四話 Gと戦う準備です(前編)
四話 Gと戦う準備です(前編)
翌日、仕事帰りにドラッグストアに寄ってG対策グッズを買った。対策グッズの主力は殺虫剤なのだが、エスパーダに健康被害を与えるわけにはいかないので粘着トラップ系と毒餌系にした。
「これでどうだ」
要はドヤるがエスパーダは呆れていた。
「買ってきただけでしょ。罠は効果的な場所に設置しないと意味ないよ」
「例えば?」
「例えば巣の近くとか」
「ゴ、Gの巣ってどこら辺にあんのかな?」
「キッチンのほうから来るわよ。だからあそこには近寄らないようにしてる」
だからテーブル付近からあまり動かないのかと納得した。
「私がただゲームばっかしてるぐうたらさんだと思ってるでしょ」
「思ってないよ。昨日は大活躍だったし」
「そうだよね」
ホメられてエスパーダは嬉しそうだ。この笑顔を守らなければならない。
要は打開策を考えた。
粘着トラップ系に引っ掛かるのは一握りで大元は倒せない。殺虫剤は使えないし、毒餌系は食べてもらわないといけないので長期戦を強いられる。
積極的にGを倒す方法……。
「見つけて各個撃破すれば良いんだ!」
「どうやって?」
「前にエスパーダを見つけたプログラムだ」
想が作ったプログラムで、これがなければ二人は付き合わなかったと言っても過言ではない物である。
「あれか。あんたは持ってんの?」
「いや、エスパーダはそばにいてくれるし……いらないと思ってたから」
「じゃあ、どうすんのよ」
詰め寄るエスパーダの顔は赤い。
「想に送ってもらうしかない」
「あの人が出てくるのか。やだなぁ」
あの人とは想の彼女、都のことだ。
「エスパーダには手出しさせないから大丈夫」
「頼むわよ」
要はエスパーダの見てる前で想へ連絡を取った。