友達にメールで送ったら以外と好評だったのでなんか投稿してみた。
心地良くイラッときたい方にどうぞ
缶コーヒーのフタを開けようとしたら、さ。
爪が割れたんだ。
「あぁ、伸ばし過ぎたな……」
と思って、今度は爪を切ってからコーヒーに挑んだんだ。
やっぱり爪は割れた。
僕は仕方ないから、友達を呼んでフタを開けてもらったよ。
寸前で何故か僕の爪が割れた。
こうやって色々試している内に、両手の爪は全て無くなってしまったんだ。
だけど、真に全ての爪が無くなった訳じゃない。
練習だけで右足は全滅したさ。
そして左足は、小指を除いて全て水虫に侵されていた。
その時、僕は思った。思ってしまった。
「このまま小指を犠牲にしなきゃいけないほど、僕はコーヒーが飲みたいのか?」
だいたい、これ間違えて買ったブラックだし。
僕甘くないと飲めないし。
………いや、違う。
僕はもう、この缶の中身に興味なんか無い。
そんなの、微糖か無糖かの違いだけじゃないか。
僕はただ。自分の運命を打破したいだけだ。
公園のベンチ。
両手足から血を流し、缶コーヒーを足に挟みながら鎮座する男。
遠くから、パトカーのサイレンが聞こえる。
……僕は。
缶コーヒーのフタを、
開けた。
開いた。
小指に爪は、残っていた。
頬を伝う涙。僕は、咽び泣きながら、コーヒーを煽ったんだ。
普通に吐いた。