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プロローグ
僕には両親がいない。
だから、親の愛情なんてわからなかった。
それもあって、人からもらう愛情なんてわからなかった。
だからこそ、僕は絶対に恋とかしないんだろうなと思っていたのに。ひっそりと一人で、こんなどうでもいい世界で生きるかもと思っていたのに、君はそんな僕を変えてしまった。
君が、君が居たから僕は…この世界を愛せたんだ。
だからこそ、僕は今日も生きようって思うんだ。
昔の僕が今の僕を見たらきっと驚くだろうけど、それぐらい君の存在は大きかったんだ。
そう、君と出会ったあの日から……