第33話 横槍が入りました?
明けましておめでとうございます。どうぞ、今年も宜しくお願い致します。
本作が、新年一発目の更新です。
カレンディアお姉様の婚約が決まりました。おめでたい事です。お屋敷は明るい雰囲気で、私も嬉しいです。笑顔が溢れています。
一部といいますか、一人と言いますか。
「あぁ・・・三人とも、婚約が決まるなんて、早すぎる・・・・・」
唯一、ジメッとしているのが、お義父様ですわね。実の娘と義理の娘達が、次々と円満に縁談が決まった事は嬉しいとはいえ、頭では分かっていても、内心が追い付かないという感じでしょうか。お母様は、笑ってましたけど。
「私が公爵家、エラが王家、お姉さまが伯爵家ですか」
揃って、中々に安定したところと、縁談が決まりましたね。エラは、まだ婚約者候補ですが。もう一人の候補者の方は、侯爵家のご令嬢ですが、殿下には不評との噂があります。エラは自慢の妹ですが、彼方とて王子様の婚約者の座は、手放したくないのでしょう。かなり、無理をしているとか、嫌な噂まで出ています。
本来ならば選ばれる公爵家も、今回は血が近すぎるという事で、下の侯爵家や伯爵家が候補に上がったのです。エラは、学生前に殿下から一目惚れを受けて、外堀をしっかりと埋められています。殿下の片思いに、男性学生の皆様が協力しようと動いた事もありましたね。学園が違う為に、あんまり意味が無い状態でしたが。
その為、学園の皆様が殿下の片思いを知っているのです。
「何事も無く、無事に済めばいいのですが」
虫の知らせと申しましょうか。嫌な予感がするのです。と、ノックの音がして、慌てた様子のエラが入ってきました。
「エマお姉さま、お部屋にいらしたのですね! 大変ですわ!!」
いきなり大変と言われても、私は意味が分からなくて、きょとんとなります。
「今度、隣国の王女様がいらっしゃるそうです!」
「・・・あら、隣国の? それの何が大変なの??」
意味が分からなくて、ますます私は首を傾げます。
「もうっ! お姉さま! その王女様は、殿下か公爵家との縁談を望んでいるんです!!」
えっ!?
言葉を理解した瞬間、私は不覚にも、その場に立ち上がっていました。テーブルには、飲み掛けの紅茶があり、ガシャーンという音と共に、茶色の液体が広がっていきます。
「キャー!? お嬢様!!?」
悲鳴を上げつつ、メイドさんが急いで拭き取ったので、私には汚れはついていません。でも、頭の中が、妙に冷静になりました。
「それって・・・」
成人した未婚の王族と公爵家の方々は、全員で5名です。王子殿下と陛下の末の弟に当たる、王弟殿下、公爵家には私の婚約者たる、クリストファー様。他に2名程いらっしゃいますが、今上げた方々は、婚約者が全員居るのです。
・・・・・そう、つまりは、誰かの縁談が流れるということ。
「・・・エラ、貴女は何か聞いた?」
「いえ、ただ、しばらくは、城には来なくて良いと・・・エマお姉さま、顔色が悪いですわ」
それはそうだろう。我が家は、伯爵家です。一番、縁談が流れる可能性が高いのです。姉は、同じ伯爵家に嫁ぐから、問題ありません。エラと私が、一番、危険な立場になった事は、嫌でも分かります。
たかが伯爵家、されど伯爵家。
我が家は元々、王家と繋がる必要はありません。殿下の願いにより、叶ったのです。
私は、一応・・・恥ずかしいですが、恋愛結婚になる、はずです。両思いですから。
つまり、政略結婚よりは強いですが、姫君の一言により、間違いなく何処かの婚約が、解消されてしまうのです・・・。王家の決定が出てしまえば、覆すのは、無理でしょう。
「・・・しばらく、外出は出来ないわね」
思わず、椅子に座ったまま、窓の外を見ました。普段は美しいはずの庭は、まるで、これからが表されたように、薄暗く、強い風が吹いていました。
◇◇◇◇◇
外出は控える予定だった、私とエラ。えぇ、大人しく読書やら、刺繍やらやってましたよ?
ーーーーー先程までは。
「お嬢様、拗ねないで下さいませ」
「拗ねてません!」
我が家に急遽来たのは、王家からの使者であり、王家主催のパーティーの招待状でした・・・。間違いなく、隣国の王女殿下の歓迎パーティーでしょう。
そこには、家族で来るようにと言う、両親と我々3姉妹の名前がありました。そう、エラはまだしも、婚約の整った姉すら、婚約者同伴は無しというお達しなのです。
私は恐らくですが、公爵家の婚約者だからでしょう。
王女様が、常識のある方である事を願います! 勿論、陛下も!!
「・・・どうやら、今回は他のところも、らしいよ、陛下は何が何でも、今回の姫君と誰かを繋ぎたいのかもな」
とは、お義父様の言葉です。エラは気にしてないようですが、どうやら、他の家々も巻き込まれており、傍迷惑な話になっているようです。
「・・・旦那様、ちょっと小耳に挟んだ話がありますの」
お母様は、最近の社交界の話題を上手く聞いて来てくれたようです。私達の婚約の折りにも、何やらあったようで、母が久しぶりに元気で、私とカレンが盛大に冷や汗をかいたのを、今でも覚えています。
「なんだい?」
「えぇ、どうやら姫君は、彼方の国では大切にされていたそうですの、母方の実家である、我が国と縁付きたいみたいです、性格はお優しく、内向的で、刺繍がお好きなんだそうですわ、ただ、・・・好みが、スラリとした筋肉があまりない方だそうですわ」
「・・・はい?」
そう聞いた私は、悪くないと思いますわ。確か姫君の居た国は、武を尊ぶ国で、皆様、大変立派な筋肉をお持ちだっと記憶しています。本にもありましたし、実際に使者で来る皆様は、本当にご立派な筋肉をお持ちでした。
・・・・・どうやら、好みが違い過ぎて、あちらには馴染めなかったのかもしれません。内向的な方でしたら、男性が怖いという可能性もあります。
・・・・・何だか、パーティーが心配になってきました。
「えぇ、エマお姉さま、その気持ちは分かりますわ、姫君が誰をお選びになるか、それで決まるのですから」




