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久方ぶりの下界

書き溜めていたのを放出してみました。


あまり客観的に見れていないので、自己満足に等しいかも知れません

青く美しき地球の表面に於いて、ガン細胞が如き邪悪さを誇るキナ臭きアパルトメントの一室、朽ちかけた万年床が上、そこはダニ共たちのこの世の春と化している。

だが、如何にボロかろうが部屋というのは元よりダニが有するのでない、括目するのだ。するとダニの中に一際大きいモノが居るのが判るだろう、布団に丸まってうんうんと言っている奴だ。

そう、それこそがこの四畳半空間を一手に統べるデカダン的一遊蕩者、私である。

              

            *   


私というものを一言で説明すれば、怠惰の一言に尽きる。

親しい男が我が家に訪れた時などは、私をこうも形容した「短足動物門 ダニ目 家ダニ科 オヤノスネカジリ虫」。よくも何の恨みもない無害な旧友にここまでの悪口が言えたものである。あんまりなので、部屋の隅の何だかわからないゴミを投げつけると「お前のその根性たるや、シデ虫のように曲がりまくっている」と得体のしれぬゴミを投げるとともに付け加えられた。

まぁ、その様な根性と、「動かざること山の如し」と言う実に果敢な座右の銘を抱いたがために私の社会的生活は、壊滅の機に瀕している。

崇高な精神の下、久しく大学の講義に出席していなければ、大学の知人の顔を見ることは愚か、太陽すら最後に見たのが今から1ケ月も前の過去である。だが私には不安も恐怖も心配も無いのだ。強いて挙げれば、ふとした瞬間に「殺してくれ」とつぶやく自分が居る程度のことだ。


            *


その夜も私は、平穏な生活の均衡が崩れるのを恐れ、夜中の買い出しに出かけようとしていた。部屋の戸を開け、薄暗い廊下から玄関を目指す。木造の下宿のため古い学校の廊下を思わせるそれは、キナ臭さの中にひんやりと木の香りを薫らせる。

 だが、おかしい。

いくらなんでもこの廊下は長すぎやしないか?

どうも有難う御座いました

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