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13-3.追跡②

お待たせ致しましたー

 






 *・*・*








「「「げーほ! ごほごほごほ!!?」」」

【く……っ、目眩しか!】



 あと少しで、狗神が問題の輩に追いつく直前で。


 向こうから、攻撃はなかったが煙幕のような目くらましを受けてしまい、目にも口にも入り、(れん)晁斗(あさと)もだが、狗神や空呀(くうが)も酷く咳き込んだ。



「しゃらくせぇ!」



 だが、先に声を張り上げたのは空呀だった。


 張り上げた声とともに、風を操って煙幕を霧散させ。辺り一帯に薄い赤い煙を漂わせるほどに、視界を良好にしてくれたのだが。



「……くそ。完全に見失った!」



 狗神のお陰でかなり接近出来たのだが。向こうが何も攻撃しないということもないので、構えていたら先に撒かれてしまった。


 今も、狗神があちこち首を向けているが気配どころか臭いすら霧散させられてしまったみたいだ。空呀も気配を追えないのか苦しげに声を唸らせていた。



【……く。いったいどこに】



 漣の治癒で眼も傷も完治は出来たが、気配を察知出来るのは神格の証がない今、狗神は元の妖ほどの能力しかないのかもしれない。


 もしくは、相手が煙幕以上の目くらましを今の妨害で施したのか。



「……声は、まだ……聞こえます」

「漣?」



 咳き込みながらも、漣はしっかりと伝えてくれた。


 背中をさすってやると、彼女はこちらに振り返ってからひとつ頷く。



「気配……と言うものはまだわかりませんが。声は響いています。おそらく……いぬがみ様の子供さんとも繋がるかもしれません」

「……となると、そのコンタクトを媒介にして。失せ物の術を行使すれば」

「晁斗さん、お願いします」

「おう。じっとしとけよ?」



 懐から急いで札を取り出し、陣は作れないが漣の後頭部に一部貼り付けて。残りを申し訳ないが狗神の頭頂部にも貼りつけて、準備は整った。



「導け、導け。我が力の欠片を繋ぎに、()のもとへ!」



 上空に赤い五芒星が描かれ、探査の糸を張り巡らせるとやがて一本の太い光となり方向を示してくれた。



【……この先か?】

「おそらくは」

「晁斗さん! あの人達がいぬがみ様の子供さんに何かよくないことをしようとしてます!」

【なに!?】

「急ぐぞ!」



 何故、漣にだけその声が聞こえているのかは今追求しようとしてもわからぬことだが。


 今はとにかく、次代の狗神の方が心配だ。親神である狗神ですら、焦りを隠せれずガムシャラに走っているというのに。今は余計なことを考えている余裕はない。


 晁斗は、漣をしっかりと抱え直してから狗神の背にしがみつくしか出来なかった。



「な……んだありゃ!?」



 並走している空呀から、驚愕したかのような声が上がった。



「どうした!?」

「山が……枯れてんだよ!」

「あ……さと、さん。木が、変です!」

「ん……!?」



 漣の後ろから、少し顔を覗かせると。


 狗神の前方にある山が、ほとんど木々が枯れていたのだった。



【……彼奴らの狙いは。次代の狗神の仔を、堕とすためか!?】



 唸り声を上げた狗神は、さらに速度を上げて光る赤い線に向かって走ったのだが。



「……ここは、通さぬ」



 あと少しのところで、先程追いかけていた影よりは断然上背のある男が、一等枯れた木の上から降りて来て、行手を阻んできたのだった。

次回は12時〜

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