22-2.失態
お待たせ致しましたー
*・*・*
つまらない。
女は非常につまらないと、顔にデカデカと書かれているくらいにふてくされていた。
とは言っても、深くかぶったフードのせいで口元しか見えていないが。
「僕のあほんだら〜〜!!」
とあるビルの屋上で、女は動ける範囲でジタバタしていた。
そして、誰かに軽く蹴られると、さらにむすっと膨れっ面になったのだった。
「……こちらの采配ミスとはいえ、悔やむな。長も仕方がないと言っていたしな?」
「けど、けどぉお!? まさか、あんな守護精が進化ってあり得る!? あり得ないでしょおおおお!?」
「騒ぐな。誰も来ないとは言え、無駄な体力を使おうとするな」
「ぷんす!!」
本当に、女の采配ミスだ。あの下位程度の守護精であり、以前の依頼者の一人だった甲本の想い人だったのと。
利用する価値がなかったから放置していたのに。つい先日、甲本の殺害時に対処しようとしてきた眼鏡の刑事が気に食わなかったので。
ケサランパサランへの浸食の際に、核として利用したのだが。
まさか、あの漣でも当初は難しいとされていた内なる邪気を払い除けてしまったとは。
これは、女達裏にとっては大変な誤算だった。
ただ一つ、幸いだったのが。万屋へのスカウトを断ったと言うことだが。
「後処理しようにも。あの御子柴と言う刑事が警戒しているようだからな? 龍の化身が守護精では、俺達でも迂闊に手を出せない」
「そうだよね〜?? それに〜、あの子と所長さんはデートでしょ?…………ムカつく」
「やめておけ。魂と記憶が欠如してもあの能力だ。お前でも太刀打ち出来るか」
「うん。だーかーら、ムカつく!!」
縁が出来たとは言え、そこから結びつくと思うだろうか。
裏に捕らえられていたのを逃げたとは言え、宿敵の万屋の現所長と恋に落ちた。
それだけでなく、前回の狗神の件での連携プレイ。二人は、仕事でも良きパートナーとなるだろう。それが女の苛立ちをさらに高めた。
「……とりあえず。俺達も休暇するように言われた。やけ食いでもなんでも付き合う」
「マジ!? じゃ、ワクワクバーガーの期間限定にしよう!!」
「そう言うと思った」
そして、二人は屋上から姿を消して。地上に出た時は、ぱっと見二人もカップルに見間違える程の出立となった。
その二人が、実は殺人も犯した若い人間だとは誰も知らずに。通り過ぎると、一度は皆振り返るのだった。
次回は金曜日〜




