第9話 お誕生日会は盛大です
次回は3月3日です。
皆様が帰ってから、一月経ちました。
今現在、私達は王都にある、伯爵家のお屋敷に帰ってきています。
今日は我等が三女、エラ、アンジェリーナのお誕生日です。カレンディア、姉は既に終わっていて、最後は私なんですよ? 下が産まれる予定辺りが私の誕生日です。
今日は朝からずーっと、大忙しです。
まずは、エラは朝から綺麗におめかしして、朝からエラの大好きなメニューの朝食を済ませ。まずは家族からのプレゼントを渡して。
両親からは、可愛い動物の縫いぐるみと、とても綺麗なアンティークドールでした。まだ成人していない私と姉は、お祝いの言葉だけです。子供同士のプレゼントは、学院に入ってから、贈り始めるそうです。大人になった証拠、らしいです。
お祖父様とお婆様は、綺麗な髪飾りと、美しいリボンでした。
笑顔ではしゃぐエラは、とっても可愛いらしくて、私まで笑顔になっちゃいます。姉は、面白くないのか、ツンとしていましたが、最近、素直じゃないだけと気付きました。姉よ、面倒な性格ですよ、それ。
お昼は、またエラの大好きなメニューです。
さぁ、午後からが大変です。
親族やご近所様、付き合いのある貴族の皆様がいらっしゃいます。姉の時は、男爵家の親族、伯爵家の親族、ご近所様、付き合いのある貴族様が来て、最初は喜んでいた姉も、夜にはギブアップし、早々と寝てしまうくらいでした。
エラは本家の血を引く、正真正銘の伯爵令嬢です。
そう、つまり!
伯爵家の親族の他に、エラの実母様の実家、その親族、男爵家の親族も来る訳で。はい、エラのお誕生日は皆様に気合いを入れて、お祝いされる訳です。
はぁ、私も付き合いますけど、エラは大丈夫でしょうか??
・・・・・・なんて思っていたんですけど、流石、純粋な伯爵家の血を引くお嬢様! エラは社交馴れしていました。姉も顔をひきつらせた人数ですのに、上手くお相手しています。中には、年の近い子も来ていて、エラはずーっと楽しそうです。
姉は緊張し過ぎて、ツンツンですし。祖父母も父も母も、社交で忙しいですが、母は妊娠しています。ゆったりしたドレスは、とても綺麗ですが、椅子に座っていながらの社交です。
「エマお姉様!」
満面の笑みで飛び込んできたエラに、ビックリしつつも、受け止めます。これもすっかり恒例になったため、慣れました・・・。
「どうしたの、エラ? 皆様とお話をしていたはずでしょう?」
不思議に思って、エラに聞けば、何故か満面の笑みで皆様を見るエラ。あ、嫌な予感がします!
「庭に行って、皆で遊びたいの!」
やっぱり・・・。しかし本日は、絶対に許されないでしょう。
「エラ、今日は無理よ、主役の貴方が居なくなったら、皆が困るわ」
「でも・・・、つまらないわ・・・」
小さく呟いた、その言葉は本音でしょう。確かに、誕生日パーティーといいつ、大人は社交ばかり。エラには最初に挨拶して、それ以降は子供をあてがい、自分達は伯爵たる父や母と、更に祖父母と社交しているのです。明らかに、伯爵家との繋がり目的ですよねぇ。
「ねぇ、エラ? 今日は貴方のお誕生日なの、ちょっとくらい、我が儘を言っても、許されると思わない?」
はっきり言って、許される範囲を越えているマナー違反です! 家庭教師の先生に、以前、教えて貰ってから、淑女のマナー本を読んだので、間違いありません!
今日はエラのお誕生日なのです。小さな我が儘くらい、通ると思いますよ?
「お父様、お母様、宜しいでしょうか?」
歓談中ではありますが、私が話しかけます。二人は、複数人の方々に囲まれて、逃げられないようです。全く、何をしに来たんでしょうね? この方々は。
「エラがもうパーティーは止めたいと言っていますが・・・」
「「えっ!?」」
二人はいきなりで驚いたようですが、近くにいる祖父母は分かったようですね? 回りの皆様は、怪訝そうに此方を見ています。
「当然でしょう? 今日はエラのお誕生日なのに、お二人は社交ばかり、主役を無視しれてますもの、私も姉もエラも、お部屋に戻って構いませんよね?」
今はまだ、15時を過ぎたばかりです。主役の退出には、早すぎます。姉は飽きたのか、部屋の隅にいますし。構わないでしょう。
「エラ、本当かい?」
お父様は驚いていますが、回りの方々は戸惑っているようですね? 当然でしょう。主役が退出したいなんて、あり得ないのですから。
「皆さんは、エラが居なくても構わないでしょう? だって、大人は社交で忙しいみたいですし」
チクリと言えば、流石に一部の方々は気まずそうにしていますね。まーったく、気にしていない方々もいますけど。
「エラ? お友達とは遊ばないのかい?? せっかく来てくれたんだよ?」
父はそう聞いてきますが、は~~~~~。駄目ですね。
「既に皆様、飽きてますよ?」
親に言われて仲良くしているようですが、顔に書いてあります。飽きた! ってね。中には純粋に、エラと仲良くなりたい子もいましたが、それは極一部の子だけ。そういう子は、既に母親や父親の元にいます。善良な方々は、ちゃんと分かっていますよ?
ここで、意外な方から援護されました。
「構わないじゃろ?」
そう、お祖父様です!
「大人は社交ばかりしておるんじゃし、エラのお誕生日なのに、子供は二の次なんじゃ、居なくても問題ないじゃろ?」
「そうね? 皆様、お祝いの言葉を言いつつ、社交してますものね、エラが居なくても問題ないみたいだわ」
お婆様も、参戦! 何人かの方々が、顔色が悪いような??
その後、祖父母の嫌味はしばらく続き、社交に来ていた皆様は、エラに謝り、ちゃんとしたお誕生日会になりました。・・・・・祖父母は、強かったです、本当に!
なお、両親からは謝罪を受けました。社交してますものね、二人は。
しかし、エラには最高のお誕生日会になったようです。・・・・・ねえ、エラ? 今までのお誕生日会も、もしかして?
エラの微笑みに、ちょっと勘繰ってしまう私でした。