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第27話 形振り構って居られません!

次回は誠意執筆中です。もう少しお待ち下さいませ。

伯爵に最後のチャンスを貰った僕は、エリーには会えないまま、公爵家に帰宅した。

運良くなのか、運悪くなのか、両親は屋敷にいた・・・。多分、お見合いが心配だったんだと思う。現状を把握した僕は、既に色々と掴んでいただろう両親の反応が怖い。

戻った僕に、出迎えた執事より、両親が待ち構えているという、意訳を多分に含んだ言葉に、更にヒヤリとする。


「お帰りなさい、クリス」


ほがらかに迎えた母と、明らかに心配顔の父に迎えられた。


「只今、帰りました・・・」


思わず、渋い顔になったのは、許して欲しい。母の笑顔が、明らかにいつもと違う。朗らかさが、他の貴族と話す時のやつなのだから!


「貴方、エリスティーヌ嬢に付きまとっていた挙げ句、告白もしていなかったんですって?」


開口一番の母の言葉に、サッと血の気が引いた。母にはお見通しだったようだ。更には、口調からして、調べさせたか、もしくは女性特有の情報網からだろうか?


「社交界を甘く見ないでちょうだい、貴方の行動を見て、うちとの縁談を嫌がる方々から、散々嫌味を言われたわ!」


何を言われたのか、母の顔が見る間に般若とかしていく。


「ヘタレ男で、頭がお花畑の息子がいて、大変ですねって、遠回しに言われたわよ!? お前はいつから、バカになったの!? わたくし、そんなふうに育てた覚えはなくてよ!」


社交界では既に噂になっているらしい。まぁ、あれだけ裏から手をまわせば、噂にはなると思っていたが、予想外にも、悪い噂が流れてしまったらしい・・・。


「エリスティーヌ嬢は、バカに目を付けられた可哀想な女性として、同情心が集まっているわ! 分かる!? お前は公爵子息でありながら、バカで社交界では噂になっているのよ!??」


それは知らなかった・・・。父を見れば、スイッと視線を外された。多分、父も噂を聞いたんだろう。


「まったく・・・親子揃って、似なくてもいいところを似るなんて・・・はぁぁぁ」


母の言葉に疑問を覚えた。と、同時に、父の珍しい焦り顔で母に詰め寄っていた。


「そ、それは、今は関係ないだろう!? 僕は君が好きで、頑張っていただけで・・・」


「あの時は、本当に大変だったのよ!?? エリスティーヌさんにまで、あの思いをさせるかと思うと・・・」


何やら、二人でしか通じない会話をしている。と、ようやく気付いたのか、二人は正反対の表情で、こちらを見た。


「クリストファー、貴方、社交界の噂を何とかなさい! エリスティーヌさんが苦労する前に!!」


「頑張るんだよ、クリス」


母は雄々しく、父は情けなさ全開で。意味が分からず、固まる自分に焦れたらしい母は、見事な地雷を落としたのだった。


「結婚する前、貴方のお父様も、同じだったのよ! 恋に一直線で、お陰さまで私はエリスティーヌさんと同じ目にあったのよ!? まぁ、私は由緒正しい公爵令嬢でしたから、大きな問題ありませんでしたけど? クリストファー、まさか、お前までやらかすなんて・・・お父様は、あの後、挽回するのに、それは苦労したのよ?」


・・・・・正直、居たたまれない。父は泣きそうである。普段はおしどり夫婦だが、喧嘩も勿論する。今日は、大変かもしれない。主に、父が。


「分かりました、社交界の噂も、彼女との婚約も、彼女を守るのも、やってみせます!」


決意を胸に、両親に宣言すると、二人揃って、何を当たり前な事を・・・という顔をされた。くっ、締まらない!


「お前は、不器用な部分を、お父様から譲り受けたようだから、私が手伝ってあげましょう? まぁ、協力はしてあげるわ、あんないい子を娘に出来るんだもの、私にも報酬があるようなもの、ーーーーーとはいえ、お前のやり方でやりなさい」


母は、試すような視線だった。完全に、味方という訳ではないようだ。


「はい、母上・・・十分です!」


キッパリと覚悟を決めて、言い切った自分に、二人とも満足そうである。

こうして、今後の問題解決のための、目処がたった。


◇◇◇◇◇


「エリー? 貴方、いいの・・・?」


心配そうな母の言葉。いつも、最初に気付くのは、何故か母なのです。


「何がですか?」


クリストファー様が帰り、私はようやく自分の気持ちに気付いて、ようやく落ち着いたところです。


「貴方は、伯爵令嬢として文句なしに、素敵な令嬢になったわ・・・でも、相手は公爵家、苦労も沢山するわよ?」


母の言葉は、全て心配から来ています。幸い、私は恵まれた環境にいましたから、必要な勉学は学べています。外国の言葉も、三カ国語ならば、日常会話くらいなら、通訳無しで会話できます。読むだけなら、五ヵ国語はいけるのですが、発音が難しいところがあり、話すにはいたりませんでした。

しかし、公爵家ともなれば、間違いなく今以上の能力を、確実に求められるでしょう。

・・・・・私だって、学園で恋愛したいなぁとか、キラキラした夢はありましたよ? でも、無意識に思ってしまったのです。私は、家の為に嫁ぐだろうって。お父様は、そんな方ではないのに・・・。

だから、頑張って勉強していたんです。

まぁ、クリストファー様と、殿下の愉快な皆様と一緒が多く、令嬢の友達は少なかったのだけが、未だに納得いきませんが。


「そうですね、苦労は沢山すると思います・・・、お母様、クリストファー様は抜けているところもありますが、一度間違いに気づけば、ちゃんと直せる方です、・・・・・私、信じてみたいです、クリストファー様を」


きっと、今の状態を、彼は一生懸命、何とかしようとしているはずだから。

もっとも、私は怒っている部分もあるので、今回は自分で頑張って頂きますが。


「あらあら! 何だか大丈夫そうね?」


私の表情から、気付いたのでしょうね。母は、言わなかった部分まで気付いて、楽しそうに笑っていました。

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