"初めての出会い、再び向き合う時間"
木製の机がきしみ、古びた椅子が鈍い音を立てた。
息を切らしながら、私は体を起こした。
窓の外では、学生たちがボールを蹴る音。
教室内に漂うチョークの独特な匂い。
窓の外から聞こえる雀のさえずり。
この懐かしい風景が私を迎えた。
しかし、私は信じられなかった。
「まさか……。」
震える手。
私は目をこすり、教室の後ろにある古びた鏡の前に立った。
鏡の中には、私の顔があった。
しかし、その顔はあまりにも見慣れないものだった。
私は躊躇いながら、頬をつねった。
「……!」
鋭い痛みが広がった。
その瞬間——
「バフッ!」
誰かが私の方に何かを投げた。
消しゴムが額に直撃する。
「痛っ!」
私はよろめき、倒れ込んだ。
同時に、周囲から笑い声が上がる。
「ごめん! ふざけてたら間違えて飛んでっちゃった!」
友人たちだった。
見覚えのある顔。
そのうちの一人が手を差し伸べた。
その手を取ると、温もりが伝わった。
友人の鼓動が聞こえる。
その音を聞いた瞬間、初めて自分の心臓の鼓動も感じられた。
——その時、ようやく気づいた。
私は、本当に過去に戻ってしまったのだと。
美術室の前まで、私は夢中で駆けた。
心臓は破裂しそうなくらい高鳴り、息が苦しかった。
一段、また一段と美術室へと向かう階段を上るたび、現実感が強くなっていく。
そして——ついに、美術室にたどり着いた。
私はドアの前で息を整え、窓越しに中を覗いた。
——彼女がいた。
陽の光に照らされ、艶のある髪。
窓から吹き込む風に揺れる、肩までの黒髪。
かすかに開いた赤い唇。
しかし、その片方は、誰かに殴られたように切れていた。
そして——
まるで虚無を映すカラスの目のような、深く美しい瞳。
私はごくりと唾を飲み込んだ。
あまりにも久しぶりで。
あまりにも会いたかった。
しかし、過去のように気軽に近づくことはできなかった。
彼女は私に気づくことなく、静かに絵を描いていた。
鉛筆の先が紙に触れるたび、サラサラという音が響く。
やがて——
ポキッ。
鉛筆の芯が折れた。
その瞬間、彼女の視線が絵から離れ、窓際に立つ私へと向けられた。
反射的に身を隠した。
——しかし、遅かった。
ガタン!
美術室のドアが勢いよく開かれ、彼女が出てきた。
「……誰?」
冬の冷たい風のように、氷のような声。
私は喉を鳴らした。
「……さっき、覗いてたの?」
慌てた私は、思わず本音を口にしてしまった。
「……あまりにも美しくて。」
「……は?」
彼女の目が、猫のように細くなる。
私は慌てて手を振った。
「あ、違う! 絵が! 絵が美しいって!」
すると、彼女はふっと笑った。
一瞬だけ、口角が上がる。
「……面白い人ね。」
彼女は一歩踏み出し、私の目の前で足を止めた。
「名前は?」
「……チョン・ジウォン。」
「ジウォン……。」
彼女は低く呟く。
「いい名前ね。私はソヨン。よろしくね。」
私はその言葉を聞き、何も言えなかった。
ソヨンは、過去の彼女とは違っていた。
彼女を思い出した瞬間——
周囲は静寂に包まれた。
にぎやかだった学校は、いつの間にか音を失い、
雀の鳴き声さえも聞こえなくなっていた。
聞こえるのは、互いの呼吸音だけ。
この静寂が、永遠に続けばいいのに。
——そう思った。
しかし。
キーンコーンカーンコーン。
昼休みの終わりを告げる鐘が鳴った。
私は慌てて頭を下げ、
教室へと走り去った。
教室に戻ると、私は彼女を見た瞬間を再び思い出していた。
ゆっくりと記憶をたどっていると——
カチリ。
止まっていた古びた腕時計が、ゆっくりと動き出した。
短針が、ひとつ進んだ。
その瞬間、心臓が冷たくなるのを感じた。
そしてようやく思い出した。
なぜ、自分がここに戻ってきたのかを。
そして、ふと脳裏に蘇った神の言葉。
「時計の針が一周すると、お前が最も愛する人が死ぬ。」
私は急いでスマホを取り出し、メールを確認した。
「死者の情報」が届いていた。
私は指でスクロールする。
【死者情報】
名前: キム・ジヨン
年齢: 37歳
職業: 画家
家族構成: 夫、娘
死因: 殺人
さらにスクロールする。
そして。
画面に映し出された写真を見た瞬間——
息が詰まった。
手が震え、スマホが床に落ちる。
私はこの顔を知っていた。
いや。忘れられるはずがない。
彼女が唯一持っていた、たった一枚の写真。
その写真に写っていた人物——
ソヨンの母だった。
そのとき——
「ピロン。」
新しいメールの通知音が響く。
「死者の追加情報」が届いていた。
【追加情報】
死亡日: 6年前 3月17日
発見場所: 自宅リビング
死因: 刃物による大量出血
容疑者: 不明
未解決事件: ○
記録:
キム・ジヨン氏は生前、有名な画家で、主に暗い雰囲気の肖像画を描いていた。
彼女が亡くなったとき、アトリエには未完成の絵が一枚残されていた。
そして、その絵に描かれていた少女は——
ソヨンにそっくりだった。
今日もよろしくお願いします。
そして小説の周期が大丈夫なのかお聞きしたいです。