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ウィンタージュに憩いの羽音を  作者: 櫛田こころ
ちょっとした日常
68/164

16-4.ケサランパサラン②

お待たせ致しましたー







 *・*・*








 それから、順調にアクセサリー製作を終えた晁斗(あさと)達だったが。克己(かつき)にもケサランパサランの情報は(あかり)経由で伝わってたので。作業が無事に完了してから、ケサランパサラン用の白粉を買って来るように言い渡された。


 費用は、次代の事件で得たところから遠慮なく使いなさいと言われたので。夕方前になっていたが急いでデパートに行くべく、着替えてから車で走った。



「デパートって、どんなところですか?」



 助手席に座っている漣からは興味の眼差しを向けられた。



「大雑把にいや、咲乃(さくの)達と行ってたショッピングモールと似た感じだ。それがもっと建物の高さがあって、高級感があふれた場所っつーとこさ」

「高級……」

「別に服装のことはそんな気にしなくていいぜ? とりあえず、質の良い白粉を手に入れるんならデパートの方がいいな?」

「ケサランパサランには美味しいご飯にですか?」

「ま、そんなとこだ」



 車を走らせること、約二十分。


 陸螺(くがら)市の中央部に位置する大型デパートに到着した一行は、内部の駐車場で車から降り、晁斗を先頭に人型の空呀(くうが)、次代、漣の順にフロアへと向かった。



「わあ!」



 フロアに入ると、漣は子供のように声を上げた。


 たしかに、フロア全体が衣服や化粧品類が勢ぞろいしている場所に来るのは、記憶喪失の彼女には目新しいのだろう。この前行ったショッピングモールとフロアの雰囲気が違うのも無理はない。



「んじゃ、時間も限られているし。行くぞ?」

「あ、はい!」

「なーなー、晁斗。飯もここで食おうぜ?」

「ダメだ。ばあちゃん特製の甘辛煮が待ってっぞ?」

「う!」

暁美(あけみ)さんのご飯ですか!」

「おう。だから、早く行こうぜ」


 ただし、漣には必要以上に目を輝かせてる次代のお守りを頼むように手を繋いでもらった。


 見ようによっては恋人に見えなくもないが、晁斗はその考えに行き着いた時に、少しもやっと感じたので考えるのをやめた。



「えーっと、ここか?」



 部類は和装の化粧品売り場。


 京都ほどではないが、仕入れることも可能なので晁斗はそれを考慮に入れることにして、売り場に入って行く。



「すみませんー」



 それと、時間も限られているので店員を呼ぶことにした。ちょうど見つけたのは初老のベテランっぽい女性だった。



「はい。いらっしゃいませ」

「すみません、俺達が使うわけじゃないんですが。白粉って売ってますか?」

「あら、お客様もですか?」

「も?」

「ああ、すみません。実は、本日でも十件ほど白粉をご購入されるお客様がいらっしゃって」

「え?」



 舞妓などの文化はそう多くないこの都心で、そんなにも多くの購入者が出るのは奇妙だ。


 まさか、と思い。晁斗は店員にこちらの情報を一部伝えることにした。



「もしかして、綿毛みたいなものに食べさせるためとか」

「あ、はい。お客様もでしょうか? たしか……ケサランパサランに食べさせると皆様も」

「皆?」



 おかしい。


 漣が見つけたものもだが、そんなにもケサランパサランが大量発生するのがおかしいと思ったからだ。


 とりあえず、白粉の在庫はまだあったので購入して、一応万屋の名刺を渡してから急いでウィンタージュに車を戻した。



「大変なことなんですか?」

「生態系のバランスを乱す行為になってたとしたらな?」

「せ……?」

「増えすぎちゃ、世間がめちゃくちゃになるんだよ!」



 とにかく、急いで克己達に知らせるべく車を走らせるのだった。到着してからは、まだ客もいるので裏口から入ってまずは燈を事務所に呼んだ。



「ケサランパサランの大量発生?」

「デパートで聞いたら、俺達以外にも白粉を購入したのが十件あったらしい」

「なるほど、少なくない件数だね?」

「だろ?」



 だが、と燈は目を輝かせたのだった。



「ケサランパサランの大量発生!? 神の掲示か。神の掲示なのか!? 幸運の象徴どころか、人々の運命を左右する!」

「兄貴、落ち着け!?」



 とりあえず、妖オタクには堪らない事件になりそうだったのだった。

次回は日曜日〜

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