夢を覚えてるタイプ
年齢とか決めてねぇので、読者それぞれが考えてちょ。
オレの幼馴染は可笑しな奴だ、不思議ちゃんだ。
「今朝、夢を見たんだよ」
「なんだ唐突に」
話はいつも唐突に始まる。
「それでね、内容なんだけどさ」
「無視かよ」
そして人の話を聞かない。
「凄くお腹が減ってたんだ」
「いつものことじゃねぇか」
「いつもは減ってないよ、ご飯のこと考えてるだけ」
食いしん坊め。
「何が違うんだよ」
「全然違うでしょ」
面倒くせぇ。
「もういいよ、続きは?」
「それで、目の前には野菜があってね」
「食ったのか?」
「よく分かったね」
んなもん誰でも分かるわ。
「美味しかったよ」
「そうかよ」
「キャベツだったよ」
「ふーん」
「ホントだよ?」
疑ってんじゃねぇよ、どうでもいいんだよ、この阿保め。
「それでね」
「まだあるのか」
「今日の夕ご飯はキャベツを食べようと思うんだ」
「おい、夢の話どこ行った?」
「ん?もう終わったよ」
「何処でだ、キャベツ食ったとこか?」
「そうだね」
終わったなら終わったって言えよ。
「あっ!因みにキャベツは千切りだったよ」
「あっそ」
「というわけで、スーパー行こ?」
「どういうわけだよ」
「え?さっき夕ご飯の話したよね?」
「ん?…してたな」
「よし、行こう!」
あっこら手を引っ張るんじゃねぇ!
「まだついていくとは言ってねぇだろが!」
「…ついてきてくれないの?」
「っ!…分かったよ」
こんなんで落ち込むなよ。
「やった!」
「…あん?」
「レッツゴー!」
なんか変な感じがしたが、喜んでるみたいだしいいか。
毎日、こんな感じの日常。
オレの幼馴染は疲れるし、面倒くさいし、変な奴だ。
でも、嫌いじゃない。
書いたことを反省はしねぇっす、きっと後悔はそのうちするっす。