どうしてこうなったの?2
"ちょっと、ま、待って―!わ、私、百合の趣味はないんだから・・・。あ、あれは彼女達に迫られて・・・やむを得ずであって、不可抗力なんだから・・・。"そう心の中では叫び、必死に体の動きを自制しよう、ターラの理性はフル回転した。もう限界になりそうな時点で、何とか、ターラが
「そろそろ湯から上がりませんか?」
と口からだせた言葉に、シオは体がビクッとさせ、我に返ったように、何とか我に返ったようただった、
「そうですね。」
とこれも何とか応じた。後はギクシャクしながら、何とか二人とも自分を抑えることに成功して、そのまま自分の部屋に戻り、事なきを・・・とはならなかった。
それから一時間後、ターラはシオとともに抱きあっていた、怯えて、お互いを守ろうとしてだが、おぞましい化け物から。
それぞれの部屋に戻ろうとした二人だったが、何となく離れがたいものを感じて、何か胸騒ぎ、第六感からくる不安?を感じて、一室で語り合ってしまった。今までの、聖人による理想の治世、彼女の主君、ショク王による、彼女はシオにとって聖人だった、のこと、彼女との出会いについて、ターラと語り合った。
そのターラ達の前に一人の女?が現れた。シオの妻だという。
「え~と、あなたは女ですよね?」
「わ、私、男装していて、男性と称していたので、嫁を紹介されたというわれで・・・、嫁の役割は必要だからということで・・・。」
美しくないが、その才はシオの妻にふさわしいと言われたという。
「え~と、それはどなたが?尊敬する師とか?」
「そうです・・・え?誰?」
「え?」
ターラは呆然とするシオを見て、驚いた。
「シオ様。あなたは何時から、そのような腑抜けになってしまったのですか?」
「は?」
さらに唖然とするシオ。
「ま、まさか・・・あなたは、シオ様・・・シオ様達を操って・・・?」
「おや、流石だねえ。よくわかったねえ。」
「え―?」
その恐ろしい響きに、思わず二人は抱きしめ合ってしまった。
「あの・・・師は・・・思い出せない・・・誰だったの?」
「えーと、オウ先生では・・・そう、噂を・・・シオ殿の嫁取りは真似するなとか・・・。」
突然ターラは冷静になってしまった。そして、直ぐにそれは雲霧解消してしまったが。
「確かにオウ先生は・・・でもずっと前に亡くなった方で、その著作を読んだ…それで…弟子といえるわけで私は・・・」
シオの回答に、ターラは目の前の存在が気になって、当然、焦った。
「そ、それで・・・あれは女?ですよね?あんなのを嫁に?いくら何でも・・・。」
悪趣味過ぎる、変なところに、また、冷静になった、一瞬、自分にターラは驚いた。
「み、醜かったですが、たしかに、世間では実はそうでなかったのではと言うものもいましたが、あのような化け物ではありませんでした!」
「化け物?あれだけつくしてやったのに、それはないでしょう?」
ターラは、もっともよね、その言い分もなどとも思ったが、長い醜いくらいの牙が伸びていたし、全然水気のないぱさぱさの長い髪が・・・どこをとっても、おぞましい化け物でしかなかったその女に、当然ながら味方したいとは思えなかった。
「ま、まさか・・・お前、シオ様を操っていたというだけでなく、最初からシオ様の記憶も全て操作して・・・虚構の事実の上で操っていたの?」
突然、そんな言葉がターラの口からでた。考えた末のものではない、直観か、第六感が何だか、わからなかったが。
「へ?」
そして、化け物女は笑い出した。地獄からの響きのようでしかなかった。
「お前の才能、性格を評価してやったんだ、感謝して欲しいな。お前を腑抜けにした、その女、ターラを殺して、今の記憶を消して、元の通り、聖人の世を実現させるために、類い希な謀略の才と知力を振り絞る名宰相、軍師に戻ってもらうだけだよ。」
「それで、私をシオ様が謀殺したということにするのね?」
「その通りだね。殺すには惜しいし、殺さないとやっぱり危険だね。」
“嫌ー!”ターラとシオの心の声が共鳴した。“もう、覚悟を決めて戦うしかないわ。”ターラは、枕元に置いてある箱から、素早く短剣を二振り取り出した。一振りはシオに手渡した。シオも、直ぐに理解した。
二人は、短剣をかざして、その女?化け物に挑み見かかった。短銃も持っていたが、火薬を詰めている時間がない。
「シオ様まで・・・。仕方がないねえ、代わりは幾人かいるから、このシオは死んでもらうか、え?お前は代わりがつかない存在だと思っていたのかい?」
「黙れ!」
二人は、化け物の攻撃に連携で戦いを挑んだ。
シオの妻?の体には短剣では全く傷すらつかなかった。
「お、お前は何者だ?」
シオが叫んだ。
「お前の妻さ。一度とならず、肌を合わせたろう?」
「は・・・。」
戦いの最中、ジト目になったターラをチラッと見て、
「そ、それは・・・。」
と慌てるシオ。せせら笑うような顔するその妻?。僅かな隙が生まれた。すかさず、
「転真敬会奥義。小進火。」
ターラの魔力は小さいが、精度は、効果は、効率は高かった。1点に高熱を集中させた。片目が小さな熱弾に焼かれ、突き破られた。
「なんだ、馬鹿な。どうしてだ。」
と手で目を押さえて蹲る、くどいようだがシオの妻?。目であっても、普通の、魔法も含めて、攻撃は通用しない、直撃でさえも、通用しないと自負していたのだろうと、ターラはとっさに理解した。
「シオ様。今です。」
「風よ、堅き刃のようになり、我の敵の傷つき血の流れるところを斬り、掘り、穿て。」




