3人は、他の戦いを邪魔しないために時間稼ぎをすることを選んだのだ。


 実際、レオルという超戦力を前にしてはそれしか手はないだろう。リリスが相手の立場だとしても同じ選択をする。

 そのことが分かってるからこそ、リリスは余計歯がゆくて悔しかった。


 もし自分に──攻撃の手段があれば。

 自分が戦力として機能すれば、今の戦況は一変できるというのに。


 なにがラティを守る、だ。その守る力すら持たないくせに、偉そうに悟ったような気になるからこんな後手を踏むはめになるのだ。

 自分が──自分に力があれば──。


「リリス!」

「んはっ!」


 ティアに声を掛けられて、リリスはギリギリのところでクラヴィスの投げナイフを躱す。


「リリス、なに戦闘中にボーっとしてるの! 邪魔にしかならないなら、せめて盾にでもなりなさいよっ!」

「んなっ!?」


 いつもとは違うティアの暴言に、リリスは一瞬頭に血がのぼる。

 だが──待てよ。ティアの言葉に、リリスの脳裏にある啓示が閃く。

 そうか、使い物にならないなら盾になれば良いのだ。


「ティア、ナイスアイデアをありがとう! 今の素な感じのキミ、嫌いじゃないよ」

「えっ?」

「ティア、ボクが今からキミへの攻撃を防ぐから、そのスキに戦況を変える一撃を放つんだ」

「防ぐって、どうやって……」

「モードレッド、今からボクへの護衛モードを切り離す! 目の前の戦いに集中せよ!」

「……しかしマスター、それは……」

「いいから黙って言うことを聞けっ!!」

「…………わかりました、マスター」


 一方、対峙していたクラヴィスも相手の様子が変わったことに気づいた。どうやらなにか仕掛けてくる気らしい。


「──吸血鬼魔法【 血の杭 】」


 ティアが放った赤い杭の魔法。触れるだけで生命力が吸われる攻撃を、クラヴィスはひらりと躱す。横を見るとルクセマリアも発動中の大規模魔法を中断して躱している。


 そこまでは、これまで何度も繰り返されてきたパターン。

 だがここからが違った。ティアの全身から赤い魔力が吹き出し、幾重にも魔法陣が出現する。


「大規模魔法か──させるかっ!」


 クラヴィスは邪魔をするために投げナイフを投げる。おそらくあの娘──ティアは″血の杭″ではたき落とすであろう。そう考えていた。


 だが今回は違った。


 銀色の輝線を引きながら放たれたナイフの軌道上に、立ち塞がるものがいた。


 ピンク色の影──リリスだ!


「なっ!?」

「うぐっ!」


 そのままナイフは、リリスがクロスした腕に突き立つ。激痛に思わず呻き声をあげるリリス。

 なんとリリスは、自らを犠牲にして投げナイフを防ぐ盾となったのだ。


 だが、彼女の犠牲は確かに生きた。

 邪魔されることのなく魔法陣を組み上げたティアの、渾身の魔法が完成したのだ。


「よくやったわ、リリス! ──吸血鬼魔法【 常闇の銀刃 】」



 次の瞬間──ティアが持つ大規模攻撃魔法が発動した。






 ◇






「乱槍術──【 流星槍 】!」

「っ!?」


 襲いくる凄まじい数の槍の攻撃を、俺は必死になって躱していた。剣を使い、身を翻し、ギリギリのところで穂先を避ける。″断魔の剣″を空中浮揚させて使って実質二刀流状態だというのに、それでも反撃すらできないくらい怒涛の攻撃だ。


 アーダベルトの槍術は、かつて知っていた頃とは桁違いに洗練されていた。こちらも身体強化をした上で本気で躱さないといけないくらいだ。強い。とても強くなっている。

 それに過去とは気迫が違う。かつては俺に対する遠慮というか、手加減があった。だが今回は本気で俺を打ち倒しにきている。


 アーダベルトたちが取った作戦は、分断による各個撃破──いや違う、この俺単独の撃破。全員の勝利を諦めて、パーティリーダーを倒す方策を取ったのだ。


 だとすると、こちらが取る手も必然的に決まってくる。

 俺がやっちゃいけないのは、早期決着を焦って【 ハイパーモード 】を使ってしまうことだ。モードを使って100パーセント勝てれば良いんだけど、もし仕留められなければ逆にこっちが魔力切れで昏倒してしまうリスクがある。


 それよりもじっくりと時間を稼いで、レオルが勝ち抜けるのを待ったほうが勝率は高いはずだ。

 レオルが負けることはありえない。それくらい圧倒的な戦闘力を持っている。そう遠くないうちに美虎ミトラを倒して、こちらの援護に来てくれるだろう。そうなれば、間違いなくこちらの勝ちだ。


 実際、時間に追われているのはアーダベルトたちのほうだ。レオルが来れば負けは確定してしまう。だから美虎ミトラが持ちこたえている間に、なんとしても俺を倒さなければならないはずだ。


「直槍術──【 彗星槍 】!」

「──爆破魔法【 ヴァイオ・ボム 】!」


 俺が放った魔法の爆弾。だがアーダベルトはダメージも厭わず突っ込んでくる。


「っ!? 【 パープル・ヘイズ 】!」


 バリッと音がして、右脇の服が裂ける。だけど気にしている暇はない。紫色の霧を放って撹乱すると素早くアーダベルトから距離を取る。魔法無効化の霧パープル・ヘイズですらも、直接攻撃の前には目くらまし程度にしか使い道がない。くそー、完全に後手に回ってるな。


 ぶぅん! アーダベルトが槍を大きく横に振って、紫色の霧を打ち払う。

 その立ち居振る舞いは、全身から青い魔力を放ち、まさに英雄と呼ぶに相応しい。


 アーダベルト……ずいぶん強くなったものだ。余裕なんて全く無いのに心の底から感服する。いったいこの領域まで強くなるのに、彼はこれまでどれだけの努力を行ってきたんだろうか。


 だけど──それでも届かない。

 俺を仕留めるには至らない。

 なぜなら俺だって、これまで激戦をくぐり抜けてきたのだから。


 バッカスとの戦闘や、チームでの冒険、それにレオルとのタイマンでの修行は、俺をさらに強くしてきた。たとえ本気のレオルを相手にしても、そう簡単には仕留められない自信はある。


 そして、対峙しているアーダベルトもそのことに気づいてしまったようだ。

 自分の力では及ばない。時間内に仕留められない。その焦りが、槍先からも伝わってくる。


 結果、彼は悪手を放つ。


「──究極槍術【 夢幻槍 】!!」


 アーダベルトが放とうとしているのは、おそらく彼の持つ最高の技。でも本来なら、絶対に俺に当たる確証がある時点でないと使ってはいけない技だ。


 だけど彼は何の下積みもない状況で放ってきた。

 これまで入念に積み上げてきた中で初めて見せた、アーダベルトの綻び。


 この攻撃をかわすことができたら、おそらくアーダベルトには大きなスキが出来るだろう。それこそ反撃の最大のチャンス。時間切れではなく、完全なる勝利を呼び込むことができる絶好の機会!


「はあぁぁぁぁぁぁっ!!」


 アーダベルトが鬼のような形相で技を繰り出してくる。

 どうやらアーダベルトの最大奥義は、複数に分裂する槍による波状かつ広範囲の攻撃のようだ。だけどいける、ギリギリ躱せる!  神経を極限まで研ぎ澄ます。


 そのとき──。


 俺は視界の隅に、絶対にここにいるはずがない人物の姿を捉えた。



 なんでだ?


 なんでお前たち・・・・がここにいる!?








 ◆







 アーダベルトは焦っていた。

 理由は、挙げたらきりがない。だが最大の理由は、目の前にいる美しき令嬢ラティリアーナが、彼の予測をはるかに超えて強かったことだ。



 伝説のSランク冒険者、″獅子王″レオル。

 たった一人でSランクに到達した超戦力の持ち主が、ラティリアーナのパーティメンバーに入ったことを知ったとき、アーダベルトは驚くと同時に納得する部分もあった。


 ラティリアーナは、以前から良くも悪くも注目を集める存在だった。

 自由奔放な言動や勝手気ままな行動で、かつては多くの人々の反発と反感を買っていた。だがある日を境に彼女は大きく変わった。まるで別人のように高貴で高尚な存在となり、見た目麗しき令嬢へと変身していった。

 その様子はまるで──虫が蝶に羽化するかの如く。


 人々は、美しく咲いた蝶に惹き寄せられていった。獅子王レオルや、アーダベルト自身も、そんな存在の一人だった。


 多くの人々の心を引きつけ、だけども自由奔放に振る舞う高貴な存在。

 彼女は、誰も自由にすることはできない。アーダベルトでさえも、遠くから見守ることしかできないでいた。

 でもそれも仕方ないとは思う。だからこそ自分は、こんなにも彼女のことを愛おしく思うようになったのだから。


 最初あったのは、反発。それが今や愛へと変わった。

 アーダベルトもまた、手を離すとどこまでも一人で突き進んでしまうラティリアーナを、放っておくことができなかった。激しい戦場へと送り出したくなかったのだ。


 だからこそ、ここで止めると決意していた。

 ラティリアーナに勝ち、自分たちが《 英霊の宴 》に行くと。

 別に望みがあるわけではない。だけど他の誰かに自由にされたくもない。彼は、彼の愛するものを守るために《 英霊の宴 》を目指していた。


 なのに──。


 ラティリアーナは強かった。彼のあらゆる攻撃を、見事に防いでいた。


 美虎ミトラが己を犠牲にしてレオルを引き受けることで稼いだ時間は僅か。その間に決着をつけなければ、間違いなく自分たちはこの戦いに敗れるであろう。


 なのに、届かない。

 時間だけが無為に過ぎていく。


 次第に、アーダベルトの心の余裕がなくなっていく。

 既に事前に取り決めていた勝負にかけれる時間は過ぎていた。もういつ美虎ミトラが破れ、レオルにこの戦いに乱入されてもおかしくない状況だ。


 だからアーダベルトは、一か八かで勝負を仕掛けることにした。

 彼の奥義──【 夢幻槍 】は、槍を複数に分裂させながら放つ回避不能の一撃だ。だがそれでも、アーダベルトはラティリアーナを倒せないだろうと感じていた。


 ラティリアーナ、君は強かったね。

 だけど僕だって、引くわけにはいかないんだ。


「はあぁぁぁぁぁぁっ!!」


 雄叫びを上げ、気合いを入れる。

 放たれたのは、アーダベルトが持つ究極の一撃。


 だが同時に、絶対に避けられるだろうという確信に近い予感があった。

 それでもアーダベルトは攻撃を止めない。もうそれしか打てる手がなかったから、たとえ躱されるとわかっていても放つしかなかったのだ。


 一瞬、ラティリアーナの視線が自分から逸れ、自らの斜め後ろのほうに向かう。そこに何があるのか、アーダベルトには察しようもない。

 だから彼は振り返ることなく、勢いのまま槍を突き出した。



 本来であればあっさりと躱されたかもしれない、アーダベルトの一撃。

 だが──ラティリアーナは動かない。


「なっ!?」


 それでも一度放たれた技は止まらない。

 ラティリアーナは驚愕と、強烈な怒りが混じった視線を向けてくる。だがその視線の先には自分はいない。

 彼女が睨みつけていたのは──自分のさらに後ろ?





 そして、アーダベルトの渾身の一撃は──。




 微動だにしないラティリアーナの胸の中央に突き刺さり、そのまま背中まで突き抜けていった。





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[気になる点] >美虎がレオルに負けた途端、一気に戦況は自分たちに傾く (シーソーのバランスが)自分たちに傾く=有利になる この場合は、相手側に傾く=不利になる じゃないかな…?間違ってたらゴメンだ…
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