表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕達は廻っている。  作者: 犬バケツ
循環スペクタクル
4/8

陽気な太陽、西から昇る

「およ、凛音(りおん)じゃん!よ〜す」

保健室から出てふらりふらりと廊下を歩いていると一香(いちか)に話しかけられた。

「あぁ一香か、おはよ。」

「んっ……どうしたんだい、元気ないけど?」

彼女の名前は如月一香(きさらぎ いちか)、僕の友人である。

いつも明るく、他人を巻き込み行動することがよく見られる、クラスを引っ張るタイプ。ショートカットにつんっと伸びた下まつ毛、あまり気崩されていない制服を見に待とう女子高校生

彼女の事を四字熟語っぽく言うと「自称天才バカ他称」と言った所だろうか。

なぜ四字熟語っぽく言ったか?知るかそんなもん。

「まあちょっとボールで頭やられただけだよ。」

「ぷっ 凛音さんちぃっち不注意なんじゃありませんか〜?」

「どこかの誰かさんに教えてもらったとうりに、窓を開けててやられたんだが?」

「へっ!?あ〜〜ヒューっヒュ〜」

何かを思い出したのか、一香はわかりやすく動揺していた。

「にっにしても二年になってから早々問題ばかり起こしちゃうなんて、凛音もばかだねー」

「一香も人の事も言えないだろ・・・」

「私やたむろんに泣きついてやっとの思いで進学したどこぞの誰かさんと違って、私は容姿端麗、英華発外まさに人間クエスチョン・オブ・オナーってところかな。」

人間不協和音の間違えだろ・・・・。

「人間不協和音だなんて、凛音もすっかりグレちゃったのね。」

「グレちゃったのねっじゃねえよ。なんで僕の心を読めるんだよ。」

「そりゃあ長い付き合いだしね。」

「いや、そうはならないでしょ。」

「別に彩ちゃんもわかるよ?」

マジか・・・・・。

「あっ今ちょっと引いたな〜」

「いや、怖いって・・・・そう言えば彩華はどうしたんだ?」

「えっ何で?」

「いやいつも一緒にいるから・・・・・。」

余談だが、彩ちゃんとは僕たちのクラスメイト、真白彩華(ましろ あやか)の事だ。

夏の夜空のように黒く輝く長髪、キリッとした目に威圧感のある少し低い声によって品行方正、才色兼備のとてつもない優等生だと()()()()()()

まあ思われているだけだが・・・。

まぁそんなことはどうでもよく、肝心なのは僕と一香、彩華は中学からの縁だということだ。

三人よればなんとやら・・・・僕たちはいつも支え合っていた。それは高校生になり、屯丸が入っても変わらなかった。

「彩ちゃんは先生に用事があるとかで、職員室に行ってるよっ。」

「なんでそんなに不服そうなんだ?」

「だって彩ちゃんにはずっとくっついていきたいじゃん!?」

「あぁそうなんだ・・・・・」

そういうもの・・・・なのか? 

「そういうもんなんよ」

「もうナチュラルに心読むのに驚かなくなってきたな。」

「あとは凛音が私と彩ちゃんの心も読めるようになったら、言葉がいらなくなるね!」

「そうなったら屯丸が困るだろ・・・・・」

「そりゃそうか、てへぺろりん!」

「・・・・・・・。」

「てへぺろりん!!」

「・・・・・うわっ」

「うわやめてね!?結っっっっっこう今の傷ついたよ!?」

「いゃ〜えっと、ついゾクってしてさ・・・」

「毒舌ゥゥ!?もっと包んでよう!」

「ビニールでいいか?」

「スッケスケだよぉ」

「あはは」

「ふっふふ」

あぁ心地良い………

僕達、四人の友情は実家にいるような安心感だった。

だから…‥もう少しだけ…………この関係が無くなるまでもう少し、夢を見ていたい。そんな気持ちだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ