第7話 図書室ではお静かに?
次回は17日投稿予定ですが、調子が良ければ、もう少し、早く投稿するかもしれません。
食事も無事に終わり、今はお屋敷の案内をしながら、図書室へ向かっています。
途中、何度か執事さんにより、屋敷の説明をしてもらっています。実は、私も詳しくないので、一緒に聞いて勉強しています。うーん、もう少し色々と調べるべきですね。私の知識は、まだまだ足りないようです。ジャック様は、あまり興味がないのか、辺りをキョロキョロしています。大丈夫でしょうか? あ、ウォルター様に頭を叩かれた! えっ? 鉄拳制裁派でしたか?
衝撃のシーンに、固まる私を他所に、図書室につきました。恐らく、これは日常的なものなのでしょう。言葉より、こちらの方が効くのかもしれません。私は、貝になります!
「こちらが図書室でございます、専属の者がおりますので、詳しくは彼に聞いて下さいませーーーーーーポール!」
執事さんに呼ばれて、部屋の左側にあるカウンターから、一人の男性が此方に来ました。彼は、この部屋の主、司書のポールさんです。私も部屋に毎日来ますので、すっかり顔見知りです。
「・・・・・皆様、ようこそお越し下さいました、司書のポールと申します、図書室の管理を任されております」
と、自己紹介もそこそこに、皆は其々が好き勝手に、部屋の中を見ています。ポールさんは、基本的にカウンターから出ませんからね。聞けば、色々と教えてくれますけど。
「ねぇ、エリスティーヌ様は毎日、ここに来ているのよね? 出来たら、オススメの本はない?」
「あぁ! それはいいね! 僕にもないかな?」
うっ、美形兄妹の視線に、たじろぎました。更には、ウォルター様とジャック様、リック様まで、こちらに期待の眼差しを向けてくるのです・・・。何故にこうなったのでしょう・・・・・。
「では、レティシア様、どのようなジャンルが好みでしょうか?」
断れないので、それぞれ好みを聞いてみると、私はいくつかの物語や参考書に当たりをつけます。
「これは如何でしょうか?」
レティシア様は王道ロマンス小説です。拐われた姫君を、王子が助けに行く・・・。はい、イラスト付きの物語です。すっかり気に入ったのか、レティシア様は夢中で読み始めました。
次はクリストファー様です。彼には、今現在、私が読んでいる、他国の暮らしが分かる物語です。外交官の主人公が、行くまでの経緯、そして、行ってからの活躍や暮らし、文化の分かる物語です。
次はウォルター様。彼には、最近読み終わった、文官の方々の日常を書いた、出世物語を。かなり詳しく書かれているため、妙にリアルでしたね。作者様は、もしや文官の出身なんでしょうか?
次はジャック様。彼はあまり本は好まないそうなので、王道の騎士物語をセレクト。あまり難しくはありませんが、騎士に必要な事が、物語形式で書かれています。将来に役立ちそうなので、進めてみました。
次は、リック様です。私が読んでいたシリーズの、第1刊目をセレクトしました。庶民の暮らしや、それぞれの立場が分かる、冒険者のお話しです。最初は庶民ですが、努力を重ね、段々と立場が高くなる、そんなお話しです。
最後は我が姉です。まったく読まない姉には、やはり王道のロマンス小説をセレクト。両親の再婚から始まる、妙に我々に近い物語でした。努力をして、幸せを手に入れた物語です。
なお、エラにも選ぶ羽目に。狡いと言われてしまったので、少し早いですが、私が読んで面白かった、淑女物語にしました。エラには是非とも、立派な淑女になってもらいです。
それにしても、姉よ・・・。レティシア様は既にその本は読んだらしく、感想を楽しみにしてますと言われて、必死に読むのは構わないのですが、私に読めない字を聞かないで下さい! ほら、辞書を貸しますから!
何だか疲れたのは、言うまでもありません。
◇◇◇◇◇
私はポール。この伯爵家の、図書室の司書をしています。
大旦那様と旦那様、更に代々の皆様も、本の収集が好きな為に、広い部屋には、ギッチリと本が置かれています。
本来、司書を個人で用意するなんて、おかしいのですが、ここは例外です。司書を用意しなければ、管理出来ないレベルの本があります!
私もここに来た時は、あまりの量に固まったものです。いやはや、懐かしい・・・。
先代の司書は、目を悪くしたため、暇をもらったらしく、私は引き継ぎすら受けられず、すぐに司書をする事になりました。
基本的な事は、私も学んでいますし、古い本の補修も出来ます。
しかし、1日数十冊の本が来る伯爵家のここは、仕分けに始まり、片付け、整理、補修。更には、別楝にある本もあり、一人で数万冊の管理・・・更に増え続ける訳で。
元々、本が好きで、司書を希望した私は、遣り甲斐を感じています。
そんな私は、新しく来た夫人とご息女とは、関わりは殆どない・・・はずでした。
まさか、アンジェリーナお嬢様よりも、本が好きなご令嬢が居るとは思いもしませんでした。当然でしょう? 毎日、辞書を片手に本を読む人がいるとは。
この国のご令嬢は、勉強以外に、読書も教養としてはしますが、かじりつく並の気迫で読む方はあまり居ないかと・・・。
本人は楽しそうなので、止められません。まぁ、夜更かしはしていないそうなので、時間は決めているのでしょう。
しかし、お客様に渡した物語は、年齢的にちょうどよい物で、感心いたしました。エリスティーヌ様は、将来が楽しみですね。
ところで、皆様? このあと、どうされるんでしょうか?