表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小人もGが嫌いです  作者: 古山 経常


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/10

最終話 彼にガスマスクを買ってもらったんです

最終話 彼にガスマスクを買ってもらったんです


 数日経って、またGが出た。今度はクロゴキブリだ。


 要が殺虫剤を構えると、エスパーダはガスマスクを被った。


 またネットバンクを通してエスパーダにお金を渡し、小人用のガスマスクを買ったのだ。


 殺虫剤をエスパーダがいないときに使うと決めたが、あの戦いの後にエスパーダがいるときに出たらどうするかでモメた。


 彼女がスナイパーライフルで殺すのすらイヤだと言うのだ。


「どうして?」


「弾丸はタダじゃないんだから。それにこれから課金もしなくちゃだし……」


「でもエスパーダ言ったじゃん。殺虫剤は毒ガスだって」


「そうだけど……良いじゃん。私をあいつらから守ってよ」


 エスパーダは甘えてくる。


 可愛いと要は思った。だがこのまま折れてしまって、エスパーダが殺虫剤で苦しむことになると考えるとそれもいけない気がする。


「もしエスパーダが殺虫剤を浴びちゃったら俺は助けられない。だから……」


「大丈夫! これがあれば」


 エスパーダは要にメールを送った。


 開くとガスマスクの写真が添付されている。


「それさえ買えば私は毒ガスで死ぬことはないの。今ならたったの一万円!」


 どこかの通販番組を見て覚えたのか芝居がかった口調だ。だから要は意地悪をした。


「それはエスパーダでも買えるんじゃない?」


 エスパーダが一瞬止まった。しかしすぐに再起動して、要に向けて訴える。


「要に買ってほしいの。要の買ったガスマスクを付けて、要があいつらを毒ガスで殺すところを、要と一緒に見たいの」


 エスパーダは要の名前を乱発した。あんたと呼ぶことから卒業できて嬉しいのかもしれない。


 要は折れてあげることにした。命を守るものだし、あげた物を使ってもらうと嬉しいし。


 そういう経緯で買ったガスマスクを付けて、エスパーダは殺虫剤をGに吹きかけた要の側にいた。


「フッフッフッ、ざまぁ見ろ。私と要の家に来るからだ」


「怖いよ。エスパーダ」


「良いじゃない。そいつら嫌いだもん」


 要はその敵意が自分に向いたとき、どうなってしまうのかと考えて怖くなった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ