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第1話 不幸になりませんでした

お久しぶりです。

久方ぶりの新作、楽しんで頂けたら幸いです。

とある王国の片隅。山間部の小さな領地を持つ、歴史だけはやたらあるマーナル男爵家の次女として、私は生まれました。

名前をエリスティーヌと申します。

家族は、マーナル男爵たる父と、やや我が儘な母、母にそっくりな姉のカレンデュラ、そして私です。数人の使用人がいる、一般的な男爵家です。

父は、おおらかで博識な性格で、知を尊ぶ人です。良く、日当たりの良い場所で、本を読んでいます。

母は、我が儘ではありましたが、父と愛し合って結婚したそうで、よく、寝物語に姉と一緒にのろけを聞きました。姉は喜んでいましたね。

母の実家も、男爵家なので、結婚はとくに反対されなかったそうです。

姉は、母にそっくりな見た目で、中身もそっくりです。母と同じ赤毛に、金色の瞳。綺麗系な姉は、母の自慢で、よく二人で話しているのを見かけました。

私はといえば、父と母、両方の良いとこ取りをした感じです。淡い茶髪のストレートヘア、緑色の瞳は父から。顔立ちは、主に母親似ですが、父にも似ています。内面は父に似たのか、読書が好きで、内向的な性格です。常に努力し学ぶ事を、父から教わりました。私は父にかなり目をかけてもらいました。だからなのか、母はあまり、私には構わなかった気がします。

さて、私も順調に成長し、5歳になりました。姉は年子なので、6歳です。男爵家として、淑女教育も始まりました。姉は先に始めたのに、逃げ回って母に珍しく叱られていました。


でも、この穏やかな幸せは、突然、終わりを迎えたのです。


朝から、父が領地に出向いた日。急に、慌ただしくなって、父の訃報を聞きました。母はショックで倒れ、私達も大人に連れられ、気づけば全て終わってしまいました。大好きな父が、土に入る時に、大泣きしたのだけを覚えています。母は、やつれ果てていました。

男爵家は、父の弟さんが継ぐ事が決まりましたが、その際、私達は出ていく事が決まりました。母は叔父さんとは折り合いが悪く、姉も苦手にしていたからだと思います。


「エリスティーヌ、私達のところに来るかい?」


叔父さんは、私をとても可愛がってくれていましたので、多分、そういってくれたのでしょうが、私は母と共に行く事を選びました。幼い私は、母まで居なくなるのは、耐えられなかったからです。しばらくは、母の実家にお世話になることになりました。正直、私はここが一番苦手です。姉は、祖父母に溺愛されてますが、私は別です。私は父方の親族に可愛がられていましたから。

しかし、一月もしないうちに、ありがたい話が出たのです。

何と父の訃報を聞いた、父の友達が、母に再婚の申し込みをしてくれたのです。気の強い我が儘な母は、かなりやつれ、父の訃報を嘆いていましたが、まわりに諭され、再婚には前向きになってくれました。

未だに父を思って泣いているのを、たまに目にしていた私は、幼いながらもホッとしたのを覚えています。

再婚相手は、伯爵様で、何と我々も引き取ってくれるとの事でした。

お相手にも、年の近い娘がいるそうで、私は不安でしたけど。

・・・・・虐められそうで。

こちらは、男爵家。彼方は、伯爵家。

伯爵様の前妻さんは、産後の日達が悪く、亡くなったらしいです。夫人の仕事は、先代夫人にお願いしており、まぁ、娘に母親が必要と思ったみたいですね。

そして、喪が開けた一年後、私達は伯爵様に初めてお会いしました。姉は新しい父親にキョトンとしており、母は緊張でガチガチでした。私は静かに観察していました。伯爵様は、お優しそうな方で、我々にもお話をしてくれて、ちょっと安心しました。ーーーーー虐めはなさそうで。

そうして私達は、母の再婚で、伯爵様と一緒に暮らす事になったのです。


◇◇◇◇◇


兄の訃報で、私が真っ先に心配したのは、兄の娘、次女のエリスティーヌの事だった。

男爵位を私が急遽、継ぐことになり、慌ただしいのは事実だが、あの子は兄の訃報が理解出来ていたのだろう。いつもは控え目でも、表情がくるくる変わる可愛らしい子だったはずなのに、兄の葬儀のあと、表情が凍り付いていた・・・。

だから、私は問うたのだ。


「うちの子にならないか?」


母親は、実家に行く事になったが、長女のカレンディアはともかく、エリスティーヌはうちの特長を強く引いており、向こうの家でやっていくのは、大変だろうと思ったからだ。

だが、あの子は断った。


「お母様と行きます、あの二人だけでは心配すぎるもの・・・」


年のわりにしっかりしたエリスティーヌ。吹き出さなかっただけ、自分は偉いだろう。確かに、と思ってしまったからだ。

その後、まさかまさかの、兄の親友であり、私とも交流がある伯爵から、求婚されたと聞いて、心底安心した。あそこなら、エリスティーヌは大丈夫だろう。可愛い姪に、時々会う事を許可してもらい、私はあの子たちの幸せを願った。

読了お疲れ様でした。

久方ぶりの新作、いかがでしたか?

恋愛ジャンルに挑戦しましたが、はたしてこうなのかな?

新年一発目なので、ドキドキしてます(笑)

今年もよろしゅうお願い致します♪

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