第36話 神様は意地悪です
お待たせ致しました! 久しぶりに、同月に更新出来ました☆
いやぁ、良かった良かった♪
帰宅してから、数日間。私は、部屋に引きこもりました。それだけ、ショックだったのです。・・・あの光景は。
「どうして・・・」
部屋のカーテンは、分厚く、外の光は一切入ってきません。もう昼間なのか、夜なのかの感覚も無いです。
「ちゃんと、守るって言ったのに・・・」
私はあの日、間違いなく、姫様が恋に落ちた瞬間を見ました。だからこそ、思うのです。
・・・・・神様は意地悪だと。
「何でよりにもよって、貴方なんですか・・・」
まだ、頭がぐるぐると、色んな事が浮かんで、そして消えていきます。ベッドにいるのに、寝る事すら出来なくて、あの日から、私はほとんど寝ていません。
と、部屋の扉が、いきなり勢い良くバタンッと開きます。そこには、仁王立ちした、カレンと慌てたエラがいました。
「エリー? いつまで、こうしてるつもり!? 貴女、あのパーティーの日から、おかしくてよ?」
「お姉様、どうされたのです? あの日から、お部屋に籠りきりで・・・」
二人とも、心配してくれたんですね・・・。でも、これは言ってはいけないと思います。二人を傷付けたい訳ではないのです。
「とにかく! エリー! まずは、部屋のカーテンを開けるわよ!」
カレンはそういうと、有言実行とばかりに、私の部屋にズカズカ入り、カーテンをバッと開きました。いきなり、眩しい光が入ってきて、私は反射的に目を庇います。
「まったく、エリー? 考えて動く慎重さはいいけど、いい加減に周りに頼るくらいしなさい!」
「そうですわ、エマお姉様! 頼りないかもしれませんが、家族に相談して下さいませ」
目を開いたら、二人は思ったよりも近くにいて、カレンなんて、此方にビシッと指差していました。
「・・・カレン、エラ・・・・・ありがとう」
そう、そうですね。一人で考えたけれど、上手い案は何も考えられなくて、逆に不安しかありませんでした。ただ、どうしよう、どうすればいいんだろう? そればかり、考えていました。
「パーティーで、貴女、何を見たの? わたくしとずっと一緒だったから、聞いた感じでは無いのでしょう?」
うっ、カレンが鋭いです。
「あの時、わたしはお友達の側にいたから、エマお姉様の見たのは分かりませんが、情報は持っていますわ!」
確かに、エラは王子妃候補。間違いなく、情報はあるでしょうね。
「そういえば、姫様が運命の出逢いがあった、って話が出ていたわね? エリー、もしかして、何か見たの?」
だから、カレン!? 今日は何だか鋭いんですが!?? いつもは、こんなに責めてすら来ませんよね!?
「えっ? 確かあれは、姫様が一方的に一目惚れしたんですよね? 公爵家のご子息に」
エラが素で驚いていますが、私は別の方に驚きました! だって、私が見たのは、姫様と見つめ合う、伯爵子息であり、カレンの婚約者のアルバート様だったのですから・・・。
「待って、エラ・・・姫様が一目惚れしたのは、公爵家の方なの?」
「はい、城では大騒ぎらしくて、しばらく会えないと、エルリック様が昨日、わざわざ来て教えて下さいましたの」
「その様子だと、エリーは誰かと勘違いしたようだけど、誰だと思ったわけ?」
だから、カレン? 何か鋭すぎませんか? 勿論、勘違いみたいなら、素直に言えたのですが、いいのでしょうか? しかし、もう、私にはそこまで気遣えるくらいの、体力的、思想的な余裕はありませんでした。
「・・・アルバート様よ、私のところからは、アルバート様が姫様と一目惚れしたように見えたの」
だから、ショックだったのです。カレンを大切にしてくれると、約束してくれていたから。素直に白状すると、何故かカレンが驚いたように目を見開いて、次の瞬間、どこからそんな声が出るのかというくらい、大笑いされました・・・。
逆に私の方がギョッとしましたよ。
「オホホホホホホ・・・・・・・・やだっ、エリーったら、フフフ、ないない! アルバートに限って、それは無いわ!」
まだ、笑っていました。確かに、冷静になれば、アルバート様は一直線な真面目な方。既に、カレンに一目惚れし、アタックしているのですから、姫様に今さら一目惚れ、はありませんね?
「ところでエラ? 公爵子息って、誰なの? まさか・・・」
ふと、公爵子息が誰なのか、気になって聞いてみたら、エラが真面目な顔になりました。私の婚約者たる、クリストファー様なのでしょうか?
「違いますからね? エマお姉様! クリストファー様ではありませんわ!」
食い気味に否定されました。更には笑っていたカレンが、涙を吹きながら、会話に入ってきます。
「やだ、今更気付いたの? 愛しのクリストファー様じゃないわよ? 確か、武門の公爵家のご子息よ? 最初から、彼が最有力候補だったらしいわ」
あら、まぁ! 確か、クリストファー様と同じく、候補に上がっていた方です。かなり、ガッシリしており、ワイルドなイケメンといった感じの方です。無駄な筋肉がないので、・・・・・あぁ、確かに姫様の理想の方かもしれません。
「パーティーで、お互いに一目惚れをしたらしくてね、上手く縁組みがまとまりそうよ」
何と・・・、かなり話が進んでいるようです。しかし、確かご子息には、婚約者が居たような?
「実はね、婚約者の方、ご子息が苦手だったらしくて、円満に解消できたみたいよ?」
何と何と! どうやら、全てが上手くいったようです。安心したら、何だかクラクラしてきました。そのまま、意識が遠退いていきます。
「だから大丈夫・・・って、ちょっと、エリー?」
「エマお姉様? ・・・もしかして、寝てます?」
このあと、起きたらかなり心配されるのですが、とにかく勘違いで良かったです。




