愛の領域、黒き百合
一香がお手洗いに行き、一人暇を壊していると真白が教室に戻ってきた。
「おっ彩華ちゃん、もう用事終わったの?」
「用事といっても軽い荷物運びみたいな物よ。てか凛音こそ何をしているの?」
「あぁこれ?この前買ったんだ、暇を潰せる暇ブロックって奴。さっきまで結構つめてたんだけど、ちょうど今壊しちゃった。」
「へぇ楽しそうね。どこで売ってたのかしら?」
「こら〜彩ちゃん、無駄遣いは無いよ〜」
「うわっ!………あっこほんこほん あら〜一香ちゃん、戻ってきたの〜?」
「まだ猫を被ってるんだ〜大変そぉ」
「時には被らないといけない皮の一つや二つがあるんですぅぅ………あれ!?」
皮をかぶるな、皮を
「相変わらず、彩ちゃんはおっちょこちょいだな〜」
「それは一香もでしょう!」
「まぁでも彩ちゃんのそういうところ、可愛いよ。」
「キュゥゥゥゥゥン」
「一体僕は何を見せられてるんだ………」
急に二人だけの空間を作られても困るんだが。
「これは私たちの愛が作り出した領域、つまり…」
「愛の領域展開って事だね!!一香ちゃん!」
何を言っているんだ、こいつらは…………
まずい、こちらまでバカになってしまいそうだ。
そんな事をしていると、休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。