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聖女追放には理由があった。  作者: 安藤昌益


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14/20

すべてはシオの目の前から消え去っていた。

 その夜長い戦いが続いた。ターラの護衛達、シオの部下達もようやく駆けつけ、銃も撃ち、魔法が放たれ、剣が槍が・・・壁が外壁まで崩れ、天井までが落ち、がれきでの死を覚悟しかけて、気が付くと化け物が倒れて死体を晒していた。

 2人がホッとするとともに、腰が抜けたように座り込んだのは、シオが事後の処理をテキパキとすませ、ターラがそれを助けるのが終わった後だった。そのまま、また震えて抱きついてきたシオに、"あの私は、ですから…百合の趣味はなくてですね・・・でも、自分の今までの全てが崩れてしまったわけだから・・・、そのシオさんを受け止めてあげないと・・・だから、だからなんです。"と弁解しながら、抱きしめ返すトーラだった。ただ、それでは終わらず、乳房が触れ合い、互いの息を感じて・・・荒い息をしながらも、ぐったりとして抱き合う状態になってしまったいた。


 翌日、いや翌々日だったかかもしれない。シオが信じていたもの全てを失ったというのは、そこだけではなかったことがわかった。

 彼の主君、リュウが、彼の義姉妹カン、チョウが、寝室から消え去ったという知らせが来たのである。いなくなった代わりに、なんとも醜悪な女?の死体があったというのである、彼女らの衣服をつけた。それならば推測もできると思えるのだが、誰もが結びつけようとしなかった。かつ、大騒ぎする、大混乱となることなく、シオに全ての指示を求めてきたのだった。

 シオはというと、

「陛下・・・リュウビ様のお顔すら思い出せない・・・。その義姉妹様達も・・・。」

 主君の聖人ぶり、彼との感動的な出会い、二人三脚でやってきたこと、彼女がターラに熱っぽく語り、ターラがよく覚えていることも、彼女にはおぼろげなものになっているようだった。


「な、なにか遠い、ずっと前のことに、いえ、全てが夢だったような気がしてきたのです…。」

 シオは、ターラと抱き合いながら、もちろん全裸で、よい夢を語るように言った。それはシオだけではなく、ショクの、少なくともターラが見た、将兵達に共通していた。ただ、シオが全てを切り盛りしていたから、リュウビ達がいなくなっても、さほど混乱無くショクは動くことができた。

"だ、だから・・・その・・・そのシオ様を癒して、優しく元気づけて、しっかりショクを動かして、率いて、我が国の同盟国として、力になってくれるように・・・・だ、だから・・・別に・・・国のため、平和のためであって・・・百合の快感に溺れてではなくですね・・・。"

とターラは誰に弁解しているのか分からなかったが、とにかく心の中で弁解のような言葉を叫び続けた。

「シオ様。元気を出して下さい。これからが大切なのです。あなたを慕う者達の期待に応えて下さい。あなたには義務があります、大きな。でも、あなた様にはできます。そ、それに私はあなたの味方、何時でも力になりますから。」

「あ、ありがとうございます。ターラ様がいなければ私は・・・ショクは・・・この御恩は忘れませんわ。御恩をお返しするために、務めさせていただきます。ともにいて下さい。」

「はい。」

 長い長い舌の絡ませあいが続き、くんずほぐれつ、下半身を擦りつけ合って腰を動かして、喘ぎ声をだしあって・・・・、2人は疲れ切って眠りに落ちた。その直前、"あの女?は何だったのかしら?シオ様に何をして、何をさせようとしていたのかしら?"

 シオに協力し、新生ショクを短期間にまとめることとなったターラを待っていたのは、国王以下の歓迎、称賛の嵐であった。

「ターラ様・・・。これほどまで・・・。私はどこまでもついていきますわ。でも、今宵は。」

"ち、ちょっと~。私は百合じゃないって~。あなた方ね勘違いしないでよ~。"

「まだ、平和はもたらされていませんわ。ここからが正念場なんですよ。同盟した国々とも連係して、勝利し、そして、今、戦っている国々とも和平交渉をして、平和を勝ち得ないといけないのです。」

 とにかく、その場を切り抜けようとしたトーラだったが、

「流石にトーラ殿。おっしゃるとおりだ。」

「トーラ殿は、先の先まで見通して。」

と国王以下頷くばかりだつた。

「トーラ殿をお助けして、平和を実現しようではないか。」

は国王陛下。

「私も、トーラ殿に従い、奮戦しなければ。」

「私も負けていませんわよ。」

は王太子ご夫妻殿下。

「わたしもついて行きますわ、どこまでも。」

「いえ、それは私が。」

「いいえ、私です。」

「女達に負けてはいられないな。」

「そうですな、我らも。」

 女達だけではなく、男達も、将軍、宰相、賢者様以下。

“ち、ちょっと待ってよー!”

はトーラ。


「ど、どういうわけだ?ショクが…。」

 アムルダム共和国正庁では、驚きの叫びがあがっていた。ショク軍が…。しかも、希代の軍師、謀略家のシオが、待ち受けていたターラなるものに、

「ターラ様!」

と抱きついたという報告を受けて…。

「こ、このターラは…なんだ?サキュバスか?悪魔か?」


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