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第31話 懐かしの出逢いです

お待たせ致しました。

次回更新予定は、活動報告にて連絡します☆

次の日、午後一でお客様が来ました。昨日のアルバート様です。勿論、カレンのお客様ですよ?


「・・・お姉様、伯爵家とお知り合いでしたの? あそこ、ご子息様は軍の関係に皆様いて、軍側の一族でしたわよね?」


とは、妹のエラです。眉間に皺がよっていて、それでも美しさは健在というから、美人は羨ましいです。

今日は、私もエラも、家でお勉強の日でしたから、お客様が来て、驚きました。・・・まぁ、私は知ってましたけど。昨日、会ってますから。


「そうよ、私と姉の幼馴染みなの」


彼とは、領地が隣でしたから、よく遊んで頂きました。確か、姉よりも2歳年上だったかと思います。


「多分ですけど、彼は、カレンが好きなんだと思います・・・・・お父様が頭を抱えていましたから」


そう、私は公爵家、エラは王家との婚約が整うのが、ほぼ確定しています。残るはカレン、ただ一人。大体の貴族は、15歳くらいから婚約します。それより若い婚約もありますが、要らぬ詮索を受ける場合があり、あまりいい顔はされません。ですから、末っ子の弟二人は、未だに婚約者は居ません。今は伸び伸びと、健やかに育って欲しいです。


「カレンは大丈夫かしら?」


今は、カレンとお義父様、お母様が、ご子息をもてなしています。お義父様の顔が苦々しいのは、間違いなく、カレンまでも婚約が決まりそうだからでしょう。家族に甘い父らしい一幕です。


「御嫡男ですのよね? エマお姉さま」


「そうよ、エラ・・・あそこは、家を継ぐ子であろうと、仕事に就かせてから、家を継がせるのよ、外を知ってからの方が、嫡男が相応しい子か分かるそうよ」


初代から続く、あの伯爵家の伝統です。仕事が出来ない存在を、まさか伯爵にする訳にはいかないので、優秀な、真面目に取り組める子を、代々、選んで来たそうです。その為か、伯爵に相応しい子しか出ないと、もっぱらの評判です。

まぁ、多産の家系というのもあるでしょう。彼も五人兄妹の長男ですし。


「お姉様は大丈夫でしょうか? 軍の一族に嫁に行って、苦労しないかしら?」


あらあら、エラはそっちが心配なようですが、既に婚約する前提で話している事に、この子は気付いていないようです。カレンに今まで婚約の釣書を寄越した方々は、あまり評判の良くない方々であり、心配するのは分かります。全てではありませんが、犯罪をしている家もあり、御取り潰しになったり、没落した家までありました。本当、カレンは見事な犯罪貴族ホイホイと呼べるかもしれません。我が姉ながら、見事な才能・・・いえ、逆に何処から見つけてくるんでしょうね?


「大丈夫でしょう、あの家は一途な血筋らしいから」


でないと、多産の家系には成らないと思います。彼もまた、ずーっとカレンを思っていたみたいですし。重い愛は絶対に! お持ちだと思いますわ。


「カレンお姉様まで嫁いだら、お屋敷は静かになりますわね」


どこか、寂しそうなエラですが、ずーっとここに居る訳にはいかないのです。それに、エラに首ったけ、ベタぼれの殿下が、今さらエラを手放すとか、ありませんでしょう。エラはほぼ確定なんですから。

我が国は、一夫一妻制を取っていますし、王妃様との間に5年間、子供が産まれない場合のみ、側室を用意出来ます。まぁ、昔はともかく、王になるには議会からの承認と結婚が必要であり、それは皇太子も同じく。余りにアレな方は、幾ら母方の実家が力を持とうと、皇太子にすらなれません。ちゃんとした基準がありますから。

だからこそ、代々の王は、国を治めてこれたのかもしれません。

それに、今代は、新しい血を入れる事は、既に議会でも承認されています。理由は、血が濃くなって来ているそうです。まぁ、身分を重視しますから、仕方ないのかもしれませんが。そんな訳で、全く王家に血が繋がっていないエラは、最有力候補の一人なのです。確か、侯爵家のご令嬢も候補でしたね。・・・・・かなり、性格が悪い方でしたか。私も苦手な方なんで、覚えてます。


「エマお姉様?」


エラに呼ばれ、ハッとします。考え込んでいたようです。


「何でもないわ・・・上手くいけばいいけど」


名目は、昨日のお礼。でも実際は、お見合いという、逃げられないお茶会です。カレンは知らないけれど・・・。カレン、頑張って! 私は彼なら、任せられるわ!

なお、私とエラがお話出来ているのは、休憩時間だからです。ありがたくありませんが、まだまだ家庭教師の方々との勉強があります。社交界に出ても、結婚するまでは勉強するのが、我々のやることなのです。

私は公爵家に正式に決まったそうで、今は外国語を習っています。エラは王家の仕来たりを習っています。

とはいえ、私が習っています外国語は、隣の隣の国です。昔から仲が良いそうです。隣の国の外国語は、既に習得しています。

エラは、王家の方ですから、更に大変そうですね。エラの他に来ている方々は、勉強の為に来ているらしく、お茶会でもエラに早く決まってと、遠回しに言われているそうです。・・・・・いいんでしょうか? 王子を狙う方々は何処へ? ライバルの人はいないのかしら?? でも、王妃様はエラを気に入ってましたから、選考の場で王子を狙っていた方々を落としたのかもしれませんね・・・。しかし、侯爵令嬢は、落としてませんよね? だから、候補な訳ですし。


「やっぱり、心配ですわ、カレンお姉様は素直ではありませんもの」


「そうよねぇ・・・」


いくらお相手が幼なじみであろうと、しばらく会っていなかったし、何よりカレンは素直ではないのです。あの、ツンなカレンが、素直に話せる気がしません。

お父様、お母様、お二人にかかっているんです!!



◇◇◇◇◇



現在、父は不機嫌に、母は嬉しそうに、目の前のアルバート様に、対面していますわ。

勿論、私もですけれど・・・。

此方に合流する前に、妹二人からはとても心配されました。何となく、何となくですけど、今も心配しているのが、ありありと浮かんでいるのです。現在進行形で!

わたくし、貴女方の姉ですわよ!? 何でそんなに、心配されてますの!? 心外ですわ。


「昨日は助けて頂いて、ありがとうございました、お陰様で醜聞に成らずに済みましたわ」


内心を華麗に隠して、お礼をアルバート様に申し上げます。


「私からも礼を申し上げる、アルバート卿、貴殿のお陰で助かった、本当にありがとう」


「私からもお礼を申し上げますわ、娘を救って頂き感謝申し上げます・・・本当にご立派になられて、御父君もさぞや誇りに思っているはずですわ」


父も母も、アルバート様には良い印象をお持ちなんでしょうね。幼い時は度々、遊ぶ仲ではありましたが、母の再婚等でゴタゴタして、会ったのは10年ぶりに近いのですわ。


「いえ、一人の紳士として当然の事をしたまでのこと、そこまでの事ではございませんよ」


好青年の彼の発言に、益々二人の中で株が上がったのが分かります。父は、微妙な表情ですが。アルバート様は、実際、好青年ですし、軍に居るからか、ピシッと姿勢良く、更にはハキハキ話すので、聞いていてかなり、気持ちいい感じです。


「アルバート卿は、軍にまだ居るのかな?」


これは、お父様の純粋な疑問のようです。アルバート卿は、普通に接してますから、大丈夫な質問なんでしょう。


「いえ、婚約者が決まり次第、軍からは離れるつもりです、私は嫡男ですから、そろそろ父に付いて仕事を覚えようかと」


確かに、軍に居る訳にはいかないでしょう。彼は列記とした伯爵家の嫡男なのですから。


「まぁまぁ! 婚約者をお探しなら、カレンはどうかしら?」


母の発言に、紅茶を吹き出すところでしたわ。父なんて、固まりましたもの。

お母様、最初から、それが狙いでしたわね!?

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