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And Without Saying Goodbye Also   作者: sugar
Like those of date (デートの様なもの)
13/40

dark cloud(暗雲)

マーケットから歩く3つの影はゆらゆらと左右に揺れていた。


「それにしても、本当に久しぶりだね。元気だったかい」


エドガー達を遮るかのように真ん中を歩いているドロスに声をかける。

通りに商いの場を広げていた商人たちは見る影もなく、屋根も収納されてしまっている。その静けさが、今のエドガーには耐えられなかったのだろう。

青のドレスを揺らしながら歩くエミリアは相変わらず黙ったままだ。


「そんなことはどうでもいいさ」


エミリアを気使ったのか、エドガーの言葉を一蹴する。

再びの沈黙が3人の間を漂い、重々しい空気が流れていく。

その沈黙を破ったのはエドガーでも、ドロスでもなくエミリアだった。


「申し訳ありませんでした」


予想外の発言だったのか、なんと発言したらいいものかと迷ったエドガーを気に留める様子もなく続ける。


「メイドの長ともあろう私が少々取り乱して、挙句迷惑までお掛けしてしまって」


変わらず俯きながら、申し訳なさそうに呟いたエミリアの言葉は閑散としたマーケットの様相と同じく空中にくゆりながら地に沈んでいく。

その事に対しての回答に迷っていると、いつの間にかパブの軒先まで来てしまっていた。


「積もる話は後だな。この時間なら誰も居ない」


ドロスは、重厚な木製の扉に手を掛け2人を店内へと導く。

店内は木目調の壁一色で統一され、手前にはバーカウンターが6席と少し奥にテーブル席が幾つも散見される。ドロスに案内されるまま、カウンターに腰を下ろす2人。

突き当たった壁際にはこじんまりしているステージが有り、今は照明が落ちているので暗く沈んでいた。ステージの壁は一面にサインが描かれていて、今では有名になったアーティスト等のサインも有るが、勿論の事暗くて遠目からは認識が出来ない。

ドロスは、天井から降りている光源をバーカウンターに灯すと、シェーカーを手に取りその中に次々とリキュールを入れていく。


「前に伺った時と大分雰囲気が違いますね」

「ああ、なんだか、昨今流行りの様々な光源が無いね」

「まあな。たまたま店が変な奴らに荒らされてよ、いっそのこと全面改装しちまおうと思ってな」


豪快に話すドロスは、何事も無かったかのようにその事象を笑い飛ばす。


「そんな。従業員は大丈夫だったのか」

「あぁ、チンピラごときにやられちまうような半端者は雇ってないからな」


なおも豪快に笑うドロスだったが、シェーカーを置いた途端に表情を変える。訝しげで、神妙な面持ちな顔に思わず黙り込んでしまう2人。


「2人とも、気を付けた方がいい」


先ほどから打って変わり、沈んだ声でそう発言する。


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