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僕達は廻っている。  作者: 犬バケツ
循環スペクタクル
7/8

二人の相談室

「吹雪・・・・私の名前・・・」

そう言っていた彼女が今目の前にいる。

一年前と変わらない特徴的なサイドテールを揺らしながら、彼女はこちらを見下ろしていた。

「大丈夫?」

「うん、痛くはないけど一人じゃ出れなさそうだからさ、手伝って欲しいな。」

「ふむふむ、なるほどねぇ」

彼女は何か、悪巧みをしたかのような顔をしていた。

「もちろん手伝うよもちろんさぁ、ただぁこのダンボールとか直すのめんどくさいなーなんて」

「ああそれについては本当にごめん。もちろん僕が全て戻すよ。」

「いや〜一人でやる必要はないよ、ただちょっとこの紙を描いて欲しいなーって」

そう言って吹雪がこちらに見せてきたのは入部届だった。

「部員を探してるのか?」

「まぁちょっとね」

なるほど、まぁ困ってるそうだしいいか

「了解、これに書けばいいんだね」

「えっ!?そんなあっさり書いていいの?」

自分から提案しておいて、何を驚いてるのだろう。

「いいよ。基本暇だしね」

部活動というのもまた一興か……

今までの人生の中で、まともに部活動と言うものをしたことがない凛音にとって、この出会い、そして入部はどこかワクワクする者だった。

「なあ、今印鑑持ってないけど…」

「あぁ印鑑はなくても大丈夫だよ。後からなんとかなるし。」

そういうものなのか……

「よし!入部して貰ったところで、我が相談室について軽く説明するね。」

そう言って、彼女はどこからかホワイトボードを持ってきて、何かを描き始めた。

「まず部員は二人!私と君だね。次に活動!生徒の悩みを聞いたり解決したりする!最後に部費、無し!以上!!!」

あっという間に部活動紹介が進んで行った。

「まぁお悩み相談といっても、あんまり生徒とか来ないから、基本的にそこら辺にある本を読んでるかな。後うち、一応顧問はあるけどまぁ、会えたらラッキーぐらいの感じかな。部活動は毎日あるからいつきてもウェルカムだよ!もちろん来なくてもいいし。」

さて……と彼女はホワイトボードに書くのをやめて、こちらを向き直した。

「これで紹介は一応以上かな。他にも言うことがいくつかあるけど、まぁそれはおいおい伝えていくとして、相談室について知ってもらえたかな?」

「ああ、楽しそうな部活だね。」

「そりゃあどうも」

そう言う彼女の顔には、どこか安堵をした顔が見えた。

「よぉし、今日から二人で頑張るぞぉ!!」

彼女の発言にどこか、心が躍っている気がした。

きっとこの気持ちが勘違いでないことを願おう。

「ところでちょっといい?」

「んっ、何か質問?」

「いやー段ボールどけて欲しいなーって。」

「あっ!!ごめん忘れてた」

大丈夫か、相談室………

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