後日談:豪華絢爛なエラの結婚式4
お待たせしました~☆ すいません、煮詰まっちゃいました・・・。
あの、よく分からない襲撃の後、我々は王城の晩餐会へ来ています。
何故か皆様は、何事も無かったかのように、普通に着替えて、普通に会場へ向かっています。勿論、私もです。
意味が分かりません!!
盛大にハテナを飛ばしている、私を置いて、皆様は普通に会場たる王城、晩餐の間の前の広間で歓談中です。
誰でもいいので、理由くらい教えて頂けませんか!? 本当に分からなくて、頭がおかしくなりそうです。何で知ってる筈のクリストファー様は、何も教えてくれないんでしょうか?
「・・・エリー、此方をあまり見つめないでくれ、もうすぐ答えが出るから、詳しくは後で話すよ」
ウインク付きでそう言われましても・・・。この人、既に子供を持つ親ですが、イケメンで大人の貫禄と色っぽさまで備わってきた今日この頃。近くに居た若いご令嬢達にヒットしちゃったらしく、ハートがあちこちから乱舞している気がします。まったく、無自覚も大概にして欲しいです・・・。後から私には、苦労が付いて回るんですからね?
「答え、ですか? ・・・・分かりましたわ」
私も人目があるため、強くは言いませんでした。と言いますか、答えが出るって、どういう事なんでしょう? ますます謎が深まります。
「さぁ、晩餐会が始まる、席に付こう」
クリストファー様に促され、渋々ながら、席に着きますが、そこで気付きます。ここは、王族の真ん前の席じゃないですか!! 他の公爵家も、王族の真ん前辺りに居ますから、どうやら決まりみたいです。なお、姉は親族ではありますが、既に嫁いでいるため、今回の晩餐会でも、我が家よりは王族より遠い席なんです。羨ましい!
勿論、今回の晩餐会は、実家の両親と弟達、更にはエラの実母の実家も、ゲスト扱いで上座に居ます。我々公爵家と今回は同列扱いです。
・・・・・とはいえ、普段は上座に上がらない伯爵家。すっかり、緊張しているように見えます。特に、弟たち!! 顔面蒼白に近いですよ。大丈夫かしら?
「おや、始まったかな?」
隣のクリストファー様が、ニヤリと笑いました。ますます、謎が深まります。
「始まるって、何がです?」
意味が分からず、盛大にハテナを飛ばす私に、クリストファー様は右手で入口を指差しました。既に招待客の皆様は席に着いているため、立っているのは、使用人の方々か、警護に当たる騎士の方々です。
なのに、何故に扉を指差したのでしょう?
不思議に思いつつも、素直にそちらを向いた私です。そこには、やはり、閉じられた扉が・・・。
「陛下っ!!」
素晴らしい発声の元、これまた素晴らしい勢いで、扉がバンッと開きました。
勿論、会場はシーンとなり、突然の暴挙に唖然となっています。私も目を見開いてます!
「はぁぁぁ・・・何事じゃ、騒々しい・・・祝いの席だぞ」
陛下、顔にはた迷惑と、ありありと書いてあります。私の席からは、バッチリ見えています。陛下、表情にわざと出しているように見えます。そんな陛下を見ているうちに、騎士の方々が、いつの間にか、暴挙をやらかした人物達へ警戒をしていました。驚くべき事に、やらかした人物は複数いました。複数といっても、二人ですけれど。
「陛下っ、聞きましたぞ! 教会に襲撃があったそうではないですか!」
腹から出しているであろう声は、かなりの声量らしく、近い席の方々・・・主に男爵や子爵辺りの方々・・・は、耳に手を当てています。迷惑そうです。
「・・・侯爵、軽々しく、このような場で言う事ではなかろうに」
心底呆れたように、陛下が仰います。そう、入って来たのは、まさかのエラと共に妃候補に選ばれていた、件の侯爵家の御当主と、そのご令嬢だったのです。
侯爵様は、ご立派なお腹をお持ちの、ちょうどお父様くらいの年齢、40代くらいでしょうか。明るい金髪を短髪にした、ふっくらした方です。方や、華奢でほっそりした、勝ち気な感じの、明るい金髪を縦ロールにしたご令嬢です。ドレスは、一応マナー通りの、淡い黄色です。宝石はエメラルドでしょうか。
二人は、数多の視線に、我が意を至りとばかりに、満面の笑みです。強いですねぇ、この親子。心臓に毛が生えていたり? いや、気付いていないだけ?
・・・・・話がそれました。
つまり、クリストファー様は、これが起きる事を知っていたのでしょう。恐らく、上位の家の方々は皆様、知っていますね。夫人達もでしょう。だからこそ、襲撃の時も、皆様は楽しそうにしていたんですね!?
・・・・・そこに、私は入っていませんけれど。いや、これが何を意味するかも、実は分かってませんけど!!
何か、自分で言っていて、悲しくなってきました(涙)
「陛下っ! この結婚は不吉過ぎます! 伯爵家のような下の妃を選ぶから、このような事態が起きたのです!!」
侯爵様の一世一代のスピーチは、未だに続いていますが、内容が失礼過ぎます!! うちのエラは、何処に出しても恥ずかしくない、素晴らしい令嬢です。礼儀作法しかり、勉強しかり、語学も堪能、ダンスも出来て、妃に相応しい、自慢の妹です!!
それを、伯爵家だからと言われるなんて、何だか頭に来ます!
「エリー、可愛い顔が台無しだよ? それに、エリーの実家が、只の伯爵家な訳が無いのにねぇ?」
クスクス笑うクリストファー様は、私を宥めるように、頬を撫でながら、しかし、目が笑っていません! 幸い、私には向かっていませんが、視線が冷え冷えしています・・・。器用ですわ、私の旦那様は。
どうやら、侯爵様のスピーチは、まだ続くようです。
「やはりっ! ここはっ! 侯爵家の我が娘こそが、妃に相応しいかと存じます!」
やりきったとばかりに、キラキラした笑顔の侯爵様。隣で、そんな父を誇らしげに見る娘さん。
今日は、目出度い席という訳で、我々貴族は明るめのドレスを着ています。勿論、花嫁のエラは、白いドレスを着ています。胸元には、巨大なダイヤモンドが輝いています。まっぶしい! 王子、あれは国宝じゃないんでしょうか?? 本気度が、ありありと分かります。
「・・・・・侯爵よ、そなたには話したであろう? 令嬢を選ばなかった理由を」
あらら? 陛下の一言で、侯爵様がピタリと固まりました。うん? 令嬢の方は、分かっていないのか、父を訝しげに見ています。
確か、私が聞いたのは、殿下がエラを選んだと聞いています。成績も文句なし、殿下との相性も良かったとか。でも、確かに、侯爵家を選ばなかったのは、私も不思議です。成績は良かったみたいですし。
「しかしっ! 実際に、教会では襲撃があったのでしょう!? ケチが付いた不吉な結婚式等、国の威信に関わります!!」
反論した侯爵様に、会場がザワザワとします。事情を知らない方々も、不安そうに成り行きを見ています。
「なぁ、侯爵・・・わしは、それが不思議でならない、結婚式にケチ等、付いとらんのだ」
「・・・・・ハァ!??」
陛下の一言に、侯爵は訳が分からないとばかりに、ギョッとして間抜けな顔をさらしています。




