クイックライナー・レイナ 後編
ひょんな事から記憶にプロテクトをかけられ、帝国の支配者の末端騎士見習いのファンとなったレイナは、そのお宝探知レアスキルによって、帝国艦隊の手薄な基地、汚れた拠点を万年少尉として、次々に解決。10年の軍務期間と1年の教官義務期間も終え、プロテクトも徐々に自力で解いて、やっと開放されるのかと思いきや、取り合えず男爵となったのですが・・・
「亜空間艦隊内全体通信。まあ全員知って居ると思うけど、今回の航行は訓練では無い。ベテランの副長、旗艦艦橋要員の意見で、現在宙賊の拠点と思われるポイントへ向っている。問題は、敵艦が居るか居ないか判らない事です。よって、少し手前にワープアウトする。直後旗艦に3機在る無人スティルス偵察機を発進させる。整備は万全と思うが、再チェックしておいて欲しい。敵艦が居なかった場合、原則として各艦主砲のみで対応する事。ミネルバやガルガは、多分在るだろうが、対応を間違えないように頼む。以上、後主体時間5分でワープアウトだ。」
「こりゃまた、ベテランの司令艦長なみの訓示でありますなあ。」
「ふっ、既に全員、後方勤務の者まで、艦外戦闘服に、装備武器でがっちりでっせ。」
まあ~現金なモノです事。訓練の為あっちが壊れ、こっちが不調、予備パーツ無し等と言うはずの練習遊撃艦隊は、現役バリバリの艦隊にその姿を変えておりました。まあ~見た目は同じですけどねえ。私自身がそうでしたけど、やる気になれば・・・にしても、ミサイル全部入れ替え、故障予定の装置入手可能な新鋭装置に丸ごと交換ですと、私が気付かなかった個人装備も、バトロイド、万能型アンドロイドも総入れ替え。よくやりますねえ、っとワープアウト。探知装置によりますと、あそこか!
「サーチ、探査如何だ!探知反応0」
「こっちもあきまへん、な~んもあらへんでえ。」
「こちらもですわ。レンジが狭いからかしら、それとも・・・」
「スティルス偵察機ライト13、ダウン6方向へ発進!」
「「「ええっ!!!」」」
「ミネルバ無し、ガルガ60かな?宙賊船は居ないねえ。」
「何やてえ?」
「くっ、探査装置に反応よ。でも詳細までは判りません。」
「スティルス偵察機より報告。シーター駆動炉反応1。ガルガ60基ポイント特定。」
「こりゃ、この嬢ちゃんほんまもんやで。」
「ふっ、全主砲照準、まずはガルガを全部潰す。全艦近接ガナルバルカン展開。」
「終わっております。」
「よ~し、撃てえ!」
「駆逐艦より、射程外ガルガ18ミサイルの使用許可を求めてますが。」
「旗艦の主砲で対応。」
「でしょうな。」
「敵拠点要塞砲へ、各艦ミサイル発射!」
「全艦ミサイルは極力温存しろ。宙賊船が帰ってきたら対応出来る分だ。」
「敵は、完全に沈黙スキャンシステムにて確認。」
「あっけな~ほんまかいな?」
「完全に奇襲が成功すりゃあ、まっ、こんなもんだよ。全艦接舷、敵内部の制圧戦に移行せよ。」
等と申しましても、いきなり武装した人間が突入する訳では在りません。至近距離から主砲の集中砲撃を加え、まず宙賊拠点に穴を開けます。既に敵は、バリアもシールドも失っていますが、駆逐艦などの15サンチファンパルス砲ですと、中々大変な作業です。運よく装甲の薄いポイントを攻撃出来れば一撃ですが、大抵5~6連射しております。旗艦である軽巡航艦の30サンチファイパルス砲は、一撃で、展望食堂の透明テクタイトの窓をその廻りごとぶち抜きました。こちらの舷側には、エアスクリーンを展開した艦載機発進口を使用出来ます。真っ先に重装備のバトロイドが突入、敵も武装アンドロイド等で最後の抵抗です。続いて、万能型アンドロイドも、重装備で半数が、突入付近を制圧します。残る半数は突入口の警備ですね。だいたい安全になってから、人間が注意深く突入するのです。尤も突入口を開けてから人間の突入までは、10分程度しかかかりません。特に旗艦には、バトロイド、アンドロイドは多く、人間様も私以外99名も乗っております。
「1時間、フリータイムを許可しま~す。」
これ人間様の最初の突入時に言った許可です。にしても・・・フッ!
「思考型超光速小型ミサイル発射!タイトビーム発射。旗艦突入口の反対側に固定。私のバトロイド、アンドロイド出撃。ナース待機。ふむ3名でしたか。チョッと安楽死薬飲むの遅かったですねえ。レスキュウカプセル3個使用。ほおー持って逃げるつもりのお宝は、艦長室へ運ぶように。中々良さそうな、ブラックメル級の高速クルーザー壊れているのは、推進器のみ簡単に直せますから確りと固定しておくようにね。」
脱出しようと試みたのは、この1隻だけでした。この間約10分誰にも気付かれておりません。まあ、元々留守番しか居ない宙賊の拠点、それでも、まだ一応生きて居る敵を・・・アレは無視して一応お宝を運んで居る訳ですよねえ。
「突入アンドロイド12体生存反応の在る敵を救助せよ。ナース応急手当て、レスキュウカプセルの使用を許可します。」
下っ端でしょうか、かなり悲惨な状態ですが、出撃したアンドロイドには、本来負傷した味方の救助を命令してありました。ん~今度から敵味方共救助するように命令しましょう。まっ、6名様追加でしたね。ちなみに味方の負傷者は0でしたあ~ にしても、内の連中何やってんだ~。旗艦の艦長席からは、この軽巡航艦の全てが操作できます。帝国軍艦の特長でして、巨大戦艦でもやはり艦長席で、出来るレベルの者には、一人で戦う事も可能なのです。ですから、スキャン装置を操作すれば、お宝が何処に隠されているか良くわかります。優秀ではあってもこう言った場数の経験の無い模範的下士官兵士は、視野狭窄性になって、ガラクタ集め過ぎですねえ。
「おーい、副長。」
「まだ、時間は在るはずです。」
「じゃなくて、今居る所の壁変に長いと思わない。」
「そんなヒマ・・・」
「ちょっと冷静になって、停まれ、ん~3歩バック、そのレーザーアックスで壁を攻撃してみたらあ~」
「何ですと?」
硬いと思ってたから、思いきしで・・・スカー コケテ居りますが、次の瞬間見ていた私もビックリ、一応隙間は出来ても、人間の体当たりでは・・・ナハハ副長もそこそこの強化人間でしたか。純金の20倍級超重貴金属の精錬されたインゴット。艦隊全員分は充分にありそうですねえ。重いけど・・・群がる人の山、でもさあ~1個50KWのしろもの。強化人間で2個、普通の人間で1個運ぶのが限界ですねえ。私でも4個かなあ~。向こうの人工重力はまだ生きていますし、当然練習艦隊は厳密に1Gですしねえ。1回目こそ、ズンズンと運び走ってお宝の元へでしたが・・・3回目頃には、全員フラフラで見てられませんねえ。
「全員、約束の1時間そろそろだけどさあ。」
「まだまだ、」
「殺生でっせ、生まれて初めてのボザンナのチャンスなんや。」
バトロイドは無論の事万能型アンドロイドでも、定められた命令以外の使用には、それなりの装置とセッティングが必要なのです。私所有のバトロイド、アンドロイドとは、基本設計からして違うのですよね。でも万能型なら、付いて来い、これを艦の何処其処に運べ程度の命令は可能なはずですけど・・・誰も気付かない?ん~多分知らないかもですねえ。模範的下士官兵士ですから~規則以外の裏技は・・・かなあ~
辺境の遊撃艦隊でも、ましてや士官学校の練習遊撃艦隊には、敵と交戦と同時に上部組織に自動通報されます。私の計算では、残り1時間ですか。まあ~学校経由ですしねえ。まっ、良いですか。
「後1時間で、応援及び情報部の艦隊が来るまで好きにして良いよ。」
まあ1個300万セルはするシロモノですしねえ。全員根性入って居ますけど、帰りは全員筋肉痛で一部入院ですかあ~。既に艦長室は満タンですし・・・一部駆逐艦では、床が抜けたりしております。そっか、捕獲したブラックメル級高速クルーザー、カラッポでしたよね。わたしのバトロイド、アンドロイド出撃!フッべつのお宝庫へ突撃ゴッソリ宝玉類を確保しました。で残りでよければと全員にお知らせ。全員分残ってましたかねえ?幸い、勝利の証回収用強化袋は、ガラクタで使い切っておりましたから、はあ~人間の欲と言うモノは・・・各艦備え付けのテーブルクロスですと・・・
元々軍艦には、余剰スペースなどは在りません。如何でも良いけど、帰りのご飯多分食べられませんよ。よくもまあ~詰め込めるモノですねえ・・・! 敵宙賊船ですかあ。うー、内の連中に今戦えってもねえ。旗艦主砲照準、全ミサイル目標設定・・・撃て! ふむ、一撃でしたか、そりゃあまあ~、こちらは10万tで、敵は3万t、しかも敵は拠点が完全占領されて居る事に多分気付いて無かったみたいですしね。ふむ、仕方無いですよね。全員ヘロヘロで頑張ってますし、まっ、旗艦のランチは空いてますしね。私のバトロイド、アンドロイド武装して、私が中破程度の敵艦へ出向きました。こりゃ又程度の低いお宝の山・・・て! この船の電子脳まだ生きてますか! げっ!55分前! まだ間に合う!
「こちら、練習艦隊緊急報告!」
「分っておる。応援艦隊の進路を変更、残り65分! 間に合わせる。」
こう言う時は採点の為の観察、ひょっとしての看視ビシバシが逆に役に立ちますねえ。とは言え万一の場合に備えていた本物の遊撃艦隊激マジモードでしたあ~。まあ旗艦へ戻りまして、元の艦長席に座りましたが、全乗組員全く気付かず。一生に一度の大ボザンナで全員視野狭窄状態で、チョッと飲み食いして一息入れればまだましでしょうがねえ。再度重量級インゴットを必死に運んでおります。そりゃあ士官、少尉の月給100セルですもんね。1個300万セル・・・ハッキリ言って全体のまだ半分も運んでおりません。必死になるのも理解出来ますが、時間が有りません。よって私のバトロイド、アンドロイド出動です。ついでに万能型アンドロイド少し使い勝手が悪いですが出動。ヘロヘロ人間の十倍以上の素早さ、一回辺り数倍の量で運びました。
「報告、やむおえぬ事態の為帰還します。」
「了解。にしてもだなあ・・・」
ん~全員乗艦してますね。ただ駆逐艦操艦出来る者0と言うのも情け無いですねえ。各艦1体しか居ないナース大忙しです。チョッと難しいけど、旗艦の中央電子脳から6隻の駆逐艦電子脳へバイパス回線を開きまして、たった一人で一個遊撃艦隊を操艦してゆったりとした艦隊行動で、これ以上各艦を壊さない様注意して学校に戻りました。通常電子脳ダイブ能力者でも不可能な事だったそうです。帰校後それ以外の事でも、思いっきり質問攻め調査漬けでしたから・・・
「それにしてもですよ。授業そっちのけで査問委員会びっしりでストレス貯まりますよう。」
「授業だと! いったい何をキミに教えられると言うのかね。だいたい何なのだねアノ艦隊の戦果は!」
「少なかったですか?」
「規定のカリキュラムではだねえ、指揮する遊撃艦隊内でのトラブルに如何にして対応出来るのか・・・」
「出撃前に全部分って居ましたけど。だいたいですねえ、この学校からパトロール可能宙域にアンナ拠点造られた方がダメじゃないですか。ムフフ2億5千万セル儲けましたけどう~」
「ぐう~」
「まっ、次行きましょうか。」
「なにい~ キサマまだ他に情報持って居るのか?」
「別に知ってた訳ありませんよ。学校の中央電子脳と、エリア艦隊や一部辺境艦隊の電子脳検索すれば、誰にだって解ります・・・と思うのですが・・・今の処後2ヵ所・・・」
『命令じゃあ~、そのポイントを教えろ!』
「ひえ~、い、いまの何ですか?」
『如何でも良い、直ちにそのポイントを教えんかあ~!』
「だって、誰だって少し調べれば分りますよう。」
『卒業単位は、欲しいだけ全部くれてやる!じゃからそのポイントを早くせんかあ~!』
仮想パネル展開、よっと何せ帝国標準文字含めて7桁の数字3つで特定のポイントになりますのでねえ。先方も電子脳にダイレクト送信の方が間違いが無くて便利なのですよ。1ヶ所送信完了。
『全艦隊全力出撃準備じゃあ~。万全をきせよ。で、後1ヶ所は?』
「はあ~送信。」
『ぬっ! これは・・・子爵領内ではないかあ!』
「多分麻薬プラント要塞ですねえ。」
『う~む、そっちはワシが引き受ける。じゃが第6艦隊本部へも通報しておけ!』
『こちらは、第6艦隊司令長官ガンズ上級大将である。直々に陣頭指揮してくれるわ! 第1、第2スクランブル艦隊出撃!』
「って、私の会話何処に繋がってるのですかあ~」
「わっ、解らん! 私か知っていたのは、エリア艦隊本部だけだが? 後の2つは?」
「多分、宙兵隊長の処と、中央艦隊第6艦隊司令長官の処ですねえ。」
「何でだ。」
「アノ、子爵領宙域の麻薬プラント要塞の事、多分情報部へ瞬間問い合わせでこりゃいかんと解ったからですね。アレかなり大型の要塞ですし、多分守って居るのは子爵艦隊主力。エリア艦隊では手に余りますしね。・・・って、私は如何なるのですか?」
「んなもの、明日繰上げ卒業だ。普通の艦隊士官千人に一人級の手柄立てる生徒等、帝国は認めんからな。」
厳格なはずの帝国士官学校、やるときは無茶やりますねえ。一年生半年で、たった一人卒業ですと・・・
「まあ~予定の内なんだよね~・・・フッ底辺の辺境艦隊何とかしないといけないからねえ。まずは、グラナダ大公爵宙域の外側から強化だよね。」
たった一人でも、公式に卒業式がありまして、無事艦隊少尉となりました。任務は、レッドエリア辺境第66艦隊本部の第7遊撃艦隊司令艦長ですと。帝国では通常ペーペーの新任少尉を任務地へ送って等してくれません。旅費と諸経費が出る程度です。しかし、私には自分の船が有りますので、それもアウトサイダー仕様クイックライナー船ですね。お金も確りと稼ぎましたし、如何にも思い出せないのですが、それ以前にも思いっきり稼いでいたようなのです。しかも毎月1億セル増えて居るのですよね。それにしても、私は大切な事を何か忘れている。そんな感覚が強く感じられるのです。
等と何やらもやもやした感覚で何と無くありえない例外卒業した私は、私物のシルバー・マイティ号、一見12,000tのスーパーコメット級で、レッドエリア辺境第66艦隊本部へ一発ワープで、先方に通達が到着した直後に無事着任しました。クイックライナーの専用船と腕は帝国艦隊の常識レベルを越えていないと一流とは認めて貰えませんからねえ。
旧式ですが、1兆t級の要塞であります。ここには12個遊撃艦隊が居まして、70万トンのホワイトアロー級重巡航艦6隻と7万トンのソードフィッシャー級軽巡航艦12隻が常駐しております・・・事になっているはずですが?一応要塞に着艦している様に見えますが、どの艦も完全停止していますよねえ。着任して呆れる様な実態が解りました。現在レッド第3エリア艦隊から補給艦が到着して、要塞要員は忙しそうです。しかし、このレッドエリア辺境第66艦隊本部では、たった6個遊撃艦隊がパトロールして居るだけで、第7~12遊撃艦隊は動きません。ついでに、重巡航艦6隻と軽巡航艦12隻も動けません。艦は在るのですよ。でもその搭乗員は存在せず。代行のアンドロイドも故障中ですと・・・
とにかく、レッドエリア辺境第66艦隊指令官の所へ出頭しました。レムニ-ル大佐・・・後3年で退役だそうです。もう7年もココに島流しなんですと・・・
「見ての通りじゃよ。実戦力は、6個遊撃艦隊と、この要塞の主砲、ん~ミサイルも何発かは、使用可能のはずなのじゃがな。」
「確かに人、居ませんね。」
「まあ物資、食料、純鉄バー等はあふれかえっておる。なにせ消費仕切れんからな。まあワシの着任以前からじゃから既に10年以上何一つ問題は発生しておらん・・・多分じゃがな。幸いこの旧式とは言え1兆t級要塞が睨みを利かせて居るゆえのう。」
こりゃ~大変ですよ~こんな辺境で10年以上何事も無い訳が有りませんからねえ。少し本腰を入れて仕事しませんと・・・?
「アノー私の第7遊撃艦隊は?」
「うむ、在る事は在るのじゃが、全部故障中で、乗り組み要員は居らんし、アンドロイドなどこちらが借りたいのが現状でのう・・・」
「はあ~では、第8~12遊撃艦隊司令艦長は?」
「う~む、この要塞の防衛勤務に就いてもらって居る。」
「はあ~、じゃあ私の任務は?」
「ミサイル調整整備と修理かのう~」
「そんなの絶対イヤです。フン、なら私の私物使ってパトロールでもしています。」
「そう言えば、君の船は中々足が速そうじゃのう・・・」
「本業はクイックライナー・・・そうか私クイックライナーでした。」
「ふむ、ではとりあえず補給担当のエミリー大尉の所に行ってくれ。仕事は山程有るはずじゃからな。」
どうして補給担当士官の所へ?・・・多分補給品の事でしょうか。などと思いつつ行って理解できましたあ~そこはまさしく戦場でした。
「今回の補給品は、何処へ置けば良いのでありますか。」
「無理言わないで、もう空きスペースなんて何処にも無いのよ。」
「第2遊撃艦隊のパトロールを変更して、依頼のあった帝国預かり領へ何とかなりませんか。」
「あの~その荷物私が運びましょうか?」
「あなた誰?」
「新任の第7遊撃艦隊指令艦長ですけど・・・レイナ少尉です。」
「あなたの艦隊はねえ・・・」
「はい、私物のクイックライナー専用船ですよ~12,000tスパーコメット級です。」
「なんですってえー!」
「総員第123倉庫の簡易宇宙食を、あなた何処に船を着けたの?」
「何なら第123倉庫前のハッチに移動・・・済みですよ~」
「詰め込めるだけ詰め込みなさい。はいこれが配達先よ。」
「うーん、この場合料金は貰えませんよねえ。まっ、近いからいいですけどね。」
「純鉄バーの不足は?」
「予備込みで出来れば472本」
「意外と燃費悪い見たいね。」
「いやー、グリーンエリアから飛んで来ましたからねえ。」
「本物ね。」
「はあ~何の因果か・・・」
「積み込み完了しました。純鉄バー472本も積み込みました。」
「じゃあ行って来ます。」
「グッドラック」
『コース設定完了主体時間15分です』
「サーシュ飲んでるヒマもなしですか。実態時間では20分かしら。」
『19分29秒です。積荷リストの点検が必要です』
「うっ!何コレ?賞味期限残り1ヶ月の軍用簡易宇宙食5000tって、あんなに軽い物マサカ!」
『通路まで換気循環不可能です。到着です』
「首都空港へ着陸と同時に、全バトロイド、アンドロイド積荷を大至急降ろしなさい」
『了解・・・完了』
「発進」
しかし、食料待っていた方もビックリしたでしょうね。連絡も無く突然着陸した船に如何言う事か問い合わせる前に、所要4分で、5000tの簡易宇宙食で空港は溢れかえり、次の瞬間問題の船は消えていましたからね。まあ、本職のクイックライナーですからね。
『コース設定ワープ。帰路も主体時間15分です。その間にこちらの書類に目を通して下さい』
何ですと、ふむ、まあ要するにこの第66辺境艦隊本部には本来15000名の軍人が居る事になっています。しかし、現実には3500名しか居ない。何事も無い宙域だからですか・・・なのに15000名分の補給がされて居るわけで、当然食べきれない食料を近くのグローバルステーション等へ売れば物資横領で、過去2名の司令長官が罷免されています。現在の司令官は3人目の罷免者予定で現在島流し中。結果現在何故か賞味期限の長い食料から破棄されております。
これは、私の腕の見せ所?近い処から、片っ端に配達しまくりましたよ。一惑星にたった5000tと言うなかれ、飢えた領民にとりあえず配れる数は充分なのです。しかも栄養満点ですしね。辺境貴族領でも、悲惨さは同じですが、この方々異様にプライドが高く救援要請してくれません。とはいえ、帝国預かり領だけでも、たった一隻では、如何にも運べる量が足りませんが、そこは本職の意地、全て一発ワープでカバーしております。最近なんて、1日に10回も運んでおります。倉庫の中は、じわじわとスペースが出来てきましたよ。なんて走りまわっていたら、あの男爵領・・・アレは多分麻薬プラント要塞ですねえ。
自慢の90光速で確認。ふ~む間違いありませんねえ。
で!この時既に、帝国中央第7主力艦隊、第1第2スクランブル艦隊出撃済み。途中グラダナ大公爵領を通過する為、公設のリープステーション経由の為実時間で10時間掛ったりしておりました。更に情報はレッドエリア第3艦隊本部にも届き、全力出撃の大騒ぎ、最後に辺境第66艦隊本部へも届き、ありったけの6個遊撃艦隊を結集の大騒動になってしまいました。結果中央艦隊から、侯爵1名騎士ファン2名が支配者の側に迎え入れられ、玉突き式に昇進の大盤振る舞い。辺境第66艦隊司令官レムニ-ル大佐は、めでたく准将としてレッドエリア第3艦隊本部に栄転となりました。辺境の男爵様1名元々赤字で破滅でしたし、お亡くなりになった事などローカルネットニュースの片隅に流れた程度でした。ちなみに私も中尉に昇進ですと・・・月給2倍の200セル・・・ナメトル。そりゃまあ~発見者の権利として、ホンの3億セル程稼がせてもらいましたけどね。
新たな辺境第66艦隊司令官は、キャスリン大佐バックはあのグラダナ大公爵帝国外様貴族№1・・・そりゃあ持って来るモノの桁が違いました。100万t級ブルークロスⅦ型重巡航艦6隻
10万t級ホワイトフィッシャーⅤ型軽巡航艦24隻3万t級クリントンⅦ型駆逐艦72隻プラス、その乗組員、バトロイド、アンドロイドを定数ですと・・・102隻全部高速重装備・・・うわさによりますと、キャスリン大佐は現在最も子供候補の中でグラナダ大公爵に目をかけられて居るそうです・・・いきなり侯爵ですか・・・でもこれで私の第7遊撃艦隊・・・くれないの~なんで?
私物のシルバー・マイティ号、一見12,000tのスーパーコメット級一隻で第7遊撃艦隊なのですと~ですから、第13遊撃激艦隊が新設されました。
そして私には、兎に角救援要請の出た惑星への緊急援助食糧の配達業務が、山済みとなっていました。そして、別命として、怪しい場所を見つけたら最優先で調査せよですと・・・とは言え私もクイックライナーの意地。それに間も無く辺境第66艦隊指令本部の余剰食糧は無くなります。
「アリ?この倉庫確かカラッポにしたはずですよねえ?」
「昨日エリア第3艦隊から送られて来たんだ。何でもレイナ中尉の任務に必要だから、エリア本部でも、最も人気の無い簡易宇宙食だそうだ。」
げそ~何じゃコリは・・・ただこのグラダナ大公爵領の外側の宙域では、やはり物流が停滞ぎみで、平民出身の貴族の墓場などと言われております。にしては、不相応な高速タイプのブラックメル級やかなり旧式なクイックライナー船が飛び交っておりますねえ。にしても忙しいです。などとお仕事中に又もや、前回よりは小型ですけどお~帝国預かり領ですねえただし無人恒星系ですなあ。前回の事、そして現司令官の事を考えまして、即辺境第66艦隊司令官キャスリン大佐へ報告!なにせ近い!帝国中央第7主力艦隊、第1スクランブル艦隊出撃、レッドエリア第3艦隊本部も全力出撃ですが、広大なグラナダ大公爵領に創られたリープ、んー亜空間安全航路が不安定とかで使用出来るリープ航路は通常の半分ですと。前回が帝国関係者ばかりでしたからねえ。特別にグラダナ第1主力艦隊の応援ですと・・・なんか絵書いてますねえ。はあ~ラブラドル・スターサファイア卿・キャスリン侯爵ですか。まあドサクサ紛れに1億セル程儲けさせてもらいましたしい~・・・又もや昇進で大尉って本来まだ士官学校の生徒やってる時期なのですけどねえ~月給400セルですとお~・・・う~ん気にしなければ良いのです。
「いやー仕事の速い子だねえ~。まあ~グラナダ大公爵の一族、侯爵2名はしかたないけどね~。さすがにグラダナ大公爵、こっちの手の内を読んでましたか。まあ~何にしても目的は達成なんだよね~jまあこの功績だし、前回見送っちゃったからねえ、フェンに昇格させておくとするかあ~月給2億セルかあ~」
私の影の上司の本当の狙いは、グラナダ大公爵領の外側に強力な拠点を築く事だったようです。で、さすがとでも申しましょうか。戦艦等は少々不味いですが、まあこの程度なら良かろうと、ドーンと戦力アップをさせたグラナダ大公爵もさすがです。帝国と腹の探り合いで2人も一族を増やさせて貰うとはねえ。流石に話がでっかいですねえ・・・まあ~帝国の方でも、ナイト、ファン二人ですかあ・・・でもってですが。
「はへ?転属命令ですかあ~」
「そうよ、私の侯爵昇進パーティー名簿作成中にね。父から連絡が入ったのよ。私としては、絶対に出席してもらうつもりだったのにね。」
「はあ~何で帝国艦隊人事が?グラナダ大公爵閣下からですか。」
「それは、帝国外様№1の私の父上の能力を甘く見すぎよ。」
「で?何処へ転勤なんでしょうか?」
「流石にそれは分らないみたいね。と言う事は少なくともレッドエリアでは無い。そう言う事ね。」
「はへー、封印つきの辞令ですかあ。うーん何か指令チップカードですか・・・」
「あなた只者ではありませんね。しかし、次の任地でも活躍を期待してますよ。」
そりゃまあ、本人は一線を越えていきなり侯爵様、無論10年間の軍務も完了済みですからね。有限の命しか無い私なんかとは根本的に異なりますしねえ。まあ・・・最近特にカードの中身が変なのは気になりますけど、増える分には黙って居る方が特ですしね。
自分のマイティ・シルバー号に戻って、封印を破り中のカードを船長席のスリットへスベリ込ませました。このケースですと手動操作は一切不要と言うか、強制的にコースや操縦は完全自動ですね。
到着したのは、無人恒星系ですら無い、完全な宇宙空間・・・ただし主力艦隊急の1個艦隊、工作艦付きでした。1000万トン級の中型工作艦の船倉にわたしのマイティ・シルバー号12000tは、スッポリと飲み込まれてしまいましたあ。
そして私は、身体清浄機を念入りに浴びまして、いわゆる病人服を着用させられましたあ・・・イヤーな予感は良く的中するものです・・・ハイ
もう検査、計測、調査、検診の嵐に巻き込まれた挙句の果てにですよ。
「ムフッ、キミのおかげで、我研究所の予算は10倍増人員も倍増であ~る。我が研究の結晶ミスリル銀と我が所領産出のハードレアメタルによるマイクロチップとナノマシーンそなただけが何故か完全にシンクロしておってのう~。じゃがそなた用のダウンバージョンによる強化兵は順調に編制されておる。現状他の研究所によるハードレアメタル強化兵に対して、スピードパワー共に7.8%勝っておるゆえ更にその差を広げてくれよう。全データの結論から申せば、スピード178%、パワー157%まで上げる可能性が有るのじゃよ。とは申せ、そなたもフェン帝国の騎士じゃから万に一つでも、死なれれば我が研究所は閉鎖じゃからのう。差し障りの絶対無い20%アップといたす。射入、注入開始じゃあ。」
アグッ・・・こりゃー効きますよう!新参のマイクロチップ改良されとります!ん?まてよ・・・
って!何気に何かとんでもないプロテクト掛けられてた事全部思い出しました。私は・・・
「だめだよ~。帝国級のプロテクト破られちゃったじゃないか。この子専用プロテクト電子脳が完全にフリーズアウトしちゃったよ。再プロテクト急げ!・・・なに!ダメとは如何言う事なの?」
「対象個体のマイクロチップが最高ランクのプロテクトプログラムを全て解体してしまいます。手に負えません!」
「マサカそんな事あり~?」
「ふうー私は知らなかった方が良かったような・・・なる程10年間の軍務義務と教官1年ですかあ~しかも。」
「ストップ!その先は口にしないようにねえ~あめ玉あげるから秘密はまもってよね~」
「道理で根性入れてバカスカ稼いでいたって、あのキャッシュカードの金額の増え方おかしいとは思ってたんですよね。それでえ~私の任務の本当の目的がアレですか。」
「うーむ、冷静だねえ。フォン聖騎士に推薦しておくよ。どうせその内ほっといても、なっちゃうからねえ。ついでに、今君の船大修理中だからね。それとさ、キミの船に貯め込んであった宝玉類でけどねえ、全部売って貰えないかなあ~」
「レア物ばかりですけどう~」
「100億セルで如何かな?」
「うっ、売ったあ!」
「それにしても参ったねえ。キミの射入されたマイクロチップには。」
「靄が晴れた感じですけど、どうせやる事は同じでしょう。問題の在る辺境拠点の強化。」
「理解してくれて良かったよう。では次の任務にかかってもらえれば嬉しいのだけどね。」
「ここはもう良いの?」
「ああ、キミの船の修理も終わったし、もういいよ。指令チップカードは船長席に置いてあるからね。」
「そんな貴重な物、置いといて良いの?」
「帝室製ケースに入ってるからね。キミ以外にはボクしか開けられないよ。それとねえ、キミには少々身分詐称してもらう事になるけど、任務上仕方無いものだからゴメンねえ。」
何ですか?何の事ですかねえ・・・って!着替えの時一瞬ムカッときましたよう。新品ピカピカの艦隊少尉の軍服であります。ムムム、この事でしたか。はへー降格されちゃいましたあ~。まあ良いですけどね。月給なんてあんまり・・・コレ私の船ですかあ~?
「おーい、シルバー・マイティ号」
『如何なっておるのだ。あれが改装かあー。』
12000tのシルバー・マイティ号、23000t級の多分スーパースター級になっとります。船の中央電子脳によりますと、中央電子脳の移動とバージョンアップで、以前の船は、横に並んでおります。しかも、64本型メインジェネレーターは偽装としてシータージェネレーターシステムなのですが、サブジェネレーターは12本型ファイパルスジェネレーター2基で、メインジェネレーターの75倍のパワーだそうです。バリアとスクリーンは共に3重ですが、それだけでレッドクロス級重巡航艦と同レベルなんですと。スピードは・・・まあ~私もパワーアップしてますので何とかですね。船倉は1万tのスペース、とりあえず中央艦隊で旧式の為不要となった個人兵器や装備詰め込んであります。
ふむ、コレが指令チップカードの入れ物ですかって!ハードレアメタル製であります。普通のケースですよね。ひえ~蓋の裏側にアルテミスのマーク入りですか。こりゃ間違って開けたらヒビリますよね。でも本当はもっと超最新技術のケースでして、強化型バトロイド使っても私以外には絶対開けられないケースでしたあ。は、置いといて早速指令チップカードを船長席のスリットに差込ました。
次の任地は、ライトブラウン第1エリア艦隊司令部所属第59辺境艦隊ですと、んで私は第9遊撃艦隊の司令艦長ですか?でも多分・・・で当たり!
「レイナ・ロナ少・・・尉、着任いたしました。」
「着任を歓迎します。レイナ少尉、しかし問う基地の現状からして・・・本当に申し訳無いのですが。」
「ん~まあーな~んとなく解りますよ。」
「えっ?」
「艦も無ければ、人も居ないでしょう。」
「あらー、士官としては新任でも、軍歴はかなり在る様ね。その通りなのよ、通常の補給物資ですらこの人数で不足しています。事態はかなり深刻なのです。」
「まさか!でも・・・何か変ですよ。リープステーション通常航行で1日の処に在りますよねえ?」
「エリア艦隊司令部の輸送艦が不足らしいのよ。」
「むっ!それ変ですねえ。でも取り合えず手持ちの荷物近くのグローバルステーションで売っぱらって食料だけでも仕入れて来ますね。その間に、当方の小型輸送船で受け取りに行く旨の請求書出しておいて下さい。じゃ、ちょっと行って来ますね。」
取り合えずシルバー・マイティ号のお奨めはと、オアシス第788グローバルステーションですか。一千万人級の比較的新しい大型ですね。良いでしょう、ここにしますか。
「いらっしゃい、ようこそオアシス第788グローバルステーションへ。」
「邪魔するよ。」
「げっ!艦隊士官でやすか?」
「ちょいと売り払いたいモンあってさ。ついでに食料仕入れる予定なんだ。私しゃ悪運に捕まってさ、新米の艦隊少尉様だけどー、本職はクイックライナーなんだよね。」
「それではビジネスの予備着艦ベイに着けて下さい。ブルーライトで誘導します。」
「あれ?担当交代ですか?」
「所長のオアシス・リーフです。よろしくお願いします。」
「うはー、いきなりトップ・・・ビビリますよう。」
「いえ、ビビッて居るのは私どもの方ですよ。」
あそこですね。スパッと接舷しまして、早々お取引開始でした。いやービックリする程の買取価格でしたあ~・・・でも売ってる食糧も正貨の2倍まあ物々交換でしたかねえ。無論余禄は私の物ですけどね。いえ、かなり高級な趣向品をですね。まあ~要するにこの宙域で一番マシなこのステーションをちょっと強化するついでの任務でしたあ~
船倉満タン1万tの食糧を第59辺境艦隊のステーション型基地に下ろして、必殺の一発ワープで、ライトブラウン第1エリア艦隊司令部に到着しました。到着と同時に、
「ここはライトブラウン第1エリア艦隊司令部である。民間船の来る処では無い。」
「フッ、残念でしたー。公式に第59辺境艦隊第9遊撃艦隊で登録されてますけどね~」
「まさか!うっ、本当だ。これは・・・」
私の本当の上司に抜かりなんて有ったら面白いと思ってましたけどねえ。つまんない方です事。スキャンシステム作動完全チェック・・・やはり全く準備されておりませんね。
「俺にまかせろ。おいキサマその民間船の何処が第9遊撃艦隊なのだ!」
「必要な艦艇も補給せず、修理部品も、整備専用アンドロイドも支給して無いくせに、そっちの落ち度も指摘されちゃいますよー。」
「何だと!キサマ第3情報部のエージェントだな!」
「ムフフ、一応何故か艦隊少尉やってますけどねえ・・・」
「あ~ もしも~し、キミねえ、そんなに開き直らないようにね。すでに処置は実行準備中だけどー今少々時間が必要なんだよね。だからもう少し詳しい内情を知りたいんだよね~」
この上司、いったい何を考えているのかしら?今一どころか全々解りません。少なくとも前回みたいに、完全雲の上の企みが根底に在ったなんて・・・今回も私には、想像もつかない本音があるのでしょうねえ。強行接舷!
「分りました。じゃあ第1エリア艦隊司令部要塞内を少しぶらついてみますよ。そんでいい?」
「ベターで無く、ベストを望む。だよう~」
「言って来ま~す。」
「この要塞に強行接舷されるとは!バトロイド30に警備班上位5チーム集合せよ。」
「ほほう、お出迎えの隊長さんは艦隊大尉ですか、また大勢引きつれちゃって・・・でも所詮エリアレベルですねえ。」
所要9.98秒うむ、10秒は切りましたが、ギリギリでしたあ~。人間は、死なない程度にぶったおして、バトロイド30体はバラバラ・・・ん~普通の人間には絶対不可能ですね。まだ私自身の能力については、何処までと言うところが今一なのですよね。体内に超小型ファイバルスジェネレーター造った事は解っております。ついでに多分私のレアスキル、お宝探知能力をば少々工夫しまして・・・げっ!麻薬ですかあ~ ふむこっちの方です。ありゃあ~こりゃ又酷いですねえ。ちなみに途中の妨害者及びバトロイド、武装アンドロイドは全て秒殺、一応人間は殺していません。死なない程度ですけどね。これくらいしないと、きりが無いものですからね。それにしても、全部弱いですねえ・・・?私こんなに強かったのかしら。チョッと古い型ですけど、強化型バトロイド素手で・・・非常識な体にされたものですねえ。うえーこりゃ酷いですねえ。
「ふ~ん、基地内の物資や辺境艦隊へ送るはずの物資を売り払って、第1エリア艦隊司令部要塞内麻薬使用者だらけ。麻薬もピンキリですよ。」
等と報告ついでに呟きながら・・・ん~ アウトサイダーそれもクイックライナー?一応お仲間ですが、コイツが現在の元締めであります。
「ちっ!めすガキ少尉か。」
「フッ、実はお仲間なんだよね~。本業はクイックライナーなんだけどね、ひょんな事でとっ捕まってへたすりゃ死刑の処人手不足みたいでさ。強引に辺境艦隊の二等兵にされて最初のワープで、良く解んないけど艦隊が全滅なんよ。そしたら士官学校にぶち込まれてね、教官全員ぶっ倒したら少尉様ですとお~。」
「あー、確かどっかの辺境で全滅寸前のそんな噂は聞いたよ。ありゃー帝国の艦は、瞬時の爆散でも緊急通報するシステムが在って、生き残っていた数人が、麻薬プラント要塞発見の手柄山分けで、全員士官学校に入れられたって!あんたその張本人なのか。」
「まあね~でもさ~配属決まってさっき行って来たけどさ~私の艦隊無いし、補給品も無いし、人もおりましぇ~ん!やってられっかあ~」
「しかし、中々良い船持ってるじゃねえか。」
「まあね。シルバー・マイティー号 23000t スーパースター級改、最大90光速、ワープレベル9 自慢じゃ無いけど行けない所は無い!」
「こりゃチョイ一仕事頼めそうだなあ。オレッチの船はコメット級なんだ。」
「あーあの船ね。ふむ・・・積載量重視のスタンダードタイプとみたけどね。」
「当たり。でだ、アンタの船の積載量はどれ位なんだ?」
「1万tだけど、今はカラッポだよ。」
「じゃあ仲間同士の仕事の話だ。俺はアル物をここへ運んできて、ここで不要となった物資を買ったのさ。一番の大物は、隣に在るクリントンⅤ型3万tの駆逐艦だ。」
「なんかさあ~きな臭そうな話みたいですねえ。乗組員は?」
「オレひとりさ。後はアンドロイドとバトロイドで何とかする。それに詰め込めるだけの武器もな。」
「かなりキツイよ。」
「ああ、船はここで預かって貰えるんだが、如何してもオレの腕じゃあ安全航路で回り道しなきゃならんのさ。」
「で?私の仕事って何?」
「超光速思考型ミサイル100発。ミック21型戦闘機2機。後隙間に個人装備を出来るだけ。」
「そりゃ、う~・・・一応載るはずだけどね。行き先何処なの?」
「このポイントだ。」
「こっ、コレって!ドンパチやってる辺境伯と辺境伯の向こう側じゃないの!」
「なんだよなあ~ 頼む料金は2倍出す。オレの世話になってるグローバルステーションが新参のグローバルステーションにケンカ売られてよう。切羽つまっちまってるんだ。燃料の純鉄バーも欲しいだけここで手配する。」
「一気にワープでぶっ飛ばすには、途中の伯爵家同士の戦争の元になってる超重力惑星がかなりヤバイ位置に在るか・・・」
「そこを何とかタノム。料金なら2.5倍出すからよう。」
「ふーむ、ムッ!」
『もしもーし、大丈夫相手には聞こえないからね。麻薬の程度を知りたいねえ。だから君用に料金に上乗せさせて欲しいねえ。彼の持つ最上の麻薬をね。これ命令だよ~』
「オーケー・・・たく。」
「如何したんだ急に?」
「いや・・・何でも無いよ。辺境艦隊の物資輸送が先口なんだけど、肝心の物資が準備してないし、まあたいした義理もないしね後回しでも良いか。まっ、料金はこんだけヤバイ訳だから10万セルかな?」
「ちょ、ちょっと待てえ。何気に通常料金の5倍じゃねえか!カンベンしてくれよ。5万セルでたのむわあ。」
「ふ~でもさ・・・ならチョッと色付けてよ。」
「ん?マサカ!お前アンナ物に手出しちゃダメだぞ!」
「つうて売人が言うな。まあ~明日は休みなんて時だけだけどね。普通に寝ると悪夢ばっかりでね。何時もは睡眠カプセル使ってるんだ。けど如何しても感覚がズレるのよね。」
「ああ、一日は24時間だろ、普通は8時間寝るよな。だが睡眠カプセルは2時間で8時間分の休息になる。普通だと活動時間は一日16時間だが、カプセルを使うと残りは22時間になるからな。そりゃーその若さでアノ船、オレの目が曇ってなければ一流のプロで、しかも艦隊少尉ではなあ。解らんでもないかあ~だがどうやったって副作用は出るし、ヤリ過ぎると禁断症状が出る・・・つうてもうやってるのか?」
「フッ!初めは軍医から貰ったんだけどね。」
「フィナミロンかヒィルシオナだな。」
「ドニソロンだったっけ、けどアレって全く夢見ないだよね。」
「ふ~ん、かなり精製された軽いヤツだなあ。フィナミロンかヒィルシオナだと寝起きの気分は良いんだけどよ。まあー夢は確かに見ないとは聞いてるぜ。」
「せめて休日の前の夜くらい良い夢見たいじゃない。」
「そう言う事かあ~・・・仕方ねえ極上のファルモ10回分でどうだ。オレの持って居る最上品だ。」
「商談成立。シルバー・マイティー号積み込みを開始。」
そりゃ、相手もプロだからこそ分る超一流のクイックライナーである事を。船への通信連絡で、無人の船が積荷の近くに接舷、多数のアンドロイド、バトロイドが、隙間無く荷物を積載その早い事に戦慄して言葉も出ない。ただ約束した物とキャッシュを渡すのは、彼も一流レベルの証拠でした。無論貰う物貰った直後私は船に向って走り出していました。まあー普通の人間の速さでですけどね。
「頼むぜ、行けば分るが、600万人級の小さい方だ。間違っても1000万人級の新しい方じゃねえからな。連絡は今入れる。ジェフの積荷と通信してくれ。」
「シルバー・マイティー号発進する。」
グローバルステーションから視認距離にてドーンと一発ワープしました。そりゃあーまあ当然と申しますか・・・ワープアウトポイントは、船の方で全自動、はへ~弩迫力満点の帝国中央主力艦隊戦艦までゴッソリとおりますなあ~それにしても何やら数が多過ぎに合流、同行中の第4情報部の300万t級重巡航艦にパクリと喰われたと申しますか、特別船倉に納まりました。そして通信でしたが、
「君は本当に仕事が速いねえ~実に気持ちが良いよ。」
「でも、第59辺境艦隊への補給物資・・・」
「終ってるよ~中央級の艦隊と食糧、ミサイル、純鉄バー、人員パーフェクトだねえ。」
「報告致します。最上クラスの麻薬でありました。」
「ふーむ、もう一方のグローバルステーションも攻撃しちゃうのかな?無理だよね。」
「いや心配無いね。戦闘中なんだから、両方共攻撃する事が出来るんだよね。」
「でえ~、戦闘中のグローバルステーションを攻撃したら偶然麻薬精製プラント発見で、中央主力艦隊からファンや男爵、侯爵が出来ちゃう訳ですかあ~」
「良い読みだねえ、麻薬精製プラントなら上手くやれば麻薬製造プラントの3つか4つかねえ~帝室内でのしがらみも在るからねえ。そうそうキミ今日からフォンだからね。」
「それが私へのアメ玉ですかあ~。でも途中で戦争やってますよ。」
「中央主力艦隊ゼンガーⅦ型7000万t級120隻を中核に6千隻の艦隊が戦闘配備でど真ん中を通過するのに、辺境の伯爵辺りじゃあ手も足も出せないよ。じゃまであ~る。でさ極自然に伯爵同士の戦争は調停ぜざるをえないんだよね。これも艦隊の大手柄でね、ファンか男爵の一人二人出来ちゃうんだよねえ~。だからキミも二階級上がる訳なんだよね~。月給2億5千万セルだよー。」
「そんなにお金貰っても使いきれましぇ~ん。」
「チョッとマイナスポイントだよ。侯爵か子爵になれば、出費も桁違いだからお金は大切だからねえ。」
「まってよ!私の能力では1恒星系の男爵でしょう。元々アウト・ローで、アウト・サイダー出身ですよ。」
「出身は関係無い。はっきり言う。既にキミの男爵位の線は消えているよ。功績上げ過ぎだからね。ところで次の任務の指令チップカードを受け取るようにねえ。ああ積荷は入れ替えておいたよ~」
それにしましても・・・この通路まであふれ出た武器の山、辺境じゃあ超最新鋭、超強力な個人装備ばかりですよ?一応証拠として受け取った麻薬も1回分は検査に持っていかれましたが残りは無視ですし如何すんの?
んでもって、私はホワイトエリア中央艦隊から辺境へ大左遷と言うか、飛ばされたアブレ者士官としての完璧な履歴と転属命令書を渡されていましたあ~。
まあー仕方なくホワイトエリア辺境77艦隊本部へと向かいました。にしても?今度の基地は割りとまともなんですよね。強いて言えば規模が小さいですね。12個遊撃艦隊しか居りません。しかし、全部まともにパトロールしております。補給等にも問題有りません。ただ私に問題が有りました。一応定員の揃った辺境艦隊本部に自前の又もや強化されまくったクイックライナー船で着任したのです。本部の司令官も単に中央から押し付けられた形なのでした。
この頃の私には年齢とは関係無く、古参兵やベテラン下士官どころか中尉大尉クラスすら一歩引く程度の貫禄が自然と身に付いていたのです。書類上は半年前に士官学校をかなり優秀な成績で卒業した新米少尉となっていましたが、年は若いけど、如何見ても超の付くベテランという事は自然に分りますレベルになっておりました。その上、自前の船持参、更に船倉どころか通路まで個人用武器装備で満タン、しかもエリア艦隊にすら支給されていない新型高性能のモノばかり。
これらの積荷に関しては、まあ~当然質問では無く詰問されましたよえ~。しかし、れっきとした正式書類「帝国中央艦隊にて不要となりし旧式個人武器装備を本人の希望と中央主力艦隊倉庫の兼ね合い上、レイナ少尉に無償にて与えた物である」なんてモノが有りまして、
「そんなバカな!」
等と問い合わせても、全く同じ返事が来る始末?
さりながら、私に与える部署が有りません。無論余っている艦も在りません。さすがに辺境77艦隊本部でも、この様な事態は想定外で無論事前予告も有りませんでした。上部機関のホワイトエリア第1艦隊司令本部に問い合わせたところ、中央艦隊からの情報では、
『まだ子供らしい?ただ帝国艦隊規則によって、仕方なく士官学校へ入学させた所、実力が図抜けており1年にて卒業した一応新米少尉である。中央艦隊では使い勝手が極めて悪い為辺境艦隊へ転属させた。アレは特別であるによって、辺境艦隊でも、本人の自由勝手気ままにさせておけ!』
ですとお~ 連絡を受けたホワイトエリア辺境77艦隊本部司令のサナリア艦隊大佐は、その18年にも及ぶ軍務期間中で始めての司令を発したのでした。すなわち
「自由にしていて宜しい。一切の行動に制限は在りません。」
コレって命令でしょうかねえ~?でも公式任務に就いて無いので、食糧の補給はしてくれますが、燃料の補給はしてくれません。しかしさすがに辺境本部だけあってモサ級の下士官兵士はそこそこ居ますね。その彼らが、こっそりと私の私物になって居る武器ゃ装備を買いに来ます。無論第3情報部のA~C級エージェントです。一般の下士官兵士に手の出る価格では在りませんでしたからね。彼らは、経費として証拠集めの名目で武器や個人装備を購入し、上司に現物を通信映像で見せて報告したのです。しかし、彼らの受けた返事は全て
「あれは中央で本当にアブレ者のしかも士官にせざるをえなかった者だ。その証拠の品は、仕方無いキミの個人装備にせよ。あの者が持っておる武器、装備は全て公式に破棄処分手続きが済んでおるからな。あの者は完全な白なのだ。以後接触調査は不要である。」
なんてほぼ同じ様な回答だったりしたため、何はともあれその様な入手困難な最新強力な武器や装備なら個人的に購入しても問題無いはず? と言う訳でこっそりと買いに来るモサは後を断ちませんでしたが、大半が真っ青になってスゴスゴと引き上げたりしていました。だってしょうがないじゃあないですか。今回の任務の私の身分証と一緒の財布の中身、590セルでしたからね・・・私のお金何処へいったのかしら~。完全保障してくれて居るそうですけどね。よって!
「こりゃ凄いバトルビーだなあ。」
「ああ、モンマン社のⅦ式だよ。エリア艦隊や黒色隊もまだ支給されて無いよ。」
「う~んコイツは幾らなんだ?」
「まっ、オマケして2万セルかなあ~」
「グゲ!有り金叩いて・・・もう少し安くならんかい?」
なんてお金に縁の無い連中ばかりでした。それでも中には根性で買って行く・・・多分経費で落とすかな~
しかし豪の者もそこそこ居りまして、何とか27万セルですと・・・支給されるのは、全部簡易宇宙食ばかりですモンね。まあ~この辺境77艦隊本部事態の食事が質素ですしね、公売所へ行ってもな~んか今一以下でしたあ。ボザンナ当ててから趣向品には結構お金使っていますしね。それに私のシルバー・マイティー号係留はさせて貰ってますが、その場所はパトロール中の遊撃艦隊の空いてるスペースなんですよね。10日に1度は移動しなくてはなりません。よって、少しずつでも燃料の純鉄バーを使います。しかし、そちらの補給は無し。やむなく比較的近いグローバルステーションへ向おうとしたら、極秘命令で、とある大型グローバルステーションへ行きゃあいいんでしょ。しかもついでの様に、残されていた麻薬を10日に1セット破棄せよですと!何か考えて居る事見え見えなんですけどね。まっ、こっちも背に腹は変えられません。フォーティフォー第1001グローバルステーションへと出かけました。ほほうー、一千万人級の大型グローバルステーションですね。
「ようこそ、フォーティフォー第1001グローバルステーションへ。ん~クイックライナー船かあ、ビジネスの予備着艦ベイへ着けてくれ。」
「はいよー。」
そりゃあまあ~驚きますよね。接客係・・・だって出てきたのが、艦隊少尉の軍服きてますからねえ~
「オメー何者だ!」
「今は艦隊少尉の無所属かなあ~」
「なっ、何の用なんだ!」
「純鉄バーとさ、趣向品が欲しいんだけどさあ、売り物はそこのハッチの辺りにも転がってる武器や個人装備なんだよね。」
結局所長が飛んでくる事になってしまいました。総レアメタル装甲の為遠隔スキャンの出来なかった見た目100%クイックライナー船に乗っていたのが、艦隊少尉で、売り物がトップランクの警備隊長ですら見た事も無い最新の武器と個人装備で、買いたい物が、燃料と趣向品?グリーンフォー所長さんと長いお話合いになりました。そりゃあまあ~見た目まだ子供、しかし貫禄と船は一流のプロ級、しかも艦隊少尉ですからねえ。疑われて当然ですが、所長が時間を稼いで入る間に、先方も辺境77艦隊本部に顔のきく幹部も多い為まず確認したところ、今回用にインプットされた私の話とピタリと同じでした。
「アイツ、アンタの処へ行ったのか。・・・あれは白だ!かなり程度を越えたアブレ士官だ。けど見かけに騙されるなよ。ああん・・・積荷の事かあ~!全部前の任地でカッパラッテ来たシロモノらしいんだが公式には全部破棄処分された事になってやんのさ・・・はあ~?オレも有り金叩いて何とか買ったけどスゲーぞ・・・だけど高くてよう。」
等々、連絡の取れたモサ級の信用出来る者からは、同じ返事が来たりしていました。そしてそれらの情報は彼らのオモチャ級特秘回線で所長に報告されていました。
「まっ、お売りいただける品物を見せて頂けますか。」
「良いけどね、まだ船倉まで行けないんだよね。通路に天井まで詰め込まれてる物からかなあ~」
「宜しいですよ。」
「じゃあ船までご一緒に、ついでに警備隊長級も呼んでほしいけど。」
「すっ!凄げーバトルビー!黒色隊より強力ですぜ。おい!幾らなんだ。」
「あーそれは、4万セルだよ。」
「ヌゲエ~高っけー!」
「ほう~、これはひょっとして、個人用バリアシステムですか?」
「うん、シールドも付いてるタイプだね。多分辺境じゃあ絶対に出回ってないよ。10万セルだね。」
「グッ・・・」
とにかく彼らの予想を超えた物ばかりでしたが、値段の方もすっ飛んでおりました。そこで、販売に話を振って純鉄バーが1本100セルと吹っかけたら、販売担当の命が風前の灯、目を疑う重バトロイドと重武装の超高速アンドロイドが出現その数10体以上。グローバルステーションで対抗可能なバトロイドは存在していません。しかし、遠隔スキャンは不可能でも、ステーション内のマイティー・シルバー号の精密スキャンはある程度可能でした。確かに個人装備や武器の超強力最新式がギッシリビッシリいったい如何やったらこのように完璧に隙間無く詰め込めるのか?そして、超特秘報告
「コイツ麻薬にてを出してます。最高級レベルを9セット確認!」
いやー結構売れましたね。200万セル程売れましたよ。けど何故か全部一種類一機のみ?
サイレール産のサーシュに、かなり高級な食材ただし全てパック品、開封と同時に適温になる手間要らずのモノばかり。当然グローバルステーション価格、通常価格の2倍を当然として、買っておりました。でもって基地へと帰りました。マジでやる事在りません。時々モサ級が武器等を買いに来る程度。基地へ帰って少したった時、フォーティフォー第1001グローバルステーションがもっと武器装備が欲しいので又来て欲しいとの連絡がありました。一応次ぎの休日に行く旨の返事をしておきました。
「ぜっ!全部?」
「はい、本社の方から全部買い取れとの指示なのですよ。」
「う~ん・・・詰め込めるだけ詰め込んだからねえ。一応通路の分は売ったけど・・・」
「如何されましたか?」
「船倉の中がねえ・・・」
いったいどれ位在るのか解りません。ふーむ、吹っかけて5000万セルとでも言ってやろうかな。
「いかがでしょう。船倉全部で1億セルでは。」
「いぃー!売ったあ~」
「それでは、1億セル確かにあなたのカードへ振り込ませて頂きました。」
「うぅ!マイティ・シルバー号船倉オープン。」
「総員!作業開始。」
「スゲー人だらけ・・・でも、出来る者ばかりだね。」
「お分かりになりますか。本社及び全てのステーションの幹部と警備隊長級ばかりです。」
「麻薬の数が7になっております。」
「まだ早い。更に内に来るように手配する。様子は逐一報告しろ。」
「わかりやした。」
「当グローバルステーションで採取しました鉱石系アステロイドを時々指定の企業まで運んで頂けませんか。」
「まあ~今の処任務も無いしね。構わないけど、私速い代わりに高いよ。」
「それは当然の事でしょう。軍務に差し障りの無い程度で結構ですからね。」
と、言う事で年中ヒマな私は、適度に不可能に近い仕事をこなしていました。まあ~ついでにお仕事中の宙賊を一隻ズダボロにして、ホワイトエリア辺境77艦隊本部司令に報告したりしてますけどね。アン時は、エリア艦隊まで巻き込んで大騒動でしたよね。
「ヤツの麻薬残り1セットです。」
「よ~し。」
「今日はお仕事の話の前に、お薬のお話等いかがでしょうか?」
「バレてたかあ~」
「摂取期間はかなり自制されておると察しますが、お体の大きさから一度の摂取量が多過ぎなようですな。こちらへどうぞ。」
「オヒ、こっちはVIPゾーンだよ。にしても厳重な事。」
「しかし、そのお年で、いったい如何言う事なのですか。」
「まあね~ローにまで落っこちたしね。」
「まさか!それで艦隊少尉とは考えられませんよ。」
「いや本当。2年前までは、クイックライナーだったんだけどね。私の航路上で宙賊がお仕事中でさ、ちょうど虫の居所の悪かったときでね。思考型超高速小型ミサイル24発ぶっぱなしたんだ。」
「へたな宙賊なら爆散ですよ。」
「いや・・・相手が重巡航艦でね。仕方無いから近くのエリア艦隊呼んだら・・・貴族様が二人も出来ちゃって私は有無を言わせず士官学校へぶちこまれたあ~。とろい学校でさ1年で卒業したんだ。以前買ってもらった武器装備はね、ホワイトエリア中央艦隊内勤少尉にさせられてね。それが倉庫管理士官だったりしてね。倉庫いっぱいあれが在ってね勿体無い辺境へでも支給すれば~なんて言ったら全部廃棄処理して私の私物の船に詰め込まれて、配置も無いのに飛ばされたんだよね。だから普通に寝ると悪夢ばかりなんだ。私本当は14歳なのよ。書類上は17歳になってますけどね。」
「はーそれはまた・・・普通の私どもの20年分は生きてこられたのですね。だからその若さでその貫禄・・・納得しました。おくの部屋へどうぞ。」
何せ私は出来るプロより麻薬に関しては詳しいですしねえ。それにある程度の麻薬を売って居るぐらいで査察や強制調査などをやっていては、全艦隊と宙兵隊を動員しても絶対に手が廻りません。ただ超高級品を扱うには、それなりの麻薬精製施設が必要なのです。そして私が狙わされているのは、この超高級麻薬なのです。
ふーむ、VIPエリアの特別室の更に奥の部屋ですか。
「うーん、メデッシ、メデッカ、メイラッチですかあ~チョッと後に残るタイプですねえ。ほう~ドローガ、ストヴォ、メントムふ~使い勝手がねえ静脈注射系は体に後が残るし、廻るまでふぶんてきにねえ・・・」
「はあーまあ確かにそう言う事ですか・・・即効性なのですが・・・ああ!あなた自分の体の大きさに気付いて居なかったでしょう。失礼ですが体重は40KW有りますか?」
「うー、38KWですねえ。」
「一回当たりの使用量、通常の2倍使って居た事知らなかったでしょう。」
「えっ?でも・・・いや確か前に買った時もカプセルの中身を調整してもらってるよ。」
「はあーだからですか・・・と言う事は、やはり最高級品だったのですね。」
「うん、特級品に胃薬を半分混ぜてもらってるよ。ん?ファルマかあ~コレいくら?」
「一回の使用量が通常の半分ですから、一回分は1000セルですね。」
「高っけー!通常分1単位2000セルだよ~ボッタクリにしても程度問題だよう~。」
「通常流通して居る麻薬1ギガ単位からせいぜい10単位程しか精製不可能なのですよ。無論その過程で様々なレベルの薬は造れますけど、決して無茶な価格ではありませんよ。これだけの品物は辺境では中々入手出来ませんよ。」
「今使ってるファルモの10倍だよー。」
「ほほう、さては精製プラントで購入されたのですね。」
「かなあ~?かなり大型のグローバルステーションでさ、中央艦隊パトロール宙域にしては、強力な所だったよ。」
「ふーむ、中央ですか・・・ファルモ・・・聞いた事はありますが・・・半単位で100セルとは!」
「でも残り少ないし、24回分胃薬半分入りお願いします。」
「では、24000セル頂きます。」
「スリット。」
「準備に時間が掛かりますので、しかしいったい如何して?」
「グローバルステーションのローは干からびて死ぬ。両親を亡くした10才前の女の子の助かる確率は0%、私もそうなるはずだった・・・でも、黒色宙兵隊の攻撃があってね、戦う者には武器と食い物と水をくれると放送があってね。コスモライフルを渡されてビジネスエリアへ行くグループに入れられてさ、構えるだけの体じゃなかったんだけど何故か腰だめで撃つと全部命中するんだよね。で、私のシルバー・マイティ号のシルバー船長に気に入れられてそのまま脱出したんだよね。でもシルバー船長はその時に致命傷を受けて居たんだ!本人は最後に笑って、『自分の船を譲る相手を見つけて良かった』てね。操縦、航法、機関の知識0の私が恐ろしく短期間でS級になったのは、船に在ったマイクロチップのおかげでね。船の電子脳にはシゴカレましたよ。でもね船の電子脳によれば、AA級のはずなんだって?初めから何でも運んだよ。子供と侮られないように、ステーションじゃあ武器や体技の特訓をうけてね。それでも、舐められてたよなあ・・・必死だった。で、宙賊の重巡航艦をやっつけて近くの艦隊に連絡したら、艦隊士官学校へ年齢無視で入学。本当は、その功で事実捻じ曲げて貴族が二人出来たことを隠す為・・・16歳の艦隊少尉として、中央の後方士官やらされてたよ。で後は知っての通り。睡眠カプセル使って押し付けられた仕事を何とかこなしてたよ。そしたら感覚がおかしくなってね。軍医に見てもらったら、睡眠薬をくれたんだ。でも入院中悪夢の連続でね。特別処方のゆめを見ない睡眠薬をくれたのさ。けど給料が安すぎてね休日ごとにアルバイト。グローバルステーションから一流企業の裏口へ鉱石運びだったねえ。その内チョッと楽しい夢の見れるお薬の話が出てね。以来最高級品だけ、休日の前の夜だけね。」
「なる程。お薬が出来上がりました。我社の名誉に掛けて、一切手抜きをせず最高の夢をお届けしますよ。」
後が如何なったのか?一切知りません。比較的近い宙域で麻薬精製プラント要塞が艦隊によって攻略、まやく製造プラントもかなりの数攻略されまして、同じエリア辺境の侯爵がおとり潰し本人御自害とか?第4情報部もかなり分業してるようですね。
等とアッチへ、コッチヘと計10年間もあぶれ新卒少尉をやっておりました。んで、辺境の士官学校の教官を1年・・・私の頭の中のマイクロチップが特製の為でしょうか?本来絶対に破れないはずのプロテクトは完全にはずれましたあ~。計算上私は25歳のはず。でも私は14歳のままでしたあ~。只今フォン・聖騎士の位まで上がっておりましたあ~。ついでに本当の現役士官としては艦隊中将なんですと。一応第4情報部のエージェントとして万年艦隊少尉でも、クイックライナーでも良いなんて言われましたけどね。確かにクイック・ライナーには魅力を感じましたけどね、ハッキリ言って帝国の裏側を見すぎましたあ~。何十人貴族を創ったと思います?その裏側での醜い駆け引き・・・そして辺境の悲惨さ・・・
「ではキミには、3恒星系の男爵になってもらうよ。」
「うひゃ~辺境の没落貴族の墓場ですかあ?えっ!エリア艦隊宙域の中央寄り・・・罠は、アノねえ、超重力鉱山惑星なんて要りません!」
「ふ~む、キミに対する正当な評価なんだけどねえ。ふーむ、70恒星系の侯爵かなあ~」
「だっ、誰がなりますか!普通の農業系有人惑星3恒星系で充分です。」
「ふむ、我侭だねえ。ではエリア艦隊宙域の農業惑星でまあーまともな3恒星系コレ資料だけどここで良いかねえ。」
ふ~む、何か裏が有りそうですが解りません。
「分りました。ここで男爵を務めます。」
「いいよ~それと叙任式は内輪で執り行うからね。」
モロ嵌められましたあ~!ダークグレーエリア宙域の3恒星系、有人惑星3。可も無く不可も無い手間の掛らないこじんまりとした領域・・・ただ、お隣がウイストン・スレイム卿ガビー男爵でしたあ~。しかもエリア艦隊中央方面、私の所領から辺境方面全域ウイストン大公爵の領域・・・まだ私に何かさせる気なのでしょうか?
まあーさして手間暇不要の恒星系でしたが、その統治となるとこりゃ大変ですよう~。貯め込んでいたお金を使って、ここは一発大投資、中央艦隊に中古要塞1個分けて欲しい。理由は領域を治める為の高性能中央電子脳で~す。なんて申し入れしましたら・・・
「おう!コレ持って行け、ん~いや運んでやろう。」
何の事は無い。中央艦隊の訓練の一環として、主星系の軌道上に10兆t級が一切無料で運ばれました。主砲や大型ミサイルは取り外されていましたが、防衛系では、3恒星系を楽に守れます。
アドバイスにしたがって有人惑星には、官僚育成の学校も立ち上げました。こちらの設備に関しても、教えられた中央の窓口で、申し込みましたら、中央官僚育成学校の教育の一回としてこれまた無料で中央並みの施設と、教育実習の一環として、卒業間近の学生が教官として来てくれております。
所領は安泰ですし、男爵ですと士官の方も卒業です。元気いっぱいシルバー・マイティ号て゜飛び廻っておりました・・・2年間だけ? 領民と言う者は実に勝手なシロモノでして、住み易い、税金が安い、しかもインフラ整備も万全、無論各惑星の備蓄も充分ですと自然に増えてまいります。入国審査も厳しくして居りますが、じわ~っと人口が増加。帝国では、1有人惑星10億人の基準が有りまして、貰った時には3有人惑星で18億人でしたのに、たった2年で・・・10恒星系のご加増。これがまた酷い恒星系ばかりでして、まともな有人惑星が有りません。帝国の有人惑星基準は厳しくて、地軸はかっきり10度傾いていて、1年は正確に360日、1日は24時間と決まっているのに、それに近い惑星が5個残りの5恒星系は無人恒星系と来たものです。普通の貴族なら自力で!の処私は所詮一度はアウト・ローまで落ちた者。恥も外聞も無く帝国中央艦隊のとある窓口に申請書を提出しました。
いや~帝国って結構ヒマを持て余して居る部署多いのですねえ・・・はあー?その方面の士官学校の実習ですかあ~。先方では、こう言った申し込みが無くて、実習が出来ずに困っていたそうです。最初は、控えめに
「アノ恒星系にもう一つ有人惑星造れますけど・・・無論全部無料です。ですから、その~申請書を出して頂けませんか?」
だったのです。しかしその内
「いやーいくら何でもそりゃあ無茶ですから。」
「フン!上級実習が出来ずに困っておるのだ。多少の無理を何とかする事が貴重な実習になるのじゃあ~」
「でもあの惑星は1.5Gも有るのですよ。」
「その衛星全部を固めると0.5G程度となる。」
「だって、無理!」
「黙って申請書を提出しろ!人口を増やす方が悪いのじゃあ。」
絶対無理だと思いました。グチャグチャと煩いセールスでもあそこに関しては何も言いませんしね。失敗したら笑ってやるつもりで、
「分りました。提出しましたよ。」
「フフフッ、確かに貴殿の申請書受領した。まあ帝国の力と言うモノを見ておれ。」
つうて、またやるに事欠いて、思いっきり無茶な事するのわ見ているだけ~
デッカイ戦艦がドッカと出てきまして、惑星も衛星もバラバラ、こちらは艦隊士官学校の上級実習ですと?更に寄ってたかって、惑星2個に固めてしまいました。結構手間取っていましたが、1年程で、同一軌道上に元から在った有人惑星を含めて3惑星完成させちゃいました。
等とドタバタ10年で、開発し尽くした所領が出来まして・・・
「その治世あっぱれであ~る。」
なんて言われて、30恒星系の侯爵ですと、更に隣接する領主が行き詰ってご自害。その所領をつかわす。なんて事重なりまして、気付いた時には107恒星系の侯爵になってました。そして、帝国の力を見ているだけ、ただしこちらからお願いする形の申請所が必要なだけでした。何か男爵になってから20年がウソの様に感じています。それにしても、最初に貰った10兆tの要塞に搭載された中央電子脳は天才ですねえ。治世に何一つ不安は有りませんでした。人口の増加以外はですけどね。
現在帝国刑務省へお願いしている重力鉱山惑星12、普通の鉱山惑星も帝国刑務省から申請書を提出してお願いする様に、凄い圧力で粘られて17惑星。実はコレ死刑より一段軽い流刑惑星になっております。これら帝国刑務省の在る恒星系では、農作物の余剰分を全て定価で買い取ってくれるのですよね。
ところで、私はロナ・フォース卿レイナ侯爵なのですが、依然第4情報部員なのですよね。射入されたマイクロチップのせいで、この腐れ縁は私が生きてる限り続くのです。ただ当然ながらその地位も上がって部長直属となっていて、時々見落として居た事をアドバイスしてくれます。その代り仕事のよく命令されますけどね。かなり以前から知って居たのですが、この部長は帝室の一員で、何故か宙兵隊が大嫌い。ゆえに私の所領の開発は全部艦隊関係で処理されて居ます。ですから、普通の侯爵には保有出来ないかなり新鋭の艦隊も貰っています。それでもヒマを見つけては、クイックライナーの仕事をしていましたけどね。いや~快調ですねえ。なんて思って居りましたら、バレマシタあ~
ウイストン大侯爵閣下御自ら、何とオメガ級戦艦に乗って、無論他にも戦艦、重巡、軽巡多数引き連れまして、主星系の10兆t級要塞まで訪問されちゃいましたあ~!その第1声が
「マサカと思うたが!」
って、20年以上前の事良く覚えてますねえ・・・
『あーあ、子爵辺りになった頃に教えるつもりだったのに。派手に遣り過ぎるからだよ~』
頭の中の非常回線使って上司の部長が文句言ってますよ。やり方は今分りました。
『だっ!誰が1万恒星系も面倒見るものですか!今で充分です!絶対に増やすなあ~』
「うむ、いったい如何したのじゃ?」
「あっ!いえ突然の御来訪恐れ入ります。」
「まあ、息子の件では迷惑をかけてしもうた、帝国は知って知らん振りが原則ゆうのう。」
「はあ~そう言うモノなのですかあー。結果的に私探知のレアスキルが、371でして帝国の管理レベルとか?・・・領域増やされて困っているのです。」
「うむ、その事をそなたに教え様とやって来たのじゃよ。そなたの領域のみこの宙域で最も漸近が少ないのじゃ、故に領民は増える一方なのじゃよ。」
「帝国の定めによる所得税の税率は10%なのじゃ。」
「はあ~内もそうですけど?」
「ところが、公式には定められて居らぬ税が在る。消費税というものじゃ。これが10%である。」
「はへ?消費税って何ですか?」
「例えば1000セルの品物を買うと100セルの税金が掛る仕組みなのじゃよ。」
「えー!知りませんでしたあ~。私は艦隊とグローバルステーション育ちでしたから・・・」
「じゃろうのう、艦隊の公売所にはその様な税は存在せんし、グローバルステーション・・・アレはボッタクリと言う。まあ100%の消費税と考えれば理解可能かのう。」
「でも、そんなに税金集めても仕方無いし・・・」
「その様な事じゃから、他領からの移民に歯止めが掛らんのじゃ。」
「でも・・・何故帝国は、その事を教えて呉れなかったのでしょう?」
「多分帝国は、その方をもっと大きな領主にするつもりであろう。ただ少々速すぎるゆえ、余の耳に入るようにしたのじゃ。今この事も帝国は知っておるはずじゃ。」
「手のひらの上ですか・・・至急消費税の件は実行致します。」
等と帝国にモロバレの指導を受けたり、一応公営のロナ・クイックライナー社の高速貨物船はウイストン大侯爵閣下宙域の自由航行権をもらったりしました。結果的にダーク・グレーエリア辺境と中央の食糧、原料、製品の輸送国家として、独特の地位を得る事になってしまいました。無論モロバレでも、内々でウイストン大侯爵宙域でイヤでも発見してしまう麻薬プラント要塞や精製要塞、時々宙賊等をご報告しております。さすがウイストン大侯爵閣下軍備は充実しておりますねえ・・・まあ~下士官、兵士は、ん~士官もお宝に飢えてますけどねえ。
しかしですよ。隣接する侯爵閣下破産御自害で、な・ん・で・
「隣に模範的黒字侯爵が居るのに情け無い。その所領全てロナ・フォース卿レイナ侯爵に授ける。」
のですか?所領が4倍以上の432恒星系になっちゃいました。いりませんと断りたいのですが、帝国にその様な窓口は存在しないそうです。しかも待ってましたとばかりに、帝国艦隊士官学校ですねえ~
「こらー!あの惑星は、テラフォーミング今一じゃあー、ううん解っておるのか?」
「はーい、分りますよう~そっち方面の初級実施試験ですかあ~・・・申請書だしましたよ。」
「ふふふ、宜しいついでにアッチの惑星じゃがなあ・・・」
「はいはい、無理を承知で申請書出しましたよ。」
帝国中の艦隊士官学校で割り当て会議でもして居るのでしょうか?しかもこっちの申請書受付は全て書類を書けばその士官学校の高速艦が来て、如何言う処理をするのかは知りません。ただ手書きの申請書が必要なだけ、たく、書類に殺されますね。
その点、刑務省の方はかなり下出ですね。私のお宝探知能力は惑星にも通用するのです。とはいえ忙しいので適当に・・・
「あのー、いかがなモノでしょうか?」
「4G以上が21ですねえ。4G未満が37ですか・・・」
「お願いします。」
「って、又全部ですかあ~?」
「ぜひにも。当方で出来る事は何なりとさせて居ただきますから。」
「では、資料を転送しますね。」
「はい!ありがとうございます。もう何処の刑務惑星も満員なので本当に助かります。」
ですと。ちなみにこれらの惑星では、私の所領有人惑星の余剰食糧を全部定価で買ってくれます。
いやあ~軽い軽い、チョッと書類に押し潰されそうですけどね。まあ税制改革で、人口の激増は止まりましたが、それでもやはりじわりじわりと増加してるんですよねえ。まっ、黒字恒星系ばかりですからなんて余裕こいていたら、
「ふ~む、中々良き領主であ~る。」
等と帝国のテッペンの方がおっしゃられたそうで、帝星に召喚されました。んで、貰ったのがデカければ良い、豪華絢爛だから良いと言う、帝国双輝勲章でした。恒星系でなくてよかったあ~
「ほうー、あやつ帝国双輝勲章を授かりおったか・・・アレは子爵以上の者、又は子爵以上になると認められし者に与えられる帝国最高の勲章・・・まずは、10万恒星系程度は治める器であったのじゃのう。」
「ふっ、我が部下でも良かったけど、これだけ領主が不足していたら仕方無いねえ。」
知らぬは本人ばかりなり。永遠の生命を持ちながら、所領治世に追われる運命が決定されていたのでしたあ~。
いや~思ったより時間が掛かってしまいもうしわけありません。この小説は銀河帝国と言う一千億恒星系の銀河系の物語のひとつなのですよね。前編と共に呼んで頂けるとかなりすっ飛んだ内容になってしまいましたあ~。