六話 Gとの戦いが始まったんです
六話 Gとの戦いが始まったんです
要の部屋は六畳の1Kでバストイレ付き、罠を仕掛ける場所は限られる。
粘着トラップを流し台の前の床に仕掛けて、保険として逃げそうな場所に毒餌系を置いておく。
ネットで調べるとGはハーブ系に弱いとのことなので、スプレーで巣の辺りに撒く。
そして動き出したGを各個撃破していく。
撃ち漏らしには見えーる君で位置を知らせて、エスパーダに撃ってもらう形を取る。
作戦は以上。これを暗くした部屋でやらなければならないので、暗視ゴーグルを持たない要にとっては辛い。
灯りをつけたくなるが、暗視ゴーグルに光は大敵。一時的にでも視力を失えば、Gの生存率を上げてしまう。それに何よりエスパーダを怒らせたくない。
要は普段閉めたことのない雨戸を閉めて、灯りを全て消した。持っているスマホの画面だけがボーッと光っている状態だ。
「こっちの準備はOKよ」
要は頷き、スプレーを巣の辺りに撒いた。
何体か要に迫ってくる気配がしたので横に逃げる。エスパーダの射線を塞がないために。
要が見えーる君が起動したままのスマホを向けると同じ場所でもがいているGが数匹いる。粘着系の罠に引っかかったようだ。
パァン!
銃声がして、何かが要の足に勢いよく触れた。考えたくもないが爆ぜたGの体の一部が当たったのだ。
「ひっ」
思わず悲鳴をあげて、要は一歩後ろに下がる。足の裏で何かを踏み潰した感覚がした。
すぐに足をどかして見えーる君で確認する。ぺちゃんこになったそれの上にはチャバネゴキブリの表示が出た。
要は綺麗に勝つことをあきらめ、終わったらすぐに風呂場に直行しようと決めた。