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USBメモリ 16
『おじさんがさ、死んだって。
親戚のおじさんじゃなくって──まぁ私にそんなのいないけども、えっと、この仕事のベテランって感じの、私たちの大先輩。
珍しく病気でらしいよ。
殺されちゃえばよかったのに。
なんかさ、この仕事って、失敗しても成功しても恨まれるからさ、殺されて死んでく人が多いんだよー。
あのおじさんこそ、たくさん仕事してたからたくさん恨まれてるはずなのに。
みんなの恨みを連れて逝ってくれればいいんだけど、そううまくもいかないからさ、こんな時って、他の同業者の……私みたいに目立ってる子のとこに憂さ晴らし? に来るからさ、結構迷惑なんだよね。
死んだらそこで何もかも清算してくれればいいのに。』