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日常的感謝  作者: 中二病。
番外編、みたいな?
6/6

水着って意外と持ってない(個人的意見)

もうね、クッソ暑いから海開きで良いよ。

「海に行こうよ」


「…」


「川はどう?」


「…」チラッ


「プールでもいいよ」


「やだよ」


「なんでさ!」


「暑いから」


「だから涼みに行くんじゃないか」


行くまでが暑いじゃねぇか。

というか、


「やだ、出掛けたくなーい」


「も~出不精なんだから~」


だって疲れるし、面倒くせぇもん。

あと、絶対に人が多い。


「昔はよく一緒に遊んでたじゃないか」


「お前に付き合わされてたんだよ!」


「その割にはボクより楽しんでなかった?」


「…なんでそんなこと覚えてんの」


やるとなったら楽しむタイプなんだよ!


「あんまりグータラしてると太るよ~?」


「1日運動したところで変わんねぇよ」


それにオレはいくら食べても太らないタイプだからいーの。


「それにオレ、スクール水着しか持ってねぇよ」


「じゃあさ、せめて水着買いに行こうよ」


「え~」


「お願いだから!出掛ける気になる日に備えてさ!」


「そんな日は来ねぇよ」


「お~ね~が~い~だ~か~ら~!」


「あぁもう分かった、分かったから!」


五月蝿い奴だなぁ。

駄々っ子かよ。


「やった!じゃあ「準備はさせろよ」はーい」


「思い立ったが吉日を体現するのはいいけど、準備もさせずに引っ張り回すのはやめろよな」


「ごめんなさい」


「…最近は散財が多い気がするなぁ」ボソッ


「必要経費だよ」


拾うなよ、地獄耳かよ。


「お前さ、ヒモにでもなるの?」


「紐が何かは知らないけど、友達と遊ぶため、ちょっとしたお洒落のための水着を買うくらい散財にはならないでしょ」


「そうかもしれないけど」


「倹約家なのはいいけど、使わないと社会にお金が回らないよ~?」


言い返されたってやつか。


「お前今日はえらくまともなこと言うな」


「いつもは変なこと言ってるみたいじゃないか」


実際そうじゃん。


「まぁ安心してよ、水着はボクからのプレゼントだから」


「えっ珍しい」


「何言ってるの、持っていないものをいつもプレゼントしてきたつもりだよ?」


「そうだっけ」


「いつも思うけど、ボクが持ってないものをいっぱい持ってるのに、ボクが持ってるものは意外と持ってないよね」


「そうなのか?」


「自覚無しなんだ、まぁプレゼント(買って)貰うばかりじゃ友達じゃなくて、財布と持ち主の関係じゃない?」


「その持ち主のことをヒモって言うんだよ」


「そうなの?じゃあそれ、その紐にならないために今まで会話の中で持ってないものを見つける度にプレゼントを送ったつもり」


「ありがとう」


「どういたしまして、でもいつも言ってくれてたから必要ないよ?」


「そっか」


忘れてるって結構ショックだな。


「覚えてなくてごめんな」


「別にいいよ理解してない(覚えてない)のが普通だと思うから、それより準備はできた?」


「鍵よし、財布よし、携帯よしっと、行くか」


「よし行こう!」


最初オレばっかりお金使って嫌だ、みたいな言い方をしたけどさ。

別にオレはそれで良かったんだ。

お金で手に入らないものをいっぱい貰ったから。

でも、お前がそれを望むなら。


オレはお前に何を返してあげられるんだろう。


-------------------------------------



























「それで?」


「ん?何?」


「今日の夢の内容は?」


「あぁそーゆーことね、自分から聞きに来るなんて珍しいよね」


「で?」


「今日は、懐かしい夢を見たんだ」


「水遊びの夢か?」


「そうだね、ボクらが小さな頃の夢、ビニールプールで、山の川で、海で遊んでた頃の夢」


「ホントに懐かしい話だな」


「水の掛け合い、魚捕り、水泳の練習…ふふ、ほとんどボクが教えてたよね」


「…覚えてないな、そんなこと」


嘘です、ガッツリ覚えてます。

トラウマを忘れるわけないだろ!いい加減にしろ!


「泳ぎ方がどう見ても溺れてるようにしか見えなかったんだよね」


「うるせぇよ」


ほっとけ。


「今は泳げるよね?…どうして目を逸らすの?」


「…浮き輪があれば、たぶん」


「だ、大丈夫!溺れそうになったら助けるから!」


いいんだよ、もう水場には近づかないから。


「そういえば、あの頃もスクール水着だったね」


いいんだよ水着ならなんでも。


「お家で一緒に食べたアイスに、川魚の塩焼きに、海の家の焼きそば、美味しかったよね」


「あぁ、そうだな」


「また、行きたいなぁ」チラッチラッ


ふっざけんなお前!もう水場に近づかないって決めたばかりだろ!いい加減にしろ!


「…勝手に行ってこい」


「二人じゃなきゃ意味無いじゃないか」


「なんで」


「…駄目なの?」


まーたお前はそうやってゴリ押そうとする!

そうか、そうか、お前はそういう奴だったんだな!


「…考えておく」


「絶対だよ!」


あぁ、奴の中では確実にオレは行くことに決まっているのだろうなぁ。


それに、よく考えなくても水着が勿体無いよなぁ。


逝くか。




水着は白と黒のものを買ってもらった。

続く、かも?


主人公は素直クールとツンデレで合体事故を起こしたようなイメージ。

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