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1復活

人生初の作品です、読んでもらえたら嬉しいです

俺は初めての戦争に参加している。

政治家曰く、戦争の理由は

「我々の安心できる暮らしを実現する為に、

我々だけが集う居住区を作ろうではないか!」とのこと。


よく分からない。


金とかで原住民に交渉して、

聞き入れなかった者は力ずくで追い出す、そういう戦争だ。


正しいとか間違ってるとか色々言われてるが、

俺のような軍人は結局のところ、

政治家が「戦え」と言うから戦う、ただそれだけだ。


俺の所属している軍隊は、

陸・海・空・ドローンの4つの正規部隊がある。


そして俺は“補給部隊”にいるが正直、

部隊と呼べるかも怪しい。


正規部隊に配属される前の、

ただのヒラ隊員の集まりだ。


主な普段の仕事は、武器の手入れや清掃。


戦場では、食料や弾薬を前線に届け、

後の時間は突撃用のドローンに


リモコン式の爆弾をくっつけまくる。

重要な仕事なのは分かってる、

だけど、もっと分かりやすくカッコいい、

正規のポジションに就きたい。


その為にも手を抜けない、

評価されるまでは耐える。


俺のやる気は高い。


前線に物資を届けた時、

負傷した仲間の応急処置ができるよう、

医療パックの使い方を勉強した。


時限爆弾のタイマーを止める練習もしたし、

射撃訓練もできる限り受けている。


穴埋めでも何でもいい、

実力をアピールする事こそ昇進の近道だ……


仲間の危機を今か今かと待つのは

いかがなものかとは思うが、

四の五の言ってられない。


自分の存在を認めさせる……


その為の努力ならどんなことも惜しまない。


入隊したのは自分の意志ではない。


今の俺の上官に「来ないか?」と言われたから入隊した。


必要とされるなら何でも良かった。


必要とされたい、ただそれだけ、

それだけが俺の望み。


とにかく、今は与えられた役割を果たさなくては……


前線のメンバーに弾薬を渡し、

下がっている負傷者の応急処置をし、

疲れてる人に食料を配る。


弾丸が飛び交っているので

少し下がった位置でも危険で、

流れ弾にでも当たったら大変だ。


作業を終えて素早く車両に戻ろうとした時、

意識が無くなる。


おそらく流れ弾が頭に直撃して、

俺は死んだんだな……

まだ自己紹介もしてなかったのに……


本名は分からないけど……

コードネームならあるんだ、覚えておいてほしい。


卓越したモノは何も無いけど、

地味ながら縁の下の力持ちって意味でつけられた。


ブレイス「こちら補給部隊『ブレイス』より本部へ。

サーバーから復帰した」


無線「こちら本部了解、

3分後に輸送ヘリが飛び立つのでそれに乗ってくれ」


ブレイス「こちらブレイス、了解」


間違いなく、俺は死んだ。


記憶が途切れた戦場には、“俺の死体”が残っているだろう。


だが、俺は生きている。


復活したんだ、科学の力でね……

俺たちの脳の中にはあるチップが埋め込まれてる、

生体電気で稼働し、脳の記憶を完全に読み取る。


そして、それをサーバーにバックアップし続ける。


生体電気が無くなった時、つまりは死んだ時、

バックアップされてるデータを

新しいチップに読み込ませる。


それを装置に保存されてる、

似た体系の人造人間の脳にチップを埋め込み、同期する。


その際に人造人間の顔や体も自動的に整形される。


死亡したと判定されてから約10分全てが完了し、

死んだハズの人間が復活する。


これが「サーバーから復帰した」って言葉の意味だ。


最初の方に政治家が言った「我々」ってのは

チップを所有している者、通称“チップ持ち”のことだ。


もちろん俺の所属してる軍の人間もみんなチップ持ち。


俺たちが戦ってるのは

チップのあり方に因縁をつけてくる連中と、

それに賛同した協力者達の寄せ集めだ。


この戦争、どう転んでも俺たちの負けは無い。


あいつらは死んだらそれでお終い、

俺らは死んでも復活する。


チップも無いのに何故戦う気になったのやら……

まあ、どうでもいい。


ラクして昇進できる機会だ、養分になってもらおう。

最後まで読んでくれてありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
なるほどそういうことか。でもチップを介して作られたクローンは果たして本物なのか的なパラドックスが見えてきますね… 独特な設定で面白いと思います!
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