表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
─イビルハント─ 殺魔の銀閃  作者: あまみなし
銀狼と悪魔の子
5/8

銀狼の狩り IV

「どうも気がかりだ。レッド5の宙賊でもあんなものをただで手にすることなんてできないはず……。」

『ええ。どうやら、何か裏があるようです。』

「ああ、この件は後で詳しく調べておこう。ひとまず、最後の仕事に取り掛かろう。」



──────



 ─貨物船内─


「クソッ、ボスと繋がらねえ。」

「急に明かりが消えるなんてな。予備電源はどこだ?」


ガコン!


上から、大きな物音と共に強い振動がした。


「上だ。侵入者か?」


2人の男は銃を手に、慎重にハッチへ上がった。


ピーと音がした。

これはハッチのロックが解除されたとかの音声だ。

しかし、ロックは中からしか解除できない筈である。


2人の男はハッチに向けて銃を構える。


ガコッ、キィ──────


「見張り2人。直ちに排除する。」


銃声が2回鳴った。

赤い液体が宙に舞い、2人の男は水に浮いた魚の死骸のようにピクリと動かなくなった。


そして、1人の少年が舞い降りた。


「出入り口クリア。」



─────



まずは艦内の敵を掃討する。

見張りの男の死体から端末を取り出したが、起動しなかった。

やはりさっきの巨大兵器への一撃で電子機器がショートしたようだ。

壁に設置された移動用のベルトコンベアも停止している。


無重力空間での移動は地上を歩くこととは話が違う。


だが、問題はない。

俺はブーツに内蔵した小型推進ユニットを起動した。

これは俺が開発した無重力空間でもスムーズかつ素早い移動を可能にする特製のブーツだ。


現在、艦内は電気系統の機能が停止し、混乱している状況だ。

おかげで周囲は真っ暗だ。


俺は嗅覚、聴覚といった感覚が敏感だ。

敵の位置は充分わかる。


後は迅速に、確実に仕留めるのみだ。



まずはブリッジ。


すると、予備電力が起動したのか明かりがついた。


ブリッジには先程、通信で話した男と数人の賊がいた。

男達は一斉に銃を構える。


「お、お前は……一体何なんだ!?」

「さあ?ただの賞金稼ぎ、これがお前の望む答えかわからないが。」

「こ、この悪魔め!!」


パニックになった男は銃を撃った。

ところ構わず撃つため流れ弾が味方に当たっている。



しかし少年とって銃弾を避けるのは容易いことだ。

素早い身のこなしで銃弾を避けながら銃を撃つ。


ドン!!!─────


1つも外すことなく、その場にいた賊を一撃で仕留めた。

思い通りに動くことのできない無重力空間での戦闘は難しい。

特殊な武装を装備すればその問題も解決するが、それでも実戦の能力がないと話にならない。

しかし、彼のその能力は高水準で装備も整っていた。

これらの要素がこの圧倒的な差を生み出したのである。



ブリッジ、制圧完了。


すぐさま次の行動に移る。


通路を巡回中の2人。

排除。


エンジンルーム。

制圧完了。


貨物倉庫。

制圧完了。


艦内の熱源反応、2つ。

そのうちの1つは俺。


残る1つはこの貨物倉庫だ。

しかし、気配は全く感じない。

それにおそらくこの中に、今回の目標がある筈だ。


「どれも武器やドローン兵器といったものばかりだ。それも特徴的に帝国産……ん?」


匂いがする。

なんとも不思議な匂いだ。

熱を感じる。

鼓動のような音もする。

しかし、敵意は感じられない。


俺は銃を構え、匂いのする方へ向かった。


音を立てず、慎重に身体を進める。


そしてそこには、棺のような形をした機械があった。


この倉庫で一際変わったものといったらこれしかない。


おそらくこれが、今回の目標。

平均的な大人の身長くらいの高さだ。

中に何か入っているようだが、この形状と大きさ。

まるで人を入れるためのようなものだ。


俺は通信を繋ぎ、セバスに連絡した。


「セバス。目標を発見した。回収するから手伝ってくれ。」

『かしこまりました。すぐに向かいます。』


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ