五話 Gと戦う準備です(後編)
五話 Gと戦う準備です(後編)
想に連絡するとやはり都が出た。
『何の用?』
都に用はないがモメても時間が余計にかかるだけだ。
『G退治のために協力してほしい』
『パス』
『想にエスパーダを見つけたときのプログラムをスマホに送ってすれるように頼んで。それだけで良い』
それから返信がなくなる。既読なっているので、最低でも都が読んでいる。
しばらくするとメールが想から届いた。添付ファイル付きでクリックするとダウンロードを開始した。
プログラムはアプリ化されていて、見えーる君という名前が付けられていた。
開くとカメラの画面になり、わざと物陰に隠れてくれたエスパーダを難なく見付けられた。
そればかりかエスパーダの上にUnknownと表示される。どうやらネットに載っている画像などから生き物の名前を表示できるようだ。
早速キッチンに近付いて画面を見る。シンクの下にある砂糖などを保管しているスペースにひしめく生き物の集団がいた。その集団の上にチャバネゴキブリの文字が同じようにひしめいている。
「いた!」
とりあえず写真を撮ってみる。画像が荒いがチャバネゴキブリの存在が分かる。
「こいつらをどうやって誘き出そう」
エスパーダに写真を見せると不快そうな顔をして、顔を背けた。
「なんて物見せんのよ」
「ごめん、撮れるんだって分かったらちょっと嬉しくなっちゃって」
「今日買ってきた物は何? それ使えば良いじゃない」
「そこへ誘き出す方法を聞いているんだよ」
「それはあんたが考えるの。私はスナイパーライフルで撃つことしかないから」
「えー」
「えーじゃない! 私はか弱い女の子なんだから」
「か弱い女の子はスナイパーライフルなんか使わないと思う……あ、ごめんなさい」
睨み付けられ、要の指摘は黙殺された。口で負けてるので要のほうが弱い気がするが言える空気ではない。
要はおとなしく作戦を考えた。思いつくのに三十分くらいかかった。幸い必要な物はこの部屋にある。だが一つ問題が浮上した。
「Gは暗くないと出てこないから、部屋を暗くしないといけないけど……」
「あ、心配ないわ。暗視ゴーグル持ってるから」
「え?」
「あんたが寝た後、あいつらと戦ってたのよ。感謝しなさいよね」
エスパーダにマウントを取られ、釈然としなかった。でもこれで戦える。
要は早速準備に取り掛かった。