プレイヤー・キラー
(ゲーム時間で数えて)1週間が経った。俺は情報掲示板や自身の足をフルに使って色々と調べ、ソロプレイヤーとしての道を順調に確立しつつあった。
いつものように宿を出て狩りに向かおうと思ったが、妙な気配がする。それは街を出て森に入ると強まり、ポータルと街の中間辺りで形を露にした。
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相手が口を開く、そのタイミングを図って俺は相手のセリフをそのまま真似た。
「「恨みはないが、死んでもらう」ってか?随分と安いセリフだな」
どうやらピタリ賞らしく、顔を真っ赤にしたおっさんがいるだけだった。
「クソガキが…大人ってもんを舐めてんじゃねえぞ!」
言うやいなや斬りかかってくる。
「ソロプレイヤーがその程度の対策も練らないと思ってるのか?」
俺は双銃を構え、近づいてきたそばから撃ち抜いていく。
「零距離射撃の方が火力は実際上なんだよ。そして…逃げても無駄だ」
銃口に力を溜め、それをレーザーのように発射して逃げた数人を地形諸共消し飛ばす。
「…やり過ぎたかもな。地形へのダメージの意味で」
人に見られても面倒なので俺は早々にその場を立ち去り、この日は特に狩りをすることもなく生産やら街の様子見で時間を潰した。
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「どう思うよ?」
「筋、精神ともに悪くはないな」
「今のところ将来に期待できるんちゃう?」
「ま、銃使い自体がレアだしな。必然的に慣れたプレイヤーが出るだろうよ」
PKとの一戦の動画を眺め終ったら3人は意見を軽く交わし合う。
その後、いつの間にかそこから姿を消していた。
――PK対策スレ3――
312.謙士
オイィ?朝から妙にザワついてるンだが?
313.質地王
ソロプレイヤーが6人のPKにつけられてたらしい。
314.七士
何っ!?本当なのか!?
315.質地王
あちこちで言われてんのは軽装の銃使いがターゲットにされてたらしい。
316.謙士
それで、ソイツは?
317.質地王
平然と帰ってきてたぞ。只者じゃないのかもな、あの軽装銃使い。
掲示板の住民はだいたい何か元ネタがあります。そのうち掲示板オンリーの回もあるんじゃないかなー…ネタ出しに向いてそうなので。
と、まあここで今年(2015)の投稿はラストです。よいお年を!