私は大丈夫ですよ【最終回】
「え~と、この人、大丈夫ですよね。」
「多くの男女が魅力されちゃうって噂ですよね?」
「国王陛下は大丈夫でしょうか?」
「陛下は大丈夫よ・・・陛下に限って・・・大丈夫だと・・・思うけど・・・。」
「でも、そんな・・・淫乱美女、悪女には見えない・・・清楚そうな、知的な感じだし・・・そんな感じはないですわ・・・だと思う・・・思うけど。」
「で、でも・・・素敵な女性よね・・・。」
王妃、女勇者、女魔王、聖女、女魔導士、女魔法聖騎士・・・等々がひそひそ声で囁いているいる先には、国王が同盟国の使者である女性と対面していた。
"聞こえている"と二人の心はハーモニーしていた。
"わ、私をどう思っているのよ~。大体どうして、変な噂ばかり流れているのよ~。 ""俺の信頼性なしなのかよ~。"二人は、交渉しながら、心の中で猛抗議していた。
シチリア王国国王ハンニバルは、同盟国であるカントス王国の使者ターラと戦後処理の交渉をしていたのだが、交渉そのものは、事前交渉の結果もあり、順調に進んで、来月、両国王の調印が約束されたターラが国王と直性交渉というのは、本来許されない、ありえないことことなのだが、彼女の名声が、許してしまったのである。
「君も転生者?逆ハーレム女と噂だけど。」
「あなたも転生者でしょう?あなたこそ、ハーレム野郎とされているわよ。」
「そんなこと考えていなかったんだけど・・・。」
「私だって・・・。」
二人は小声で囁きあった後、大きなため息をついたことが、さらに疑惑を高めた。シチリア王国側の女達がさらにやきもきし、カントス王国側の使節の女性達から、
「ターラ様、大丈夫ですよね~。」
という声が漏れていた。
「とにかく平和になってれた。」
と二人はハーモニーしていただけだった。
他方、アムルダム共和国は、それどころではなかった。
「デ・ウィッテル兄弟は民衆に・・・暴徒達によって惨殺されたそうだ。死体は凌辱的に切り刻まれ、汚物に混ぜられ捨てられたそうだ。そして、可哀想に、彼らの妻子も同様な目にあったそうだ。」
ハストール二重王国国王コマックは、報告書を読み終わると、頬をこれ以上ないくらいに寄せ合っている女魔王オクタヴィアに囁いた。
「民衆とは残忍なものだのう・・・国民議会の議員を選ばせていいものかと心配になってくるわ。」
大きなため息をついて、心配そうにコマックを見た。
「民衆というものは、自分の欲望さえ満足していれば99%無責任な行動しかとらないが、それでもその責任が誰にあるかということを知っているということだ。ウィッテルは、国の、国民の幸せを望みながら、それを誤ったということだ。」
コマックは冷たく言い切った。
味方、同盟国ですら徹底的に搾り取る、騙す、奪う、支配する、その敵に金さえ払ってくれれば武器さえも売る。軍、国王の権威が高まるのであれば、彼の信じる民主主義、市民社会にとって危険だと判断して、国益に、国の防衛に反してさえ、邪魔をする。その民主主義が、市民社会が基本的に一部の裕福な者達のものでしかなかったし、極端な国内各州(共和国)の自治権を認めながら、最大の力を持つホランド共和国が多数決を拒否するなど事実上の国政を牛耳り、代々の有能であったウィッテル家当主がホランド共和国を牛耳っているのが実態だった。
そして、本来アムルダム共和国を守る同盟国を潰すような策略を行い、全国王を退位、追放し、その事実上の暗殺さえ策したが。その全てで敗れ、その侵攻が現実となってきた。さらに、援助を求めたその他の国は、かえって侵攻を開始した。
現国王アップウルは、ほとんど傀儡的状態だったが、市民の有志、軍隊が彼に集結、彼も有能であったため、民社主義を守ることを約束しつつ、非常大権の発動を宣言した。ハストール二重王国等は彼との交渉に応じ、和平を了承、その利益を知っていたからだったが。それを見て、侵攻を開始した国々は兵を退いた。それを見て、ウィッテルは、国王の反逆罪を告発、退位、裁判を求めたのである。流石に、全ての共和国議会も、国民議会もそれに反対、ホランド共和国議会ですら乱入する市民に恐怖して反対を決議した。それで、全ては決したのである。
「とにかく・・・俺は君が無事で・・・俺の側にいてくれることで安心したよ。」
「全く・・・。私は大丈夫ですよ。」
混乱して無理やり終わらせることになったようで、申し訳ありません。誤字脱字の訂正と内容補正をこれからいたします。
読んでいただいた方、ありがとうございます。




